無邪気な死神

どうも人の善意を期待する世界では、一部の人に心理的負担をかけて、他の大多数は無邪気にやっていることが多い。そういった無邪気な人達は、一部の苦しんでいる人が裏で頑張ってるからだということを考えもせずに、無責任に「楽しければいいのです」みたいな論陣を張ってくれる。あるいは、「難しく考える必要はないのです」とか言ってくれる。

確かに問題を難しくしてはいけないし、たいていの問題の答えはシンプルだ。しかし、その「無邪気」は一部の人の苦労の上に成り立っているものだし、そういった人達が言う「難しく考える必要はないのです」と、無邪気な人達の言うそれとは、まるで意味が違うのだ。

苦労している人達が「あー俺は苦労してるんだ。お前達も苦労しろ」なんて言うのはダサいことで、苦労している人達はそれを知っている。また、それを感じさせないようにするのが甲斐性だと思っている。だけど、そういった「苦労している人達」が苦しんでいるのを垣間見た時に、無邪気な論を張るのはいかがなものか。

確かに考えてどうなるというものではない。しかし、本来みんなで考えればどうってことないことを考えないということ、そういった無邪気な行為は、「コミュニティ」に死を招く死神なのだ。いわゆる「ボランティア」ないくつかの組織に属して来て、そのいくつかを率いて来た経験からそう思う。

別に難しいことを考えたくなかったら考えなくてもいい。だったら、考えていないなりに、人前で何かを語って欲しくない。逆に一度語ろうと思うのなら、無駄なことであっても考えなければならない。みんなが頭の片隅でチラとでも考えていれば、それだけで随分と相互の負担は減るはずだ。

「韓流スターは日本の80年代スタイル」

http://japanese.joins.com/html/2004/1228/20041228181716700.html

あーーなるほど。目から鱗。全てを納得。

実は私はソウルは大好きである。なんで好きかと言えば、「現代に出現した昭和40年代の日本」という感じだからだ。

ソウルには古き良き時代の日本を感じる。日本人が日本人としての「無邪気誇り」を持ち(それ以前は「敗戦」の影響があったらしい)、国民的な意識
として「さーやるぞー」な空気があった昭和40年代。そのくせまだ古い時代の風俗や文化を残していて、日本はやっぱり日本であった時代。そういった諸々が
あった時代の空気を、現代の技術の中で築いた。それが現代のソウルだという感じがするのである。

なので、ソウルに行くと「日本人」としての誇りを取り戻し、テンションを取り戻す。何しろ韓国人達はそういった誇りやテンションを持っている。それに負けてはいられないと思うのだ。

韓国という国が嫌いな人は別にして、好きな人というのは、なんというかこういった「自分たちの忘れてしまった古き良き日本」の姿を、韓国に見るのではないかな。冒頭の記事に書かれているような、おばさん達のフィーバーぶりも、どうもそんな感じがする。

衝動買い

部屋があまりに寒々としているので、暖房器具を買うことにした。何たってうちの部屋の発熱体ってのは、ガスコンロと部屋に組みつけのエアコン、風呂。あとは強いて言えばノートパソコン(ThinkPad 240)だけで、部屋に帰ると寒いことおびただしい。

コタツ欲しい気もしたのだけど、一人コタツはあまり良くない気がするので、布団乾燥機を買った。最近のはちゃんと洗濯物も干せる仕様になっているようだ。これでせんべい布団から解放される。

さらに、ガスストーブも購入。ハロゲンヒータにも心動くものがあったのだけど、光を発するのがうっとおしそうだと言うことと、電気はあまり使いたくないなーってのと、部屋にガスのコンセントがあるので、ガスストーブにしてみた。

これで人の生活に近付いただろうか?

ちなみに、合わせて3万円程度。「衝動買い」とか言いながら、この程度なのが小市民だな。

受け取られなかったもの


ある人に何かをあげようとする。ところがその人が受け取らなかったら、それは誰のものか。


当然まだ自分のものである。

こうして、「好意」やら「愛」はいっぱい手元に残っている。
これが幸せかそうでないかは、考え方の問題だな。

ストロー笛

私がコンサートホールのエンジニアをやっている頃、神谷徹氏のコンサートがあった。神谷徹氏については、この辺を見る。

http://www.k-sw.co.jp/artist/yukai_3.html

私はステージスタッフなので、待っているあいだ氏と雑談をしていた。その時に「作るの簡単ですよ。こーやってこーやって」みたいに実演して下さったので、家で作ってみた。

曲るストローの口をつける側を潰して、横に切れ目を入れる。ダブルリード、つまりオーボエやひちりきと同じタイプのリードが出来上がる。吹いてみると音が出るので、後は適当にストローに穴を開けて行けば出来上がり。

穴の間隔はちょっと計算してみるとわかる。1オクターブは周波数が倍、つまり共鳴部分が半分の長さになる。1オクターブは12半音で… と考えればいいだけ。

残念なことにストローは細いので、半音用の穴を開けるのは難しい。じゃあ半音は出せないかと言えばそんなことはなく、吹き方を加減してやるなり、ジャバラの部分を伸び縮みさせてやるなりすれば問題ない。チューニングもジャバラの部分を調整してやると合わせられる。

アイロンなりストーブなりと鋏があるとすぐ作れるので(なくても何とかなる)、子供の前でサクっと作ると結構ウケるのでやってみると面白い。俺は楽器がダメ? なーに心配することはない。音色は「チャルメラ」の節がピッタリだから、ウケるためにはこれで十分。

ホットチョコレートとココア

ちょっと前に「ポーラーエクスプレス」を見に行ったのであるが、その中で「ホットチョコレート!」と歌うシーンがある。その後に連れは「ホットチョコレートが欲しくなりました」とか言っていた(結局飲めなかったが)。

その時に「ん? ホットチョコレートってココアのことじゃないの?」という話をしていたのだが、連れは、「英語として同じものを指すにしても、日本人にとってはきっと違うはず」と主張していた。確かに「ナクチ」と「タコ」は違うものだし、「pumpkin」と「かぼちゃ」は別のものだ。
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オークション詐欺

今まで、「詐欺」という行為は、なかなか難しいことであった。嘘を本当のように見せる演技力もさることながら、信用を与えるための演出も必要であった。その演出のために、詐欺師はいろいろ苦心したものだ。大企業のフリだとか、皇族の親戚だとか、戦時中に宙に浮いが資産があるフリだとか。そんな大袈裟なことでなくても、いろいろ相手を信用させる小道具が必要なので、それなりに敷居の高いものだった。
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メルマガ「忙しいあなたの代わりに新聞読みます」

http://www.p-apple.net/merumaga

このメルマガ。日々の新聞のヘッドラインを5W1Hで要約して、毎朝送ってくれるサービスである。

何かで見て、便利そうなので読むことにしたのだが、実はあまり役に立ってない。なぜなら、

・同じ形式の広告だけの版を送って来る。忙しいのに、ついうっかり読んでしまう。「忙しいあなた」の時間をよけいに奪ってしまう
・記事は要約されているのにメルマガが冗長。著者の世間話は時間のある時には結構なことなんだが、「忙しいあなた」には邪魔だ
・忙しい人は新聞を読まない。見出しはその取捨選択のためにある。特定の記事の要約よりは、見出しとリーダの一覧とURLだけで用が足りる。つまり、RSSでいい

つまるところ、本来の「忙しい人が短時間で世の中の動きを知る」という目的を達成していない。狙いは良かったんだが、ちょっと欲張り過ぎて本来の目的を達成できなかったのだろう。

とか書いていると、世の中には「シンプルなものを目指して始めたのに、いつの間にか豪華絢爛にしてしまって本来の目的から外れてしまった」ものが
結構あることに気がつく。TCP/IPのうち、頭にSのつくプロトコルのSは、たいていは「simple」だったはずだよなぁとか。

真空管ラジオを作る

電池式真空管ラジオを作ってみた。

ラジオ

低周波部はちゃんと動いているのだが、高周波の動きがおかしくて、まだラジオは聞けず。配線ミスはないようなので、何かの調整なんだろうけど、測定器がないとどうしようもない。

ちょっとした信号発生器と検出器が必要だなぁ。

実は真空管でまともにラジオを作るのは初めて。さらに言うと、新品パーツで真空管のセットを組むのも初めてだ。私のことを知っている人にとっては 意外なんだろうけど、真空管のラジオなんて、作らなくてもそこらじゅうにあったから作ることもないし、田舎だし私のガキの頃には既に真空管用の新品パーツ なんてのもほとんどなかった。新品パーツはちょっとドキドキだ。

半田ゴテをまともに使ったのは久しぶりだったけど、細い技が無意識にできたのは、やはり「三つ子の魂」なんだろうな。