オークション詐欺

今まで、「詐欺」という行為は、なかなか難しいことであった。嘘を本当のように見せる演技力もさることながら、信用を与えるための演出も必要であった。その演出のために、詐欺師はいろいろ苦心したものだ。大企業のフリだとか、皇族の親戚だとか、戦時中に宙に浮いが資産があるフリだとか。そんな大袈裟なことでなくても、いろいろ相手を信用させる小道具が必要なので、それなりに敷居の高いものだった。

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ところがオークション詐欺は頻繁に起きる。これは結局のところ詐欺行為の敷居が下がったと言うことだろう。信用のある(藁)オークションサイトをバックにすれば、かつての詐欺師が苦労して築いたものが一瞬で手に入る。文字で演技するのは、リアルタイムである必要はないから、そう難しいことでもない。普通の国語力があれば推敲に推敲を重ねればいい。

なんてことを言えば、「ネットワークの急速な進歩に社会が追いついてない」などとしたり顔で語る評論家が出て来るわけだが、むしろそんな結論のつけ方は解決から遠避けることでこそあれ、解決の糸口にはならないだろう。

なーに難しいことはない。信用保証のない人には「店開き」をさせなければいいだけのこと。そこをサイトが手軽に儲けたいものだから、敷居を下げ過ぎている。ただそれだけのことだろう。もちそんそうしたからと言って詐欺が全くなくなるわけではないだろうが、「ネットワークの上」ということで特別に多いということはなくなるはずだ。

じゃ、信用保証はどうするかって?そんなもんリアルワールドと同じことをすりゃいいだけのこと。「開店」にコストがかかって利便性が下がる?開店の敷居が多少高くても、開店してしまえばみんな使えるようになるんだから、そんなに利便性が下がるわけでもない。