2004/3/6

今日は漫画を古本屋に売りに行く予定だ。よくもまあこんなに漫画を貪るように集めたものだと自分自身呆れて仕様が無い。只でさえ本棚は狭いというのに。いらなくなった教科書もノートも参考書も全て廃棄して漫画も売り飛ばしてしまえば新しく本を購入できる。どうも僕は蒐集癖があるようで愛でているものはすぐに集めてしまうのだ。どうせ飽きてしまえば塵同然。この前図書館の除籍した本を頂いた。神話伝説辞典(実にマニアックである。持ち出し禁止の判が押してあった)と柳田国男の対談集(面白い。芥川や菊地なんかも対談している)である。戦後のものだが辞典はともかく対談集は誰一人借りていなかった。誰も借りぬだろう。まだ欲しいものはあったが図々しいと思いそれだけにしておいた。

2004/3/9

漫画を売りに行き、思っていた以上の金額を手にすることが出来た。本棚はがらりとしている。持っている本を詰めてもかなりの隙間が開く。少し寂しい気もするが部屋が広く感じるのがよい。父の書斎にある本を読もうと試みている。以前から小説等の書物があるのは知っていたが、書斎自体が湿気ていて勿論本も同様であり恐ろしく臭い。図書の匂いは嫌いな方ではないのだが父の本だけは苦手である。父の本といっても集めるだけ集めて読んでいない物ばかりだ。だから本自体は綺麗なのである。しかし臭い。野間宏の「崩壊感覚」を読み始めたが、一文が長くて少々読み難い。この作品については賛否両論あると聞くがまあ面白そうである。

2004/3/18

十六日に古くからの友人と温泉旅行に出かけた。老舗旅館に泊まったのだが大正浪漫漂う旅館で心惹かれた。最も僕の心を掴んだ物は蓄音機。恐らく蓄音機だと思うが今でも音楽が聞けるものなのだ。他にも薇式のオルゴールだったりアンティーク調のテーブルやオルガン、電話、凡てが古き時代の物ばかりでひどく興奮した。温泉も思っていた以上のものであったし良い旅行になったと思う。やっと京極夏彦の京極堂シリーズの宴の支度始末を読むことが出来た。面白い。たまらない。何故あんなに面白いのだ!野間宏は進まない…。

2004/4/6

部屋の掃除をした。壁中に張っていたポスターなり写真なりを剥がしてしまうと部屋自体が静かになった。元々狭い部屋にうんざりしていた僕は剥がした事により部屋が広くなったような感じがして気分が良い。また無用になった書類等を掻き集めて廃棄してしまうと寝台の下がすっきりした。埃が恐ろしいほど出た。最近歯が抜ける夢を見る。歪む―と言った方が正しいかもしれない。抜けそうになる夢だ。昨晩は抜けた―というか入れ歯みたいに歯茎から取れた。取れた歯(歯茎付き)が妙にリアルで気持ちが悪い夢だった。歯が抜ける夢は良くないことの暗示だと夢占いの本にあった。歯軋りするせいか起きた時に歯が痛い。歯と言うか歯茎か?心地よい夢が見たいものだ。午後から歯医者へ行き歯茎の検査と歯石を取ってもらった。歯茎が少々腫れている所為で出血すると聞いた。歯磨きの度に出血するのはこの為か。豆知識だ。歯石を取るときにゴリゴリ音がするのが面白い。明日も歯石取りに歯医者である。

2004/4/5

微風で散る桜が美しい。元々植物は好きではない。桜も例外でないのだが。小学校には沢山の桜があって掃除が大変だったというあまり良い思い出とはいえないものがある。しかしそれでも美しいと思う。年をとった所為か。桜色は地に眠る死体の血の色だという話を聞いた時馬鹿馬鹿しいと話した相手を嘲笑した覚えがある。今思えばそれもまた桜の美しさを際立たせる。あと数日すれば全て散ってしまうだろう。果敢無きものはどうしてこんなにも美しいのだろう。

2004/4/9

「くだらない」というのが最近の口癖である。直したい口癖だ。頻繁に使うと嫌がられるのは明らかである。だから使わぬよう口を噤もうと試みる所為か無口になる。今日は江戸川乱歩の「石榴」を読み始めまだ途中。死体を石榴に例える表現は素晴らしい。乱歩の作品はすべて読んではいないが、僕が思うに彼の作品はテンポがいいというかポップな内容というか猟奇な殺人事件でも不快感を感じることはない。僕はその不快感を感じることが好きなのだが、どうも彼の作品には感じられないのだ。少し残念でもある。

2004/4/10

長袖の捲り上げなければならないほど温い時期になってきた。それでも矢張り夕刻になれば肌寒さを感じるのである。春が行ってしまうと僕の嫌いな季節がやってくる。梅雨と夏である。北の方では梅雨がないと聞くのでこの時期だけでも引越しをしたい衝動に駆られるのだ。九州の梅雨は悲惨である。ジメジメしていて宜しくない。夏は夏で蒸し暑く身体が上手い具合に言うことを聞かない。ぐだぐだ言っても仕方ないのは分かっている。でも言ってしまうのだ。それほど夏が嫌いである。

2004/4/25

すいません。愚痴ります。いちいちくだらないことをメールしないで欲しい。僕はそんなにまめではないし、意味のないメールは極力控えているのに(携帯代も馬鹿にならない)無意味なメールを送る奴がいる。無視すればいいものを何故か返事してしまう自分が憎らしい。僕には僕の生活というものがあるし、自分だけの時間を大切にしたいと思う。その日にあった事をいちいち僕に報告する必要は皆無であるし、そんなくだらないことしている暇があるならその空っぽな頭に学習内容を詰め込んだ方がよい。奴の行動は理解に苦しむものに値する。だから携帯なんて持ちたくないんだ。便利な道具である前に邪魔な道具だ。愚痴りました。すいません。

2004/5/8

人のあげ足を取ることを生きがいにしてる人を目の当たりにして僕はその愚かで狡猾な人間の醜さに憤慨―というより唖然とした。彼らは彼らなりの言い分がある。それは僕も理解は出来るが、共感は出来ない。ただ人間の恐ろしさに嫌悪するばかりである。さまざまな人間がこの世の中にはいるわけで、僕はその一人なわけで。僕が嫌悪する人間と同じ人間であるということを疎ましく思うことがただの驕りであることは承知しているが、やはり厭なものである。

2004/5/23

時折人と会話している最中に、ふと自己疎外に陥っている感覚を覚える。つらつらと語る相手の言葉が膜を張ったようにしか聞こえなくなり、理解しようとする意識が全くなくなるのだ。返す言葉は「へぇ」「ふーん」ばかりで何を話していたのか覚えていない。体調が宜しくない所為か、外界のことに散漫しがちである。

2004/5/29

時々自分が何をしたいのか分からなくなる時がある。人を振り回して人に振り回されてただそれだけで時間だけが過ぎていって何も残らない場合が多い。何かをするということにおいて見返りを求めてはいけないのだろう。最近そう思うようになってきた。素晴らしい結果を高い理想を求めるが故に何も求めようとしない自分がいる。それがいいのか悪いのか判らないけど、胡乱な不安が付き纏う。欲しいと思うものが無いというのは欲しいものが手に入らないことより辛いのだと思う。辛いと云うよりはどうにもならない厭わしさが蓄積して不快になる。ただ素直に生きてゆけるようになりたいと思う。

2004/5/31

どうしても再会したい人がいる。高校の頃の大切な友人に、だ。友人より深い―と僕自身思っている。親友なのだろうか?相手が好きだったミュージシャンが最近曲を出した所為か、頻繁に思い出す。僕らの別れは曖昧で、もっとちゃんと話をしたかったという後悔に陥る。会っても話さねばならぬことなど無いが、どうしても会いたい。連絡を取る術も無く、相手がどういう進路を辿ったのかも分からぬ。ただ偶然を待って相手に再会したいと願うばかりだ

2004/6/12

他人の一言で僕が傷ついて厭な気分になって鬱になってしまうのは多分人間らしい反応だと思う。何を云われても反応もせず、何も感じないようになってしまってはもう手遅れなのだろう。そう思うと少しだけ楽になる。まだ僕は厭なことがあってそれをプラスに変えてゆく力は無いけれど、正面から受け止めて聞き入れることが出来ると思う。だからもう少しだけ頑張ろうと決意したのだ。明日は久し振りに友人と会う予定だ。長く一緒にいれるだろうから色々話したいと思う。

2004/6/18

今自分が何をしているのかわからなく時がある。前にも同じようなことを書いた気がするが少しだけ違う。したいのではなく、している行為がわからない。下らない考えだと僕自身思うのだが、どうにも上手くいかない。鬱になる。なあなあな行動をとってしまう。冷める。惰性で過ごす生活に何の意味があると云うのだろう。歳を重ねて「あの頃はそういえば―」なんて思い出すのだろう。「今思えば、色々あったな」なんて思い出すのだろう。恐ろしく嫌悪する。それだけの為に斯様な淡々とした生活を送ることは拷問に等しい。何の為に?なんて意味を求めることに執着はしていないが、無意識のうちに意味を求めている僕がいる。そして詭弁じみたこじ付けの考えで煙に巻くのだ。それの繰り返し。何の解決も進歩もしていない。果たしてこれでいいのか、と自問する。そして何をしているのかわからなくなるのだ。

2004/6/30

今日は兎に角眠たくて教室入って速攻惰眠を貪った。なんだかどうでもいいようなことに苛々してしまう自分が嫌いだ。何かと癇に障る。この暑さの所為かもしれない。やらなければならないことはあるのに何故か欲に負けてしまい、下らぬことをしてしまう。気づいたら夜だってことはざらだ。本当に心を許せる異性が欲しい。僕が思っていた人は悉く恋愛を交えようとする。恋愛について馬鹿げてるとは云いたくないが、鬱陶しい。何故、異性=恋 の対象にしかならないのだ。すごく悲しくなる。

2004/7/4

昨日は一日中バイトだった。出来れば今年海外に旅行に行きたいと思っているから目標資金を早急に貯めねばなるまい。はっきりいってきつい。聡明な人になりたい、と強く思う。馬鹿げたことに動じない人になりたい。たとえ「冷めてる」といわれてもいい。若気の至りなどという言葉は使いたくない。

2004/7/7

今日は七夕。雨は降ってます。今日はなんだか良い気分である。旧友に会えたからかもしれない。部屋が汚すぎて本当に耐え切れない。掃除したい。人と深く交流をすれば、それなりに不具合が生まれてくる。軋轢だって生じるだろう。だけど絆というか繋がりは固き物となるはずだ。そう思いたい。だから僕は人と深い仲になりたいと思うのだろう。それと同時にそれまでの過程が煩わしくて厭うてしまう。薄っぺらな交流も楽は楽だが、空虚感は拭い取ることは出来ない。すごく、難しいと思う。こんなことを考える僕は阿呆だと思う。自然に付き合える人を羨ましいと思う。

2004/7/8

今日はバイト。雨が滝のように降っていた。昼からは少しずつ晴れてきたけど。履いていった靴は勿論水浸しになった。少し鬱。泣蝉が鳴くほど晴れてきた。今日はなんだか苛々して友人に暴言を吐いてしまいそうだった。発狂しそうだったといってもいい。酷く気分が悪かった。他人が吐いた空気も吸いたくなくて出来るだけ息も止めて他人が僕の目に入るのが厭で出来るだけ眸を閉じていた。講義が終わる頃には治っていたけど、一時間近く地獄を味わった。

2004/7/18

凄く久し振りな気がしたのに、実はそこまで経ってなかった事に驚いた。何だかんだ云って試験中だったりする。無勉で試験に臨める頭が欲しい。ちびっこ達はもう夏休み。羨ましいぞ、ホント。僕は8月頭まで試験。鬱。夏は暑い。汗を止めたい。どうやら僕は矛盾を伴いながら生きているようだ。穏やかな生活を送りたいと思う反面、あっと驚くような出来事を望んでいる。色々な出来事が起こってくると煩わしくなってうんざりしてしまう。生きるということはそういうことなのか。最近携帯のメールをする回数が増えてきた。いい加減僅かだが邪魔になってきている。世の人たちは邪魔だとは思わないのだろうか。

2004/7/20

今日は本当に暑くて暑くて人間として危なかった。体重が2kg減ってた。嬉しいのやら悲しいのやら。夏バテしないように気をつけないと。最近どうも文を書く気がない。散文なら辛うじて書けるがどうもいけない。書きたいことは沢山ある。案もどんどん浮ぶ。だけど書けない。膨大な量のレポート提出が終わったら、取り組んでみよう。多分もうすぐ終わるのだと思う。あの人の気持ちが薄れてきているのだ。ほっとした気持ちに少しだけ寂しさが残る。互いに依存して束縛して傷つけあうのであれば果たして一緒にいる必要があるかという答えがこれだ。もの欲しそうに伸ばすあの人の手を何度振り払っただろう。これでいい。これでよかったのだ。他人を交えてはいけない。他人を侵食してはいけない。僕を思い出すことがないよう僕を早急に忘れてしまうといい。





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