「育成」が必要なのはプログラマじゃない。

この話は、再三言ってるんだが。

「プログラマを育成しなければ、この国の将来はない」―― U-22プログラミング・コンテスト

今回、プラチナスポンサーとして名乗りを上げたのが、グループウエアや業務アプリなどを手掛けるサイボウズです。その代表取締役社長・青野慶久氏は、コンテストの実行委員長も務めます。青野氏に同社が協賛した理由を聞くと、「プログラマを育成しなければ、この国の将来はない」という危機感があるからだと言います。

ポジショントークだとは思うけど、青野さんまでわかってないのは、実に残念。

人間ってのは、知的好奇心の生き物。特に日本のエンジニアは私が「ジャンキー」と批判するくらい、勉強会が好き。それだけ、みんな自分で「育成」している。

「新技術の習得」は麻薬だ

ハッカソンの類もしょっちゅうあるし、ニコニコとかでも発表会がある。良い成果を上げた者は崇められ、技術系TIPSのエントリはすぐホッテントリだ。

エンジニアが育つのに必要な「コミュニティ」はあるし、教科書も豊富。そういった意味では、少なくとも日本においては、

育成環境として十分

と言っていい。贅沢を言えばキリがないが、100点満点の90点くらいであれば、いくら頑張ってもあと10点しか上がらない。

では、そうやって育ったプログラマが活躍する場があるかと言えば、とても残念だとしか言いようがない。そういった技術を使う場はそれ程多くないし、それが金になることもそれ程多くない。それで給料が上がるかと言えば、そんなこともない。

そういった現状を見れば、日々研鑽をしているプログラマは、

何のための勉強か?

と気がつくだろう。そして、真の「物好き」だけが勉強を続け、たいていの人は諦めるか、他の勉強をすることになる。「×歳になったら技術の勉強ばかりでは」的な話とか。

何度も言っているように、この国のIT業界で一番不足しているのは、

技術を金にすること

だ。身につけた技術を使って金にすること、金にする方法。それが欠如している。ネットを見る限り、優秀なプログラマは溢れかえるくらいいて、むしろそいつらの「働く場」が不足していると言っていい。もちろん、業界全体を見ればそんなことないのだが、「プログラミングコンテスト」とかに興味を示す層であれば、あふれ返っていると言っていい。平均以上の奴、平均以上になりたい奴は、わんさかいるのだ。

だから、何度も言っているように、「育成」するべきは「プログラマ」じゃない。それを金に換える人の方だ。

大き目の会社の社長や役人が、札束抱えて「上から目線」で「プログラマ育成」とか言うのは気分がいいだろう。でも、日本の現状を見る限り、育てられなきゃいけないのは、てめーらの方だ。「頑張ってプログラマをやってると金になるらしい」とかわかれば、人材なんていくらでも集まって来る。そうじゃないのは、

金に換える技術

が足りないってことだよ。育成されるべきは、てめーらの方だ、クソども。

PS.

じゃあ、お前は何だって? 残念ながらクソの方にすらなってない。だから「育成」して下さい。お願いしますw

とは言え、それなりの技術を提示しても、なんだかんだで「叩いたもん勝ち」みたいなのがこの国にはあって、それが悔しい。そーゆー

技術に対するリスペクト

みたいなものを「育成」して欲しいもんだ。