「行かない理由」

なんか無駄に炎上してる人達がいるんで。

[女性が参加しやすいITイベントの作り方 1/2] わたしたちが勉強会に行かない7つの理由

要するに「甘えんな」とかって意見が多いんだが、「女子()」の主張はもっともだと思う。と言うか、それは別に「女子()」に限らない。

そもそも「勉強会」って何かってよく考えてみたらいい。大学のゼミとか、意識高い会社での勉強会とか、そーゆーものが本来の「勉強会」ではないかい? つまり、

  • 参加者のレベルがだいたい同じ
  • 参加者は全員当事者(発表者になりうる)
  • 暗黙のルール(身内ノリ)はあって当然

ってことを、暗に期待しているはずだ。でなきゃ調子が狂う。

ところが、最近開かれる「勉強会」って、なんか違う。一言で言えば、それは

セミナー

だ。ここに件の記事の「女子()」達の不幸がある。以下「女子()」って書くけど、要するに新参者だ。

最近の「勉強会」は、オープンに告知されるものが少なくない。オープンに告知されれば、オープンに参加して良いと思うし、多分それは正しい。ところが、行けばノリだけは「勉強会」だ。オープンにされてるから、気楽に行ったらいきなり「お客さん扱いはしないよ」「わからない? ググレカス」とやられて凹む。そこで、

もう来ねーよ

ってことになるわけだ。別にこれは「女子()」に限った話ではないと思う。

「勉強会」をセミナー的なものと勘違いするのは、おそらくは「告知のしかた」だ。ATNDとかtwitterとかで

「誰でも参加は自由です」

とか書いちゃってるから、「誰でも=基礎知識不要」とか「誰でも=お客さん」とか勘違いしてしまう。また「講演者」的なものを書いちゃうのもアレだ。本来は「ゼミでの発表者」くらいの意味なんだろうけど、なんか講演者様のお話を聞く会だと勘違いしちゃう。この「勘違い」は、一歩離れて見てみれば、なんとなくわかるんじゃないかと思う。

私は「オープンにする」ってことは、「お客さんの存在を許容する」ことだと思っている。つまり、ある程度面倒臭いものを受け入れる覚悟が必要だと思っている。それはfacebookに実名書いちゃうとかと同じ種類の覚悟だとも言える。プライバシーをオープンにすると、あれこれ面倒臭いことが起きるのと、次元としては同じだ。

フリーライドでいいじゃないの。オープンソースだもの

OSC 2007

(続)OSC 2007

さらにOSC

それが嫌ならオープンにしなきゃいい。オープンにすることは、それ自体結構コストがかかるものなんだから、そのコストに見合わない、そのコストがムダだと思うんだったら、別にオープンにする必要はない。「勉強会」をオープンにするなんて、誰も強制だと思ってないはずだ。「オープンである」ということと、「クローズドではない」との間には、越えられない壁があるのだ。

そういった意味で、件の記事にいろいろ言いたい人達は、ことさら間違っているわけじゃない。また、件の記事の「女子()」達が間違っているわけでもない。不幸なのは、そういった

認識の相違

があるってことだ。

そういった認識の相違や勘違いを避けたかったら、「勉強会」は「ゼミのようなもの」という認識で、オープンに告知しなけりゃいい。せいぜい「友達の友達」を連れて来るのを許容する程度でいい。その方が「勉強」もはかどるというものだ。

でも、大々的に告知したり「お気軽にご参加下さい」とか言っちゃったら、それ相当の覚悟をしなきゃいけない。件の記事の「女子()」達を言い分はもっともなことだと理解しなきゃいけない。まぁ、それを聞くかどうかは、やってる側の自由なんだけど、「言われる」ことは許容しなきゃいけない。

多分、「オープン」な場で「勉強会」の面子を集めている人達は、「クローズドだと人が増えないし、もうちょっと枠拡げたいよね」って思っている程度で、何も「お客さん」に来て欲しいとは思ってないと思う。だから、件の記事への反発になるのだろう。来る方も、まぁまっとうな人達はそれ程甘いことを期待してるわけでもない。

女子会運営サミット 開催報告

ところで、同じイベントでなんでこんなに雰囲気違うんだ?w

そこでまぁ思うんだけど、これから「勉強会」を企画する人は、「勉強会」と「セミナー」をきっちり分けて考えた方がいいんじゃなかろうか。「勉強会」が勉強会として成立するのに、何10人も人が集まったり、「会場の都合で」みたいな言葉が出て来るのは、そもそもおかしい。要するに

ちょっとしたサークル

くらいのノリでやれる範囲にした方がいい。開催連絡だって、ML作るなり何らかのコミュニティサービスを使うなりしてしまえばいい。「勉強会」を期待する人にはその方がいいし、キャンセルがどーとかって悩むことも減る。そうなれば、「女子枠」とか考える必要すらない。運用コストが下がるんだから、開きやすくなる。

でも、あまりそれを続けると、「毎年1歳づつ平均年齢が上がるコミュニティ」になってしまう。それが避けたいのであれば、

セミナー

を開けばいい。それは大々的に人を集めてもいいし、「お客さん」が来ても許容する。必要なら「女子枠」も「スイーツ」も用意する。

もちろん、「勉強会」をやる人達にそこまでのパワーを期待するのは無茶かも知れないし、そんなものをしなきゃいけない義務もない。でも、たとえば

第1回はセミナーのノリ

ってことにしておけば、今までのコストにちょっと上乗せされるだけだ。2回目以降は「お客さん禁止」にしてしまえば、いつも気をつかう必要もないし、「お客さん」のことを考えないで済むから、運用コストも減る。もちろん、どっかで聞きつけて来ちゃう人とか、「友達の友達」とかも来るかも知れないけれど、そういった人達には「ここはそーゆーもんだから」って言えばいい。

gdgd書いたけど、要するに

「セミナー」と「勉強会」は区別して開こうよ

ってこと。