経産省から、、「クラウドコンピューティングと日本の競争力に関する研究会」報告書が出たらしい。
経産省がクラウド政策、基盤や制度を整備し40兆円市場創出へ、OSS推進フォーラムとも連携
一読してアレだったので、dis disにdisろうと思って全部読んでみたのだが、あまり読むと
馬鹿が伝染る
気がして来た。それでもちゃんと批判しようと思って我慢して読んだのだが、「こんなものdisったところで1円にもならないし、そんなことをしている暇に仕事でもした方がいい」と思ったので、たいしたことを書く気はない。でも黙ってるのもアレなんで、一言だけ書いとく。
本当なら「背景」について自分が知ってること知らないことを明確化して、批判のポイントを洗い出し… ってやるのが誤解を生まずに済むし、エントリの前半だけ読んでブコメ書く馬鹿読解力の不自由な人につっこみ未満のことを書かれずに済むのだが、冒頭に言ったように何の益もないので、ポイントだけにする。何も書かないと、
無言の承認
を与えたことになってしまってシャクだし。
ということで、本当に1点だけ。
件の報告書を読んで一番問題があると感じたのは、
具体的な利用シーンの想定が皆無
だということ。まぁもちろん、お役所の書く報告書にありがちの、「みんなこれを使ってバラ色の社会」という図に登場する「みんな」レベルの
脳内設定
は書かれているのだが、「波及効果」の説明にありがちの誰だかわからない、具体性皆無の「バラ色の社会の住人」しか想定されてないのだ。
まぁこれは別に経産省に限ったことじゃなくて、昔昔関わった、総務省(郵政省)の「○○トピア」とか「○○シティ」の類も同じで、「バラ色の社会の住人」だけを想定した報告書ってのは、お役所は大好きだ。そして、各方面、特にベンダーあたりに金をバラ撒いてシステム構築して、利用者がほほ0… ってのがお約束だ。
こと「クラウド」に関して言えば、その言葉を一人歩きさせる限り、単なるバズワードでしかない。IaaSのシステム構築なんて、ベンダーの大好物なんだろうが、それだけあっても
ただのデータセンター
に過ぎない。「クラウド」言葉がそこに絡もうが絡むまいが、どうで良いことでしかない。
だから、「クラウド」って言葉を特に「政策」あたりで持ち出すためには、「利用シーン」を具体的にしなきゃいけない。
「~というシーンを実現するためには
クラウド以外に考えられない」
的な展開でなければ、「別に普通のレンサバでいーじゃん」でしかない。実際クラウドとレンサバってのは、システムとしての違いと言うよりは、タリフ的な違いでしかないんだから。
まぁそんなわけで、件の報告書はマトモに読むには値しない。強いて言えば、「事例」と「背景」が参考に出来るかなという程度だ。それ以外の部分を読むと、マジメに読めばマジメに読む程、「はぁ?」ってことになり、日本の(役所の描く)未来に絶望することになる。
まぁ、ひっくり返して言えば、あの委員会に絡んでいるベンダーやお役所があの程度であれば、「これからの新興ベンチャー」が天下取る余地はいくらでもある。そう言った意味では、
これで日本も安心だ♪
と思うけどさ。
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