もっと日本を愛さないか?

kmori先生のblogより。

中国の評判

私はあんまり右翼的愛国というのは好まないのだが、

その日本に対する評価が最も厳しいのは中国と韓国なのは毎度のことだが、その二国ですら対日評価は良くなっている(中国は18%→30%、韓国は31%→37%)。実は日本人自身による日本への「良い」評価は36%しかなく、韓国の37%よりも少ない。今や韓国人の方が日本人よりも日本を評価していることになる。

反日国の方が日本を良いと評価してるって…

私は左翼的うさん臭さは嫌いになったとは言え、右翼的愛国というのはどうも苦手だ。なんというか、そこにある種の思考停止があるように思えてしょうがないからだ。わかりやすい例で言えば、「ネットで自由に発言したい」というのは、右翼的愛国に反する。そもそも「自由に」というあたりから、いろいろ矛盾してしまう。

とは言え、良質のメディアが左傾化し、国民が右傾化するのは、ある種の必然だ。だから、それ自体はとやかく言う性質のものではないと思う。

という背景をもってしても、日本人の日本を愛さないっぷりは異常だ。ガチガチの民族主義に走るのはどうかと思うし、そうでなくても右傾化した社会というのはどうも居心地が悪そうに感じる私でも、どうも今の日本人の日本を愛さないっぷりは問題があるように思う。

いわゆる「出来るエンジニア」がこぞって、シリコンバレーに渡ったり外資企業に入るというのは、技術者の自衛としてしょうがないとは思う。だけど、もうちょっと「日本のため」を思った行動をしてもいいと思う。また、企業はそういったエンジニア達が海外流出するという状況を改める努力をするべきだと思う。個人の幸せはもちろん大事だけど、「国益」という観点、日本を良くしたいという気持ちがあってもいいんじゃないだろうか。

評論家よろしく、「日本企業はアップルやグーグルに勝てない」とか言うのは結構だけど、そういった状況を改善させるための努力、それも努力すべき人々は努力をしているのだろうか? そもそもそういった状況を「努力すべき人々」は自分の問題として認識しているのだろうか。また、「勝つ」必要があるのかどうなのか。勝つ必要がないものを負けている負けていると喧伝するのはナンセンスだし、勝つ必要があることなら、gdgd言う前に行動だろう。

世界で使ってもらうソフトは英語でドキュメントを」と言うのは結構だけど、英語は別に世界の標準言語でも何でもない。ロシアにも中国にも、「英語は出来ないけど優秀なエンジニア」はいくらでもいるし、それはけっして世界という観点では少数派ではない。確かに、イタリア語やポルトガル語で書かれたドキュメントしかないソフトウェアを見ると、「せめて英語で書いてくれよ」と思うけど、必要があれば機械翻訳でも何でも使えるから、実はそんなにたいした障壁でもない

そんなことよりも、あれやこれやそういった「日本の悪い点」を挙げて、ダメだダメだと否定的に見るよりは、「じゃあどうするか」を考える方が建設的だし、それが出来ない人は「日本もそんなに悪くない」と思っておく方が凹まなくても済む。「悪い点」を挙げるのは結構だけど、それは改善する気のある人くらいにしておいた方がいい。

もちろん盲目的に日本を愛せよとは言わないし、右翼的愛国には違和感がある。でも、

反日国の方が日本を良いと評価している

という状態はどうしたものかと思う。