別に上から目線で言いたいわけでもなく、本当は「オナニーしようよ」と言いたいところなんだけど、別に一緒にしたいわけじゃないからそう書かないだけで。

「創作」とは「射精」みたいなもの

とか

「初音ミク」に決定的に不足していて必要なこと

とかで、射精だオナニーだと書いてたら、どうも「オナニー」をネガティブにだけ取る奴等が多いんで。

「初音ミク」は数万本のオーダで売れたらしい。つまり、「こいつで遊びたい」「何か作りたい」と思った人がそれだけいたということ。じゃ、それを使った「作品」がどれだけあるかと言えば、ニコ動で1万弱(超えたかな？)。もちろん作者が重複していたり、同じ作品だったりするものもあるから、実際に作品を公開した作者はもっと少ない。YouTubeは純粋にYouTubeのものがどれだけあるかわからないけど、1000のオーダ。見る限りほとんどがニコ動の転載だろう。YAMAHAの「プレイヤーズ王国(って今は名前が変わったけど)」では数10のオーダ。大雑把に言えば、ニコ動の作者の数から見れば誤差でしかない。

じゃ、残りの奴等は何をしてるんだ？

まさかパッケージを眺めているわけじゃないだろ？ ミクはパソコン立ち上げて入れてくれって言ってるんだし。

それなりに高いソフトだから、きっと誰も使う気で買ったはず。まぁ難しくて挫折した人もいるんだろうけど、セオリー通りに楽譜を入れるとそれなりに聞けるくらいの品質で歌ってくれるから、多分たいていの人がそんなことくらいはしたはずだ。だから、潜在的にはソフトの販売数くらいの「クリエータ」がいるはずだ。ところが、公開している人は少ない。

公開しない人は、多分「神作品」を聞いて、「この程度で公開するなんて」とか思って萎縮しているに違いない。それこそ、

こんなオナニーみたいなものを

とか思っているのだろう。

まー、確かに自分の能力のことを考えずに「どーだ、俺の作品は凄いだろ。畏れいって聞け」とか思ってる奴はイタい。だから、そう見えてしまうような、あるいはちょっとでもそう感じられるような行動はしない方がいいと思うのは当然かも知れない。あるいはもっとストレートに「こんなの公開するの恥ずかしい」と思っている人もいるだろう。確かに「身の程を知る」ことは悪いことじゃないし、イタい奴になりたいとも思わないだろう。でも、

ニコ動は匿名

なんだよ。「自分」と「作品」をリンクするものは何もない。自分が把握しているだけだ。だったら「恥ずかしい」とか思うこともないと思う。それに人の好みはいろいろだ。自分にとっては「そんな恥ずかしいもの」であっても、「あるだけで嬉しい」人はいる。それが実際に極端に下手くそなもので酷評しか受けないものであっても、「あれは自分じゃない」って思ってしまえばそれでいい。また、それ自体が何にもならなくても、もっと上手い人の創作意欲を刺激して「神作品」がうpされるかも知れない。それでニコニコ出来ればそれでいいじゃないか。つまり、

オナニー上等！

なのだ。

その「オナニー」であっても公開してしまえば、人の目耳に触れる。そうすれば、アドバイスくれる人もいれば、それを元に直す人も出る。つまり、「オナニー以上のもの」になるチャンスを得るのだ。そのために特別な追加の設備も費用もいらない。

これは何も「初音ミク」に限ったことじゃない。全ての「創作もの」はそうなのだ。プログラムだって文章だって、最初にやっているものは「しょせんオナニー」でしかない。しかしそれを公開すれば、そこから「オナニー以上のもの」へのステップが始まる。

「創作もの」が上達する早道は、他人にボロクソに叩かれることだ。もちろんそれをやられると、自尊心はボロボロになる。次のステップに進めるかどうかは、それを乗り超えることが出来るか、また応援してくれる人がいるかということになる。

ところが、こと「初音ミク + ニコ動」に関して言えば、ミク自身が結構頑張ってくれる上に、ボロクソに言われたら他人事だと思っておけばいい。ボロクソに言う人もいるが、応援してくれる人もいる。ハードルとしては「２ちゃんに書き込む」のと、実は大差ない。頑張って行く場としては非常にいい環境だ。

だから、どんどん「オナニーのティッシュの山」を作っていいのだ。そうすれば、「あなた」だけじゃなくて、みんなが幸せになれる。確かにティッシュの山をかき分けることは大変になって行く。でも、それは「クリエータ」が悩むべきことじゃない。それのことについては、いろんな人がいろいろ考えたり行動したりしているんだから。

PS.

「仲間うちで遊ぶ」というコメントがあって、自分にはそんな観点がなかったのでちょっとびっくり。何しろ「普通プログラム書いたらネットに置くだろ」とか思ってるもんで^^;

でも、せっかくそこに「ネット」という多くの人に評価を受け、多くの人を幸せにする(かも知れない)ものがあるんだから、それを使わない手はないと思う。