おごテクノロジー(1)補足

実は件のスープの取り方は、コンソメスープの手法の応用だ。

コンソメスープは多分いろいろ流儀があるんだろうが、私が見たのは「ブイヨンにひき肉を入れて煮たてて漉す」という方法。もちろんコンソメは脂が浮いていてはダメだし、濁っていてもダメなんだけど、普段使いのスープなら別に気にしない。

あと、「玉ねぎ」を入れるのは、「味が落ちつくから」と書いたのだが、もっと細かく説明すると、グルタミン酸の補給のため。

私がそうなのか、アジア人がそうなのか、人類みんなそうなのかはよくわからないが、どうも「グルタミン酸」と「塩」がないと、他の旨味成分の味はあまり感じられないようなのだ。「味の素」はアメ横センター街の地下のタイ食材のあたりにも売っているので、おそらく東アジア全体がそうなのだろう。

肉の旨味成分はイノシン酸が中心で、グルタミン酸はちょっと少な目なのだ。そこにグルタミン酸を補うわけ。ちなみに、グルタミン酸はナトリウム塩でないと旨味として感じられないらしいよ。

グルタミン酸の補い方はいろいろあるのだけど、うちで一番よく使うのは、玉ねぎ。他にもトマトとか、昆布とか、味の素とか、醤油とかあるのだけど、玉ねぎは色も着かないし、煮ると余分な風味はなくなる。適度に甘味があるので、肉とバランスさせるにはちょうどいい。昆布もあまり色着かないけど、昆布は扱いが難しい上に、独特の風味があるからね。醤油は色が着いちゃうし、味の素はうちにはないし。

「肉にはグルタミン酸を足す」というのは、一種の基礎理論みたいなものなので覚えておくといい。肉だけじゃなくて「牛なもの」には全般に効く。「あまりおいしくないプロセスチーズ」なんかに当った時に、ちょっと醤油つけたりするとまるっきり別物になる。御飯にバター混ぜて醤油入れたりするとおいしいし。これらはみんな「グルタミン酸を足す」ということ。

以前くさかべさんが「バターと醤油でジャンク風味」というコメントをしていたけど、全くもってその通りでお手軽に上手っぽい味がついてしまうわけ。「お手軽」ってのは、手抜き料理には重要なファクターなのよね。

今日のお昼は、食パンが残っているのに気がついたので、例のひき肉をオリーブ油で炒めて卵で軽くとじたもの。調理済みのものを使うわけだから、調理時間はインスタントラーメンよりも短い。

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