トヨタはしょせん三流経営

倒産の危機を「賃上げ」で乗り切る企業の論理

BMWが倒産の危機になった時、従業員の給料を上げ、待遇を手厚くし、リストラをしなかったという話。

社内の意思疎通を良くし給料を上げれば、自ずと「会社という組織」に対する忠誠度は上がる。人は本質的に群れたがる生き物だから、自分の依りどころとする組織を欲しがるものだ。「それが会社だなんて悲しいじゃないか」という意見は一見真理に見えるが、1日の大半、生活の主な部分を会社に頼っているのだから、忠誠の尽せない会社というのは悲しい。

今どきの会社が人事的にドライなのは、こういった「人間の本能」に反することである。忠誠の尽せない会社で人材的地盤沈下が起きてしまうというのは、ある種の必然。経営的には「安く買って来たものを組み合わせるだけで高く売れる」というのは都合が良いが、それでは「文化」というものが残らない。「文化」は「ブランド」となり、「ブランド」は顧客満足につながる。

読むところによると、BMWは従業員の待遇や職場環境はずいぶんと良いらしい。それでいてちゃんと良好な利益率を出している。トヨタのように「従業員は搾取の対象」と思っている会社とは対称的だ。