問題は「羊頭狗肉」だということ

学生支援機構がサラ金よりも悪質か比較してみた

全く意味のない馬鹿げた比較。問題は金利云々ではない。

サラ金は「サラ金です」って商売やってるわけ。サラ金は商売でやってて、しかも基本的に無担保でいつでも借りていつでも返せるし、貸した金を返してくれれば、相手が何に使っても文句は言わない。

でも、学生支援機構って「勉強のための金を貸す公的機関です」ってやってるわけ。「サラ金」から金借りる人は、「サラ金から借りる」という覚悟をして借りてる。いっぱい借りてると感覚マヒするとか、そんな問題はあるにせよ、最初は

「俺、いよいよサラ金に手を出すよ」

とか思ってる。まぁ、実のところ友人知人に金借りるよりも、ずっといいことだと思うけどね。

片や「奨学金」ってのは、昔の感覚で言えば「勉強出来るけど勉強する金がない人が借りる善意のお金」って思ってるわけ。「いずれ社会に貢献出来る奴として評価されてるから借りられるんだ」みたいな、ちょっとした選民意識で借りる。「いずれ社会に貢献する」と思われてるんだから、金利もないし、取り立ても「出世払いでいいだろう」とか思いつつ借りちゃうんだよ。実際、無利息とか返済不要とかって奨学金もあるわけだから。

だから、「学生支援機構の金利はサラ金と比べて安い」とか、寝言なんだよ。「サラ金」みたいにネガティブなイメージ、使うと社会から脱落したような敗北感と共に借りる金と、「奨学金」みたいなポジティブなイメージ、出ると選民意識を盛るような感覚と共に借りる金を、そういった次元で「マシ」とか言うのは、ナンセンスなんだよ。

一言で言えば、「看板に偽りあり」だから、怒ってるわけだ。

関係ない余談であるが、現代では犬肉よりも羊肉の方がずっと安いので、「羊頭狗肉」はむしろ逆の意味になってしまう。