「現在」が「いい時代」だったことは過去一度もないよ

南方司君のblogより。

「羊狩り社会」をぶっ壊せ

いろいろ彼は書いているし、彼に限らず「評論家」達はいろんなことを言うけど、「現在」を指して「いい時代だ」と言われたことは、多分過去に一度もない。

思い出は常に美しいもの… なんてことを言うまでもなく、過去は常に美化される。美化されないまでも、人は(日本人は?)苦しかった過去はすぐ忘れる。また、現在は現実だから、いつも戦うべき相手。そうなれば「現在」よりも「過去」の方が良く見えるものだ。

私はいわゆる「高度成長期」はよく知らないけれど(経済的を感じるようになったのは「石油ショック」以後だ)、いわゆる団塊世代からすれば良い時代だったらしい。その手のことで私がよく知っているのは、いわゆる「バブル時代」だけど、その頃にことさら良い思い出があるわけでもない(詳しくはリンク先)。まぁ世間では景気が良かったらしく、「楽しかった思い出」として語られるバブル時代だけど、冷静に今と比較して良かったかどうかと言えば、別にそんなことはなかったと思う。

前の会社を始めた頃、いわゆる「就職氷河期」だった。会社は人材を欲っしていて、採用のチャンスだったと思えそうなものだけど、ことさらに人が来たわけでもない

美しかった思い出や、楽しかったことだけど思い出せば、「その時代」は光輝いて見える。その結果、相対的に「現在」というのが暗く見えるものだ。でも、冷静にその時代に何をやったとか思い出してみれば、その「時代」が光輝いていたと言えるかと言えばそうじゃない。

じゃあ「光」はなかったかと言えばそうじゃなくて、結局のところ

自分が楽しかった時代

が光輝いていたというだけのこと。自分にとって都合の良かった時代が、過去一番いい時代だったというだけのことだ。そういった意味で言えば、「過去」私が一番楽しかった時代は、日経平均株価が7000円くらいになっていた頃だったりする。つまり、世間の景気なんかと関係ないのだ。

ローコストなものを作るのが仕事になったここ10数年は、実は景気が悪ければ悪い程、私にとっては経済環境はいい。景気が悪ければ、安いものが売れるからだ。とは言え、ここで言う「私の幸福」とそれは関係はない。

もちろん、社会経済が良いことは、社会全体として幸福な方向を向いているであろうことは確かだ。だから、いわゆる「正統派」の経済評論家 — たとえば、池田信夫とか大前研一とか — が「景気の良い時代はいい時代」ということをベースに話をするのは当たり前だし、妥当なことだ。それが元で政策が動くかも知れないし、動かして欲しいところだ。

でも、「1市民」に過ぎない我々が、そういった「景気が悪い時代は悪い時代」的な話を書いても、何もプラスにはならない。「床屋政談」で政策は動かないからだ。どうしても動かしたければ、「大衆運動」を始めるしかない。「床屋」から政策は動かないが、「公民館」からなら動くかも知れないからだ。とは言え、「大衆運動」を始めるにはblogでは足りない。もうちょっと「コミュニティを作る何か」が必要だろう。

じゃあ我々は何を言うべきかと考えれば、中国の諺(?)にあるように、

上に政策あれば、下に対策あり

とばかりに、悪い時代だと思ったら、それをいかに乗り切るかを考えてそれを語るべきだ。「私」がどれだけ叫んでも、日経平均が1000円上がることも、消費税が1%下がることもないが、「私」が頑張って働けば月給10万上げることは可能だ。つまり、「政策」が悪くても「対策」は出来る。

だから「たかがぶろがー」がいわゆる「識者」ぶって政策についてあれこれ論じたり、政治家が二世三世がどーのこーのと言うよりも、そんな「現状」の中でいかに泳いで行くかを論じる方がずっと「ためになる」と思う。もちろんそこで

自助努力が足りない

なんて言っても何の役にも立たない。でも、「どう自助努力をするか」ということであれば、「床屋経済学のちょっと上」あたりが見えていれば、語ることも出来るはず。

私は「社会をhackしろ!」とよく言うけれど、その前にまず

自分自身をhackしろ!

と言っておこう。

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This entry was posted on1月 20th, 2008 at 18:08:56. You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0. You can Leave a response, or Trackback.

2 Responses

Comments(2)Trackbacks(0)

  1. Ryu

    エジプトのピラミッドの落書きにも

    「近頃の若い者は…」
    「昔は良かった」

    は書いてあるそうですから、きっと大昔には凄い黄金時代があったのでしょうw

    まぁ、昔の苦労はいい思い出で買ってでもしておけばよかったものですが、今の苦労はただの苦労で出来るだけ避けたいのが人間心理。

    5年後に「あぁ、あの時頑張ってたのが、今役に立ってるなぁ」と思えるように今を頑張るしかないでしょうね。

    たとえ10年前に比べて年休が半分になろうが、残業時間が3倍になろうが、人事評価システムが世知辛くなろうが、今を頑張るしか…w

    2008/1/23 水曜日 0:58:43 | #1
  2. ogochan

    どれだけ過去が良くても、そこに戻れるわけないですからねー。

    2008/1/23 水曜日 9:13:58 | #2

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