科学技術関係予算が削られるのは遺憾だが…

あんまり政治のことを書く気はないので、そっち方面の展開する気はない。

科学技術関係の予算が「仕分け」とかでバシバシ削られてるそうな。周囲の特にアカデミック関係者から悲鳴が聞こえて来る。

確かに科学技術関係の予算が削られるのは、「何を考えてんだ?」って思う。「技術立国(笑)」たる日本とゆー国の将来をどう考えてるかとか思うのだけど、削られて悲鳴上げてる側には

説明責任果して来たのか?

と問いたい。

いろんな予算が削られるのは、本当に遺憾だ。つーか、削ってどこに使う気なんだよとか思う。日本なんてそういった方面でしかやって行けないだろうとか思うんだが。特に「民間」では手も足も出ないことの「国家予算」が削られること、基礎研究関係が削られるのは、もはや腹立てようもないレベル。

とは言え、

国民の理解

を尺度に考えれば、それもしょうがないかなという気がしてしまう。

たとえば、Spring8関係の予算が削られたとか言ってるんだけど、Spring8の存在意義なんて果してどれだけ「国民」に理解されているのか。放射光設備に「8GeV」が本当に必要なのかどうなのか。あるいはどれだけ使われているのか、あまり説明されたものを見聞したことがない。稼動スケジュール等はサイトにあるけど、それが「利用率」としてどうなのかよくわからない(かなりbusyらしいが)。あの施設の中には民間のビームラインもあるらしいのだけど、その「負担」についてはどうなっているのか、調べたけどすぐにはわからなかった。理研との共同研究らしいんだが。ホームページ見ても「らしい」くらいしかわからんわけで、それで説明責任を果していると言えるのかどうなのか。

次世代スーパーコンピュータも、計算機パワーの欲しい人達にしてみれば、ほぼ説明なしに「欲しい」ということになるだろう。でも、それが「国民」にとってどうなのかという点については、ほとんど説明を聞いたことがない。HPCに興味がある私でさえも、「世界一奪還」以上のキャッチフレーズを知らない。NEC降りてベクトルやめるとかって話になったあたりで、

単なる関係者の意地

でやってるとしか思えない。まぁ富士通の人達は頑張ったと思うけど、「日の丸」である必然性がわからない。

多分、担当の役人だった人とか、関係政治家はいろいろ納得しているのだろうけれど、それはあくまでも「その時」の人達でしかない。「その時」の人達しか納得させてなかったから、今回みたいに政権交代されちゃうと、納得させられてない人達が潰してしまう。

要するに今までのこの手のものは、

トップセールス

だけで決められて来たわけだ… って書けば、コの業界の人は納得してくれるかな。会社のシステムを入れる時に、上の方はノリノリになってるけど、現場が冷めてるとかって奴。上の方がノリノリになって入れたけど、現場が納得しないからプロジェクトが座礁なんてのは、コの業界では山のようにある。それに似たものを、一連の騒動で感じるわけだ。

基礎研究は大事なことや、「日の丸」に意義のあるものがあるのは、「わかってる人」にはほぼ説明なしでわかること。でも、その説明の努力や広報について、十分されて来たかと言えば、わりと近いところにいても疑問を持たずにはいられない。「わかってる人」だけに伝えてそれで良いということはないはず。アメリカなんてNASAだって予算獲得のためのキャンペーンを一般人向けにやってるわけで。

まぁ一連の「政治判断」は遺憾だし、いろいろもにょることもあるのだけど、「民間人」からしてみれば「そりゃそーだろ」と言えなくもない。

PS.

すごく当然のことを忘れてたけど、「説明責任」は

予算を削った側にもある。

それは「過去の政治的な云々」とかにあったにしろ、それは説明されるべき。

科学技術関係予算が削られるのは遺憾だが…” への2件のコメント

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