記者会見をオープンにするのって簡単なの?

記者クラブに関する公約破りがどーのこーの。

個人的には「体制」が出来るまでくらいは、いろんな制限があってもしょうがないかなと思ってる。もちろんとっとと体制を作れやという気持ちはあるけど。

記者会見をオープンにするのは簡単なことですよ

おおむね、こんな感じかなーと思うのだけど、10年前ならいざ知らず、今はこれでは足りないと思う。

何が足りないかと言えば、

「報道目的の人にはフルオープンとする。通行人や見物はご遠慮ください」というところ。つまり、「ぶらっと見に行く」ことを否定してるところ。

件のエントリでは「妙な人の妙な行動」はさせない方法が書いてあるし、セキュリティチェックの必要性も書いてあるので、記者会見が破綻しない方法については十分じゃないかと思う。私が「オープン」で懸念していたのはこの2つで、「妙な奴」が質問じゃなくて延々と演説を始めてしまうとか、質問でもどんどん食い下がるようなことが起きてしまうと、他の記者のためにならないし、テロでも起きたら困る。「質問」の方は「妙な奴」を避けるためと称して恣意的な選別がされても困るので、どうしたものやらと思ってはいたけど、まぁ多分件の方法でうまく行くのだろう。

でも、「ぶらっと見に行く」ことが否定されているのは残念だ。別に質問なんて出来なくてもいいから、「見物に行きたい」って人は少なくないんじゃないかと思う。そのついでに「質問もしたい」とかって人がいてもおかしくない。

「いや、記者会見ってのは記者会見だから、記者だけでいーじゃん」ってゆー論理もわからんではない。件のエントリにはブロガーも含めるための論理が書いてあったけど、それとて「何の実績もない奴がある日思い立って」出掛けたのでは蹴られてしまうのだ。「近所に来たしちょっと暇だから今日のブログのネタにしようか」的な人だと、多分蹴られる。

たとえば誰かが思い立って、記者会見をtsudaりに行こうと思っても、件の方法では多分蹴られる。「内閣記者会見なう」とかしに行く奴も蹴られる。

あるいは、修学旅行とか社会科見学で記者会見を見学するとかそういったことも多分難しそうだ。あるいは、その日の会見に関係のありそうな団体の代表が来るとか、そういったのも出来ない。

結局のところ、件の方法では「記者」の枠が拡がったというだけで、それ以上ではない。それでは確かにいろいろオープンになったとは言え、「記者としての既得権益」は保護されているとも言える。つまり、「拡大記者クラブ」になるだけのことだ。あのさ、「マスメディア」に限らず「メディア」ってのに永遠の寿命なんてないんだよ。

「記者会見」について似たようなものを考えてみたら、

裁判の傍聴

というのがあった。これは特にうるさいことも言われず、ごく常識的なチェックで出来るようだ。理由や資格も特に問われず「暇だからぶらっと来た」でも入れないことはない。もちろん注目されている裁判だと抽選になったりするけれど、そこに恣意的な選別はない。これは十分にオープンだと思う。そう言えば、「裁判員制度」のお陰で、傍聴だけじゃなくて質問にも一般人が参加するようになったよね。

場所については、国営マンガ喫茶がお流れになったんだから、適当に大きな会見場を作ってくれればいいんじゃないか? お役人の大好きな箱ものも作れるし、フルオープンの記者会見も出来るから、いろいろ好都合だと思うんだけど。