蕎麦湯はおいしい。
本当の蕎麦湯はちゃんと手打ちした、出来れば十割蕎麦を茹でた湯でなければならない。そして、蕎麦湯としては濃い方が嬉しい。
ところが、麺類を茹でる基本として、湯はサラサラしている方がいい。つまり、美味しい蕎麦湯は出来てはいけないのだ。ここが難しい。
だいたい、一般家庭で「十割蕎麦」なんて簡単に作れないし、作る価値もない。また、作れたとしても、「濃い蕎麦湯」なんて作っちゃダメだ。ドロドロの茹で湯では、麺がうまく茹だってくれない。
という矛盾を一挙に解決すると共に、その結論に至った原因の蕎麦粉を消費するために、一つの方法を考えた。それは、
蕎麦粉を水に溶いて煮る
ことだ。こうすると、好きな濃度の蕎麦湯を好きなだけ作れる。
だいたい水500ccくらいに、カレースプーン1杯くらいの蕎麦粉を入れる。もちろん、もっと濃いのが好きな人は増やせばいいし、薄いのが好みの人は減らしてもいい。まぁあまり濃くすると、「蕎麦掻きとどこが違うんだ」なことになるので、程々にしておく。
これを、まず水に溶かす。お湯だとダマになっていつまでもダマが消えなくて苦労する。水ならダマも溶けやすいので、水でよく溶かすようにしよう。これを火にかけて煮る。沸騰するくらいになったら出来上がり。蕎麦粉は沈殿しやすいし、それがダマになってしまいがちなので、火を強めにして一生懸命かき混ぜる方が失敗は少ないだろう。
もっと簡単にやるには、マグカップに粉と水を入れて、電子レンジにかけるという手もある。ただ、これは沈殿したのがダマになったり、予想外の沸騰をして吹き溢れたりするので、その辺は注意。
出来てしまえば、あとは麺つゆでも醤油でも入れて飲むと、立派な蕎麦湯。私はちょびっと胡椒を入れてみたりする。
近所の蕎麦屋は昔からそういう蕎麦湯を出してくれます。
地元では十割なのにあまりに繊細なおいしさで有名なここも同じ方式です。思わずお代りをしてしまうほど蕎麦湯がおいしいです。
http://www17.ocn.ne.jp/~takuhan/16.html
ときどき行く蕎麦屋のトロトロの蕎麦湯の写真。蕎麦の実も入ってるようです。ここの蕎麦自体は10割ではないようですけどね。
http://www.flickr.com/photos/23245423@N05/3422587827/in/set-72157606165684717/
写真のジオタグは少々ずれてしまっているようです……
おいしい蕎麦湯とおいしい蕎麦は、背反するんですよね。だから、両方をおいしくしようと思ったら、こういった方法にならざるをえないのかも知れませんね。
蕎麦粉の消費方法としては「蕎麦がき」がお勧めです。蕎麦がきって「碗がき」と「鍋がき」があるらしいのですが、「鍋がき」は揚げだしとかにもできて結構美味しいです。
あと、美味しい蕎麦湯は焼酎に入れて蕎麦湯割で、が好きだったり。