黒電話もらった

黒電話をいっぱいもらった。

黒電話

黒電話

ここの固定回線はパルスなので、問題なく使えた。着信するとベルの音なのだけど、これがたまらなくいい。

実は黒電話が、あるルートで継続的に入手可能になった。最初は個人的に使えれば十分なので、1台いいのが確保出来ればいいと思っていたのだけど、何台もあるらしい。まぁそれはいいとして。

使ってみると、なかなか快適。ベルの音もいかにも「電話が鳴ってる」という感じだし、ダイヤルを回すフィーリングも悪くない。こういったレトロなものには「思い出補正」なんてのがあるけれど、そういったのを抜きに悪くない。あまりに悪くないので、常用の端末に使うことにした。

思えば、長年改良され続けて来たものなんだから、「いい」のは当然。まぁ昔は半強制的に使わされていたものでもあるから、いわゆるマーケッティング的な改良はなかっただろうが、不満が出まくるようなものを出すわけには行かないんだから、実用的な見地ならそう悪いものではないのは当然のこと。そういった目で見れば、ベルの音が適当な感じであることも、当然。いろんな使用感が悪くないのは当然と言える。この辺は昨日今日やり始めた「着メロ/うた」の敵わないところだろう。

ところが、今や正規ルートでは新品の黒電話は手に入らない。中古も「本当はそれ売ったらヤバいんでね?」的なものが流通していたりする(多くの家庭では黒電話はレンタルになってるはず)。ちょっと欲しいなと思ったら、オークションとか骨董屋の領域になってしまう。

端末が自由化になった時、おそらくは「黒電話はダサイ」的な流れになったんだろう。直接的にはそうは言ってなかったけど、そんな宣伝がされていたような気がする。また、そんな流れがあったせいか、黒電話は新規の販売はしばらくしてやめてしまったようだ。また、黒電話は今まで「枷」にしか見えてなかったものなんだから、良いものに見えようはずがない。

ところが、今、本当に「自由」になって黒電話を見ると、

これはこれで悪くない選択

に思えて来る。つか、そう思ったんで常用することにしたわけだ。そう思うとこの手のものが「自由」に入手出来ないというのは、ちょっともったいない気がする。

真空管ラヂオ」でも書いたのだけど、この手の技術的なものは「高性能は善、新しいことは善」ということになっている。確かに基本性能が低くて「枷」になっている時は、性能向上は必要だし、後の世代のもの程性能はいい。「効率」の類もそうだ。でも、程々に成熟してしまったものであれば、「選択肢」が存在しているのは悪くないし、どれを選択するかは「好み」でいいはずだ。こういったものを好むということが、全て「回顧趣味」にまとめられるというのは、それはそれで何か違うように思う。

私が「黒電話」を使うことにしたのも「真空管ラヂオ」を使うことにしたのも、少なくとも回顧趣味からではない。音やフィーリング、存在感といったものが好ましいと感じたからだ。どうもこういった類の「フィット感」ってのは、古いものにばかりあるのが残念だ。「人に優しい」なんて偽善臭のする言葉は使いたくないのだけど、「ちょうどいい」ところが必要なんじゃないかと思う。

黒電話もらった” への5件のコメント

  1. 黒電話はずっとレンタルでしたが、その後、買取できるようになりましたよ。

    #そのときに例によっていろいろ詐欺がありました

  2. 実家はいまだに黒電話が現役です。
    回線がISDNでもケーブルテレビのIP電話でも使える黒電話はあなどれませんね。

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