私は車を持っているよ

久しぶりに小飼氏のエントリで。まぁ自分語りの雑談に過ぎないけど。

News – 車買えない?それとも買いたくない?

私は東京に住んでいて車を持っている。しばらく島根の方に置いていたんだけど、結局こっちに持って来た。

車はImprezza WRX。STiではないけれど、まぁ走る車。2000ccでturbo付き。4WD。カタログスペック的には220PS。普通に乗るにはオーバースペックなんだけど、これくらいパワーがあると楽なんだな。

そんな車を選んだ時は、私は松江に住んでいた。仕事も「業務命令で冬山登山をする」ようなことをやっていたので、ラリー車みたいな車はちょうど良かった。元々、走り屋という程ではないけれど、車走らせるの好きだったし。ふもとが晴れてても途中に積雪があるような山陰には、多少の積雪でも何とかなる4WDは都合が良かった。もちろん過信は出来ないんだけど。

同僚達もわりとそれなりの車に乗っていたと思う。id:o64vv4もそれなりの車だった。今はどうだか知らんけど。それがその当時の普通であり、その職場での普通だった。

都市でクロカンなんて空気読めない馬鹿

でしかないけど、その当時の職場生活の地では、「その選択もアリ」だった。趣味と実用として意味があった。

「軽自動車」も実は実用的に意味がある。もちろん安く買えるとか、維持費が安いとかもあるけれど、ハマってしまった時なんぞ「えいや」で持ち上がるというのは都合がいい。

まぁそんなわけで、田舎だとそんなもんだ。よく「ロクに走りもしない高速道路を田舎に作りやがって」的な議論があるけど、公共交通機関がアテにならない土地では車は必需品だし、道路はいろんな意味で生命線だった。まぁ松江くらいなら、最初から車がないのなら何とかなるけど、いきなり車がなくなったら文字通り命が危ない土地は街中に近いところでもある。まだボロな車しか持ってない頃に、車が動かなくなって会社にもなかなか行けず、飯も食えず… という目にあったことがある。一応「県庁所在地」である松江だってそうなのだ。うちの郷里のような田舎だと、本当にヤバいぞ。うちの郷里はそれでも近くにJRが走ってたりするけどね。まぁこんなことは、

都会で恵まれた生活してる奴等

にはわからんだろう。ワーキングプアどころかホームレスだって車が必要な土地だ。まぁホームレスは見掛けない土地だったんだけどね。多分車持てなくて生活出来ないからじゃないかな。

東京に来て思ったのは、「確かに東京では車はいらない」ということだ。最初から便利な土地に住んでいるということもあるけれど、それも含めて東京じゃ車はいらない。終電逃がしたって、数時間待てば始発が来る。車なんて持ってるだけ邪魔。だから、お金あまりない頃は車は島根の方に置いていた。

それでも車持って来たのは、動かさないともったいないということと、終電後に部下を送ることが出来るといいなと思ったことから。何年も乗らないと、車腐っちゃうんで。実際、持って来た当初はブレーキディスクが錆びていて、いろいろヤバかった。車嫌いじゃないし、あちこち行けるのも悪くないんだけど、それはあまり期待してなかった。つーか、そんな目的だったら、それこそレンタカーで十分なんだし。

乗るかと言えば、そんなに乗るわけでもない。そういった意味ではもったいない。でも、たまに乗って思うのは、

東京は松江よりも車に便利

だってこと。道は空いてるし、運転しながら半分寝てる奴はいないし、目的地付近には必ず駐車場がある。極めて当たり前のことだけど、大事なことだ。東京は意外にも車に優しい。逆に言えば、これだけ便利になっていても、不要だと判断されてるということなんだろうと感じる。

そう思うと、東京で車を持つということは、あくまでも「自己顕示」とか「趣味」とかそういった領域に過ぎないことなのだろう。車が「趣味のもの」であるとするなら、必需品としての需要はなくなって行くのだから、車メーカが潰れるのはしょうがないかも知れない。田舎用に「安くて使いやすい」車を作り続けることが、車メーカの生きる道だろう。あとは、思いっきし趣味に走った車か。

「趣味に走った車」と言えば、日本の車ってつまらないのばっかりだというのを、今の車を買った時に思った。当時は個人的バブルの頃だったので、趣味で車が買えたのだけど(と言っても予算は300万程度)、国産にはこれと言ったものがなかった。トヨタ日産のようなメジャーメーカの車は、流通量もさることながら、「趣味の乗り物」として足るものはなかった。散々いろいろ考えた挙句、今の車にした。これは結構「趣味の乗り物」なんだよね。スペックも性質も。「それ以外は?」と聞かれたら、まぁせいぜいがアコードのスポーツバージョンくらい。デカい車って「頭悪そうに見える」って理由で敬遠してたんで、本当に選択肢がない。この辺は今もそんなに違うわけじゃない。

あとまぁ日本の車と言うか、車メーカに思うことと言えば、

お前達調子こくんじゃねーぞ

ということ。何でそれを思ったかと言えば、日産の外注探しの人(管理職)と面談した時の発言からだ。

外注を探しているらしいということで会ったのだけど、単価の話の時に冗談みたいな金額を提示されたんで、「いくら何でもそれはない」と言ったのだけど、その時に「じゃあ、

何かの補助金でももらって穴埋め出来ませんかね?

あなた達、技術はあるんでしょう?」という発言がされた。正直耳を疑った。私の理解の中の「補助金」の類というのは、「技術はあるけど金がない、でも技術は世に出さねばならない」という時に出るものだ。良いシーズがあってもそれがすぐ金になるわけじゃないから、「補助金」をもらって世に出す。それが「補助金」の趣旨だろう。それを、高々自動車メーカの外注費の穴埋めのためにもらえるなんて、そういった「頭」が理解出来なかった。てか、「補助金」もらえるアテがあったら、普通にそれに合った仕事するしw

彼等がどんな形で「補助金」を見ているのか、実際のところはよくわからない。でも、仮にそんな感覚で「補助金」を見るのが一般的な彼等の理解であるなら、その「土壌」はどんなもんだと思ってしまう。ビッグ3のCEOが政府から融資をもらう時にジェット機で行ったのがどーとかって話があったけど、根は似たようなものがあるんじゃないかと、今なら思う。

gdgdいろいろ書いたし、どうせ自分語りの駄文なんだけど、ポイント整理しとくと、

  • とりあえず私は車は好き。バリバリ走るぜ
  • 田舎では本当に車は必需品。車ないと下手すりゃ命が危ない
  • 東京で車は趣味のもの。交通インフラ良過ぎwww
  • でも、意外にも東京は車のインフラは良い
  • だから、車って日本では「本当の実用品」と「完全に趣味」に二極化するんじゃね?
  • でも、「趣味のもの」って言うわりには、国産車ってつまらない
  • そんなつまらない車を作るメーカって、偉そうなわりにオツムがショボい

ってことかな。まとめちゃうと、

日本の自動車メーカって凋落するしかないよね

って感じかなぁ。潰れたりすることもないだろうけど、かつてのような車の販売量なんて、まず絶対に戻って来ないだろうな。

PS.

「東京の道が空いてる」につっこみがあったんだけど、これは休日の話。渋谷新宿のような、休日に混んでいる商業地を除けば、平日の夜よりも空いてる。秋葉〜新宿なら電車よりも速かったりする。平日昼間はどうしようもないけど、そんな時に好んで車には乗らんもの。

私は車を持っているよ” への8件のコメント

  1. アメリカのソフトウェア会社と日本の自動車会社の利益率からして、アメリカのような日本より産業転換の早い社会では儲かるソフトウェア産業へ優秀な人間が集まりやすく、日本人が特に車作りに優秀というわけではない。
    トヨタは昔紡績会社から転換を図ったように自動車会社から他の産業に移行することは十分ありえることかもしれませんね。
    そして、我々日本人は中国メーカーの車を買うようになると。

  2. > 我々日本人は中国メーカーの車を買うようになる

    「実用本意」になればそうなるでしょうね。日本の強みが生かせる方向とは違うし。

  3. o64vv4です。はてな退会してたのでid無効になってます。すいません。ちなみに僕は当時シティ・カブリオレに乗ってました。クロカンとか興味nothingなので。ちなみに今は車は持ってません。妻用の車はありますが僕は歩いて通勤できるのので車を手放しました。職場が変わらない限り車を買う事はないでしょう。

    「業務命令で冬山登山をする」思い出して吹いた。ちょうど今頃の時期に吹雪の中フェリーで隠岐へ行って山登りしましたよ。頂上でテント張って。業者の人が様子見に来て「おい!暖房器具なしかよ、おかしいだろ」とかあきれてたの思い出します。ナツカシイ思い出。

    長文失礼しました。

  4. > はてな退会してたのでid無効

    RSSが引けなくなったなーと思ったらそうだったのね。

    実用的には、家族の誰かの車があれば何とかなるのよね。職場近けりゃ。でも、全くないと命が…

  5. 日産はねぇ、私の従兄弟も日産の下請け系だったのですが、なんか評価の基準になってるのか、値段の事しか言わなくて、トヨタも色々あるけどトヨタの方がずっとマシだと言ってましたね。
    クルマは昔は男の嗜みみたいな面もあったけど、すっかりそう言うのはなくなりましたね。実用車なら軽でも大人4人乗りでも十分だし、軽の1BOXなら6人乗れる。
    軽じゃ嫌だというのは、ミニバンになるか。
    さりとて趣味のクルマも世界的にも少なくなったね。昔はボーイズレーサーなんていうジャンルもあったけど、今数少ない運転好きな若者は、ヘタしたら自分が生まれた頃のS13/14辺りを転がしてる。そしてもうちょっと金が貯まると、ランエボかSTI、あるいはロードスター。ちょっと方向性が違うのがCIVIC Type-Rくらいか。GT-Rや33Zは普通の給与所得者や自営業じゃあ高すぎるしな-、とグダグダコメントしてすみません。
    あ、クロカンも趣味車としてもおもしろいですよ。もっともこの分野も何年か前のランクル70販売中止で、国内では事実上新車は手に入らなくなりましたが。

  6. ピンバック: ゆきのぶ日記

  7. 追記いただいていたことに今ごろ気付きました。

    でもやっぱり、
    秋葉-新宿を休日にいききするっていうのは
    ややかわったニーズだとおもいますし、
    そもそも平日昼間は乗らない、という時点で、
    移動手段というより趣味の世界かなとおもいました。

    なので、
    日常の手段として便利ではないのに、
    「これだけ便利になっていても、不要だと判断されてる」っていう点に疑問を感じたわけです。
    # その後の「「自己顕示」とか「趣味」とかそういった領域」にはあまり違和感がないので、
    # 大勢に影響はありませんが。

    また、駐車場はあるものの、
    その駐車場といえばたいていは有料で、
    ちょっととめようとおもうと、
    一時間 500円+っていうのはざらかと。

    商業地域とか都心部とかを除外すると、
    そうでもないところもあったりするかもしれませんが、
    それはやっぱり日常の足じゃないんではないかと。

    とはいっても、スーパーとかに無料の駐車場があるのは知っていて利用していますが。

    えーっとなにがいいたいかっていうと
    松江の事はしらないんですが、
    東京の車事情って決っして便利じゃないと感じていたので、
    え、そんなに松江って不便なの?とか
    おもったわけです。

  8. 松江で致命的なのは、「誰も彼も乗っている」「多い」ってことです。

    必需品であるがゆえに、誰でも使うのですが、それであるがゆえに「下手な人」と「不注意な人」がいっぱいいて、危い上にスムーズじゃないのです。そして、田舎だから車が多い。そのくせ、「金払ってでも停めたい」ってことに応えてくれる駐車場が少ない、施設付属の無料駐車場が満杯だと、えらく困るのです。

    東京で乗るのはあくまでも趣味道楽に分類されることですから、あえて平日昼間のような不便でしかない日には乗らない。でも、休日に乗ると東京はインフラが過剰なくらい整備されていて、とても便利なのだよということです。

    別に「だから乗れ」というつもりはありませんが。

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