ギークハウス計画その後

新たなギークハウスのことは、先日書いたのだけど、その時は「出来たらいいな」的ニュアンスだった。

ところがその後、ギークハウス2の方でちょっとした騒動があったらしく、いきなり具体的な話になろうとしている。幸い、「出来たらいいな的」とは言え、いろいろ調べていたところだったので、何とか対処出来そう。ついでなので、そのあたりでいろいろ起きたことやら、話したことをまとめておく。

ギークハウス2で起きたことの詳細は私はよく知らない。と言うか、細かいことは知るつもりもないし、必要性もない。関係者が語りたいと思えば書くだろうし、そうでないと思えば書かないだろうし、まぁその程度だ。私が把握の必要があると思ったことだけ把握することにしている。

その「把握するべきこと」で唯一にして最大のことは、

「誠意とはお金のことです」

ということに集約される。いろんな事情から、保証金の積み増しが求められることになったのだが、それが払えず立ち往生ということらしい。安定供給されるべき住居が、いきなり他人の都合で飛ぶとゆーのはとんでもないんだけど、まぁその辺の細い事情ははこちらの知ったことではない。ただ、とにかくそんなことが起きたらしい。だから、今後のその手の計画の時には、「安定供給」ということを考える必要がある。

という事件が起きる前に、@NA_geekと話したことや調べたことをまとめておく。

人数

当初私は、あまり多いといろいろ面倒なので「1物件4人程度」と思っていた。4人なら麻雀も出来るしw

ところが、「4人」ではいろいろ不都合があるらしい。と言うのも、あまり少人数だと個人の距離が近くなり過ぎて、いろいろキツいのだと。確かに4人で麻雀をやるとなると、毎回付き合わなきゃいけない。人には晴れの日もあれば雨の日もあるわけで、いつも付き合いたいと思うわけでもない。それに無理やり合わせていればストレスになるのは当然のことだ。

また、あまり少人数だと1人が出て行くことになった時に、いきなり残りの人の負担が3割増しになる。これはなかなかキツい。「負担急増」についてはまた後で触れるのだけど、少人数だと対策が厳しいことはわかると思う。

費用とのバランスを考える

個人的にこの手のルームシェアの「家賃」は、都心なら5万円が程度だと思っている。と言うのも、それくらい出せば多少ボロい物件であることを我慢すれば、ワンルームマンションが貸りられるからだ。「集団で住む」ということのメリットをどう見い出すかということもあるのだけど、「生活の場」ということを考えれば、ある程度のプライバシーが確保出来ている方が幸せだろう。

ところが、都心物件で個室が用意出来るものは賃貸ではかなり高く、「1人5万円」では貸りられない。

売買物件であれば、安いところだと2000万円台からある。じゃあどこかから資金調達をして買えば良いじゃないかということになるのだが、仮にこれが出来てもあまり容易じゃない。資金調達そのものの可否を別にしても、十分な運用利回りが確保出来ないのだ。

5万で6人住むとして、月に30万。年間にすると歩留りも考えて300万くらいの家賃収入となる。仮に3000万調達したとすると、単利の年利1割になる。ここから固定資産税のような費用を引くと実質年利が7%くらいになると思うのだけど、これはこの手の資金運用とすると、リスクの割にインカムが少ない。3%で借金が出来たとしても、残りは4%だし、借金は複利収入は単利。評価損とか考えると、あまり割のいい話ではない。多分良くてトントン、下手すりゃ足が出る。当初考えていた「投げ売りマンション」は意外に難物なのだ。

遊休物件はないか

ちょっと都心から離れれば、大きな会社の独身寮があったりする。これが部屋単位で賃貸が出来れば、いろいろと目的に合う。

ところが、いろいろ話を聞くと、この手の物件は介護系で使われていることが多いらしい。つまり、老人ホームに形を変えるわけだ。

こちらはせいぜい数1000万単位の資金力しか確保出来ないだろうし、またそんなに大人数でもないので、そういった「大資本」には対抗出来ない。また、「単価」的にも分が悪い。そう思うとなかなか手が出ない物件ではある。

それにまぁ社会性の乏しい奴も含まれるであろう「ギーク」の類が、この手の大集団生活を好むかと言えば、ちょっと否定的にならざるをえない。まぁこれも距離の置き方の問題ではあろうけど。

事務所物件

低リスクで便利も良くてあまり問題が起きなさそうな物件と言えば、事務所物件だ。うちの隣りの「タイガーハウス秋葉原」も、元々は古いオフィス物件だった。そこに仕切りを入れて個室が作ってある。事務所物件はその手の改造をしても許されることが多い。

この辺の事務所物件の単価は坪1万そこそこなので、そういった改造をしても十分ペイラインに乗せられる。「集団生活の個室」なのだから、1人分のスペースはプライバシー確保程度で構わないわけだし。

問題は「人が住む」ことを許す物件があるかどうかなのだけど、この辺の物件の多くは「一番上は大家の家」なビルがいっぱいあるので(ここもそんなところだ)、物件次第だろう。あとは「風呂」とか「台所」という生活に必要なものがあるかどうかなのだけど、その辺は改造するなりすればいい。広さについても適当な広さのものを探せばいいだけだ。

ということで、結局はこの方法が一番実現の可能性が高いということになる。ということで、「ギークハウス秋葉原(仮)」は、この方法で実現する予定になっている。

家賃

事務所物件の最大の問題は、保証金が高いということ。物件にもよるけれど10ヶ月分程度を覚悟しなきゃいけない。また、個人が部屋を貸りる時も一番厄介なのは、敷金礼金の類だ。「ネカフェ難民」が割高な「家賃」を払うのも、この手の「まとまった金」がないからだ。逆にルームシェアのいい点の一つは、この手の金が(ほとんど)なくても良いということ。ということなので、「家賃」にはこの手の金を平均化したものを含めておく必要がある。

さらに、いつも満員とは限らないので、人数が減った時の手当分を確保する必要がある。

と同時に、人数を減らさないモチベーションも必要になる。「人の距離」の問題が解決してしまえば人数は少ない方が快適になるわけで、家賃を固定にしてしまうと人が増えることを歓迎しない空気が出来てしまって、「経営的」にマズい。極端な話、男女ペアが残ってラブラブ… なんてことになってしまったら、どうしようもないことになってしまう。

また、こういったシステムの安定性、発展性ということを考えると、ある程度「儲かる」必要がある。「大家」なりリーダーには少なからずリスクのあることなので、その上にさらに「誠意」だの「厚意」だのが必要になってしまうというのは、厳しいことだ。「だったらやるな」と言うのは簡単だけど、実際にこういったシステムが欲しい人はいるわけだから、一部の「奇特な人」しか出来ないということになると、供給が増えない。「上手く回せば儲かる」という程度にしておけば、供給が増やせるから喜ぶ人も増えるだろう。またそうなっていれば、大家なりリーダーに継続出来ない事情が発生しても、いきなり解散ということにはならない。今回のギークハウス2の最大の問題はそこだったわけだし。

ということを考えると、

1部屋30万程度の上がりを基本に考えるビジネス

というドライな考え方をしておく方が、お互いのためになる。嫌儲厨には不愉快だろうが、いろいろな「シロ」が用意してないと、何か起きた時にいきなり放り出されてしまうことになるのだ。

ということで、あまり楽しい結論じゃなかったかも知れないけれど、とりあえずはこれくらい考えておかないと、「信頼出来る住居」を確保するのは難しいということ。

ギークハウス計画その後” への4件のコメント

  1. ピンバック: atsushifxの七転八倒(待避所)

  2. いや、至極ごもっともな筋かと。良さそうなオフィス物件の目星までついてるんですか??

  3. 2物件見当をつけてます。

    後の方の物件が有力で、そっちであればようちゃんの希望にも応えられそうです。早ければ明日にでも手を打ちます。

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