九十九騒動の不思議

金曜日に九十九に差押えがあったらしい。

ツクモが営業中断、商品在庫をトラックで回収

本日の九十九電機に対する仮処分執行について

NECリースの声明を見ていると、当然のことを当然の手続きとして行ったまでで、特に取り立てて問題のない行動らしい。まぁもっともなことなので「NECリースヒドス」の声は、まぁナンセンスと言える。

でも、一連の経緯を見ていると、「果してそうか?」という疑問が残る。あまりに「当然のことを当然の手続きとして」行われているがゆえに、なんかおかしいと思うわけだ。九十九の逆ギレも不思議だ。一連のことは、誰にでもわかりやすい構図であるがゆえに、何か隠されているような気がしてならない。

今回の「差押え」はあくまでも差押えであって、そのまま換金出来るわけじゃない。あくまでも「保全」が行われただけで、換金するためにはこれからそれなりの時間がかかるはず。

という点からスタートして「妄想」してみたい。あくまでも「妄想」であって、実際の裏を取っているわけじゃないので、お楽しみ読み物程度で。以下のことで仮に真実があったとしても、それは単なる偶然に過ぎない。あくまでも公開されている情報から考えられる可能性のある「妄想」を書いているに過ぎないので、そういった類のことが嫌いな人は読まない方がいい。

まず不思議なのが、そういった動産を差押えてどうするかと言うこと。帳簿上の「資産」としてはそうやって保全出来るのだけど、皆様御存知のように

PCなんて生もの

だ。だから、実際に換金されるまでに時間がかかれば、それだけどんどん価値が下がる。それこそ「当社の担保物は大幅に毀損」どころじゃない。3ヶ月もたてば、商品価値は半分くらいになるものばかりだろう。だったら、下手に担保権行使するよりも、再生手続きに協力して回収した方がいいように見える。まぁその辺は計算しなきゃわからないことではあるけど。

次に不思議なのは、それがなぜ「今」なのかということ。本当に担保権行使する気があれば、そしてそれを保全することが必要と認めるのであれば「大幅に毀損」されるもっと前、たとえば九十九が民事再生手続きを出した日にでも実行すれば良かったはずだ。それならまぁ多くの人が「当然のことを当然の手続きとして」納得してくれただろう。「契約違反」を言うのであれば、出した翌日も営業していた時点で権利執行すればいい。それなら何の不思議もない。

九十九はこれでかなりのダメージを受けているはずで、再建計画は難しいことになるだろう。それについては、九十九に金貸しているであろう他のところにとって、非常に好ましくない。そして、そういった「金貸し」はたいていNECリースの株主でもあるはずなので、それなりに話がこじれそうだ。他の金貸しにとっては、再生計画がどうなるかの方が気になるところだろう。

この一件で九十九は逆ギレの声明を出しているわけで、これも普通の会社はやらないことだ。いくら「無念」があったにしても、完全に縁が切れたわけでもない会社の悪口は、普通は我慢する。でもそれを出してしまったということは、本当にイタい会社だったのか、何らかの「計算」があるかだ。

また、この一件でNECリースのみならずNECへのネットの風当たりは強く、ニコ動には

なんて画像がアップされ、NECへの否定的なコメントがついている。たいしたメリットもないことを強行したということで、「NEC(リース)はそんなにヤバいのか?」的な見方までもされている。まぁそう思うのも無理はない。何しろ金融なんて今はどこもとてもマズい状態にあるわけだから。

つまり、ここに見えている誰にとってもそんなにメリットのない行動を、「今」やってしまうというあたりに、あまりに「普通でない」ことを感じるわけだ。そうなると、「ここに見えている」人でない誰かにメリットがあるのではないかという気がしてならない。

さらに言えば、九十九とNECリースの貸付契約がされたのが、8月28日。九十九が民事再生を申請したのが、10月30日。つまり、NECリースは、

たった2ヶ月しか持たない会社に金を貸した

ということになる。これは常識的に考えてありえない。金を借りる時には、返済余力が見られるわけで、そこに問題がなくて初めて金が借りられるわけだ。これが貸した後にいろいろ起きて返済不能な事態が起きたとわかったとなれば、それもまぁ仕方ないとも言えるのだけど、この間に起きたことと言えばアメリカのバブル崩壊という金融的な問題だけであって、国内PC市場が壊滅とかそーゆー話じゃない(逆に金融業であるNECリースにとっては厳しかったかも知れない)。仮にそういったことがあったにしても、その類のリスクは調べておくべきで(既にサブプライムのショックはあったわけで)、その上で貸すかどうか判断されるべきだ。つまり、ある意味NECリースの担当者の予信調査能力が低かったとか、九十九の出した情報に嘘があったか、あるいは

表沙汰に出来ない取引があったか

ということになる。だとすれば、「当然のことを当然の手続きとして」実行して、背任や詐欺になることを避けるということは、ある種の隠滅工作として考えられるし、メリットのある人が存在するということになる。それなら納得だ。

以上が公開されている情報から無理やり考え出した「妄想」だ。

他にもネットのあちこちに、「ex館のところは再開発計画があったけど、九十九が邪魔だった」という類の噂も流れているし、「実は九十九のオーナは商売やめたかった」という噂も流れている。ありとあらゆる「噂」が、どんどん吹き出している。どれも単なる噂かも知れないが、そういったものは本来流れなくても良かった類のことなのだから、誰にとっても良いことじゃない。かつては噂は一夜にして千里万里を走ると言ったものだけど、今や一夜もあれば太陽系の果てまで届いてしまう。差押えの動画はニコ動にいっぱいあるし、「噂メディア」にはいっぱい噂が流れている。そういったことを考えれば、九十九にしてもNECリースにしても、説明責任を果たす必要があると思う。何しろあまりに

見えている部分がわかりやす過ぎる

のだ。「大人の世界」にそんなわかりやすい事があるわけがない、つまり「子供騙し」でしかないのだ。まぁ「大人の事情」はあまり表沙汰に出来ないわけだけど、電網恢恢粗にして漏らさずだ。

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