主にmohnoさん用

mohnoさんのエントリを読んでみる。

おごちゃんに何を言っても無駄か?

mohnoさんは「同意できない」と言ってるけど、私はmohnoさんの書いてることにはほぼ同意なのだ。そうであるがゆえに、多分「何を言っても無駄」なんだろうと思う。

まず、大前提として、「気に入ったら買ってくれている」なんてことは私はぜーんぜん肯定してない。したいとも思わないし、出来るとも思ってない。

私の書き方で誤解があるのかも知れないけど、「違法コピーがいっぱい流れていても、気に入った人が買ってくれるようになれば無問題」なんてのは、「共産主義でみんなハッピー」と同じようなファンタジーの一種だと思っている。だって、それが本当に実現されるんだったら、ストールマンは今頃大金持ちだ。まぁそれで食えると思ったかわいい時代が私にもありました。20年くらい前だけど。

だから件のエントリは狙うところは違う。

私が「現象」と言っているのは、既にある違法アップロードがいっぱい流れているという状況と、そういったものを視聴すれば、「買うに値しない」ものは買われないだろうということ。

前半についてどう考えるかは、mohnoさんと私の立場の違いによる考え方の違いだと思う。

「違法アップロードがいっぱいある」という状況は、良くないなーと私も思う。じゃあそれが止められるかと言えば、私はそれは無理だと思ってる。10年くらい前だったら、そういった行為は「一部の不心得者」のやることで、あの手この手で止めされることも可能だった。そもそも、そういった行為が出来る人は限られていて、本人も「悪いこと」だと自覚していた。

でも、今はそういったことがあまりにカジュアルになり過ぎている。悪いことだという自覚も乏しい。だからもう止められないと思うわけ。もちろんそれは悪いことだと教育して行かなきゃいけないとも思うけど、教育くらいで何とかなるんだったら、日本はもっといい国になってる。教育はしなきゃいけないけど、効果があるかどうかは別だ。現実に損失があるんだったら、効果を待っていてもしょうがない。

mohnoさんは「強い組織」に属している人だから、「悪いことを正す」ということが実現可能だと思うんだろうけど、私はそんな強い背景はないから、「違法アップロードいっぱい」というのはもう「動かすことの出来ない潮流」だと思ってしまってる。意識の高い人は「悪いこと」って言い続けてりゃいいと思うけど、それで改善の兆しはあまりないから、「その後」を考えた方がいいんじゃないかと思うわけ。「不謹慎」を否定しないのも、「ガキにネットも携帯もいらない」というのも同じこと。いいことだとは思わないけど「流れ」がそうなんだから、それに呑み込まれないようにするのが、弱者のマッチョ戦略だと思う。肯定する気はないけど、否定しても始まらんだろうと。肯定してるように見えるのは「皮肉」にうまく釣られたねーってこと。

他方、今までのコンテンツ販売ってのは、基本的に「ビニ本」だった。だから、「とりあえず買って」みないことには、自分の求めるものかそうでないかわからなかった。私も買ってしまってから馬鹿野郎と思ったものは少なくない。欲しいものを買うのは当然だと思うものでも、欲しくもないものを買わされるのは悔しいものだ。

でも「幸いなこと」に、違法アップロードはそこらじゅうにある。また、そういった違法アップロードでなくても、CD屋に行けばある程度は試聴出来るし、iTMSでも試聴機能はある。そうしたら、試聴の機会は増える。元々買う気であった人も、試聴して「駄作」と判断すれば買わないだろう。それは試聴の尺の長さにはあまり関係がないと思う。

いくら違法アップロードがカジュアルになったとは言え、誰もがそれを使っているとは考えにくい。もちろんそれで満足な層は確実にいて、そういった人達は違法アップロードで満足しちゃってるだろうけど、それは昔々「エアチェック」なるものでカセット作ってたとゆーのと大差ないと思う。でもコンテンツが売れなくなってしまったのは、そんなことよりも違法アップロードを含む(当然それだけじゃない)いろいろな「吟味」の機会が与えられて、ビニ本がビニ本でなくなってしまったということの方が大きいんじゃないか?

# コンテンツの質低下が云々の話もあるけど今回は触れない

元増田が違法アップロード中心の話をしていて、それに反論という形で書いたから私が違法アップロードを歓迎してるような文章になっちゃってるけど、主題はタイトルに書いてあるとおり。「気に入ったものは買う」のはファンタジーだけど、「気に入らないものは買わない」は現実だ。また、低質であっても一度聞けばそれで満足する程度のものも買われないだろう。

それとも、mohnoさんは「アーティストが注目されるチャンス」のために、「いらない」ものまで買えと言うの? それなら私はまるっきり同意出来ないから、それこそ「何を言っても無駄」です。だって「いらないもの」に金払う気なんてないし。

まぁそもそも、

通常の商業作品が違法にアップロードされることを喜んでいると、その陰では自らの意思で作品を公開して広めたいと思っているアーティストが注目されるチャンスが埋もれさせてしまうことにもなる。

この前半と後半の関連がよくわからないんだけど。時間の取りあいのこと? それならむしろ、「宣伝」の問題だと思うし、「初音ミク」はそれなりに状況が改善されつつある。

全体に言いたいことはわかるし、それにほとんどの部分同意なんだけど、ちょっと「坊主憎けけりゃ」になってない? まぁ、最後のパラグラフの部分に関しては、そう見えるのなら申し訳ないなと思うけど、前述のように既にあるものは否定してもしょうがないと思ってるんで。

私も著作物で飯を食ってる身だから、著作権が軽く扱われるのはどうかと思う。だから、軽く扱うことに与したいとは思わないけどね。


ついでなんで、私のこういったことの背景を書いとくと、私は基本的には欲しいCDは買ってしまう方です。買いたくても買えない音源はしょうがないけど、基本的にオリジナルが欲しいと思うクチ。1枚のCDの中に1曲でもいいものがあれば、それだけで満足。だから「馬鹿野郎」と思うのは、本当に全編だめだった時だけ。CD買って来てもripしたら媒体はしまいこんでしまうんだけど、なぜかCDは買いたい。iTMSでも満足出来ない。多分、所有欲が満たされないからだな。どうせ曲は何度も聞くからそれくらいのことをしてもいいはず。それと、CDは基本的に通して聞く。聞きたいところだけ選び出して聞くのは、どうも音楽に対する冒涜みたいな気がするもので。

アニメの類はMADをたまに見る程度。どうも萌え画とかあまり好きでないってのもあるかも。それに、10分を超える動画をパソコンで見るのは、なんとなく苦痛なんで出来るだけ避けてる。もちろんテレビはない。どっちも多分時間がもったいない気がするんだと思う。

また、映画は基本的に映画館で見たいと思っているので、最近の「すぐDVDが出る」というのは、内心苦々しく思ってる。ちょっと見損ねると上映が終わってて、油断してるとDVDが出ちゃうというのは、どうも面白くない。基本的に何であれ動画は1回見れば満足。だからこそDVDなんかで見たくなくて、映画館で見たい。だからDVDはまず買わない。どうしても見たい時はレンタルを1回見て終わり。

まぁこんななんで、「平均的な人」とは感覚がズレてるのかも知れない。

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