最後に残る紙メディア

1年飼っていたフグが脱走してしまって水槽が空になってしまった。

寂しいので、新しい魚を買いに東銀座まで。久々に電車で週刊誌の吊り広告をじっくり見る。見ると、例の秋葉の事件のことについて勝手なことを書いている。ついこないだまでアキバがサブカルの一つの極みたいなことを書いてたのは、どこのどいつだ?

で、見てると、「女性自身」とか酷いもんだ。でもそこで気がついたことがある。

マスメディアが地盤沈下していることは、こないだ書いたとおり。これに対してはどのメディアもかなり危機感があるらしく、「現場写真不謹慎」というあたりを軸に「おたくキモい」あたりに話をふくらませて、ネガティブキャンペーンに必死だ。特に「おたくは不可解」と思っている女性誌読者のために、女性誌は結構酷いことを書いている。

じゃあお前達のやっていることはどれだけ違うんだ?

ということは言ってもムダだから、この方向ではもう書かない。

一般人がどんどん携帯で撮った画像を投稿して広く見られるようになったり、それにちょっとした説明がつけられるようになると、報道の形がまるで変わるだろう。そんなネットサービスを作るのも面白いな。ライセンス規定とか明確にして、マスコミに売るとかblogのネタにしてもらうとか… ってのは、まぁいいとして、そうやって「普通の人」がメディアに参加出来るようになると、どんどんマスメディアが地盤沈下して行く。いくら「キモい」とか「不謹慎」という言葉で思考停止を要求したところで、時代はそんな方向に流れて行く。マスメディアにありがちの限界も突破してしまうだろう。

それがある程度の規模になると、「地殻変動」が起きる。それは既に起き始めているけど、だんだんマスメディアが「ペイ」しなくなって行くわけだ。たとえば週刊誌の部数は長期低迷&下降傾向だし、テレビの視聴率も下がり傾向だ。これがある程度を超えてしまうと、商業メディアとして成り立たなくなる限界を超えてしまう。週刊誌の何割かは、いつ廃刊になってもおかしくない状態にあるくらいだ。テレビだって一部広告主は、

地上波テレビは貧者のメディア

ということで、高級品の出稿はやめようとかそんな話があったりする。テレビはまだまだ廃止になったりはしないだろうけど、地盤沈下は進む。

その地盤沈下の激しいメディアはどこだと考えてみたら、当然のことながら

ネットと利用者が競合するメディア

になる。つまり、ネットユーザが多いカテゴリの人達のオールドメディアは、どんどんネットに顧客が奪われて行くということ。考えてみりゃ考える前から当たり前のような気がするけど、「一般誌」だとちょっと忘れてしまいがち。「専門誌」だともう目の前で起きてる事実だから、どんどんIT雑誌は廃刊されつつあるのが見えてるんだけどね。

逆に、ネットと利用者の競合が少ないメディアは地盤沈下が遅い。それは何だろーなーと考えたら、それはまさしく

女性誌

だ。それも「ネットユーザはおたく」「おたくはキモい」「ゆえにネットユーザはキモい」みたいな悪魔の三段論法を持っているような人達が読者のものだ。とか考えると、冒頭に挙げた「女性自身」とか「スイーツ(笑)」系雑誌とかは、実は最後まで残る紙メディアなのかも知れない。

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