コピペ文化じゃなかったんだけど

ひがさんのblogの、

SI業界の老害が若手と下請けを蝕む理由

の追記の部分で思い出した。実は私は紙パンチカード時代を知ってるので、おさーんの昔話として。

その昔、私がCOBOLを習ってしばらくして実戦投入された。元々テレビ局の子会社で私がテレビ出身ということもあって、テレビ局の営業放送システムをやることになった。

COBOLもよく知らないし、オンラインもよくわからないところで、とりあえず先輩のコードを見ながらプログラムを書き始めたんだけど、しばらく書いているうちにあることに気がつく。それは、

プログラムはいくつかのパターンに分類される

ということ。まぁ今で言えばデザインパターンということになるのだけど、当時はそんな言葉すらないし、また発見したパターンはかなり業務寄りで、たとえば「一覧表を含む画面のパターン」みたいなものだった。これが綺麗にパターン化可能だということに気がついたわけだ。

当時はコーディングシートにプログラムを書いて、パンチャーにお願いして打ってもらい、それを読み込ませるということでプログラムを作っていた。さすがに最初の会社とは違いパンチと言ってもフロッピーだし(最初の会社では紙カードだった)、入れた後は端末で編集出来るのだけど、実機がいつでも触れるわけじゃないという点では大差ない。コンパイルは当然バッチだし。まぁそんな環境でプログラムを書いていたわけだ。

当然のことながら、一々コーディングシートに書くのは面倒臭い。なるべく書くべきものを少なくしたい。そこで私が考えたのは、

パターンの部分はあらかじめ書いておいてコピーしておく

ということだ。モジュール固有の部分は手で書くけど、パターンのところはあらかじめコピーにしておいて、穴埋め式にプログラムを書くという方法。こうすれば、バグも少なく書くのも楽ちん。パターンにしてある部分は品質保証されているから、そこはレビューとかいらないし(結局してるけど)。

まぁそんなわけで、コピペって文化は周囲にはなかったんだけど、自分にはあったし、それをうまく使うと生産性も上がったものだった。もっともこれは自分だけの工夫じゃなくて、どうも富士通には「パラダイム」という製品でこういったパターンライブラリみたいなものがあったらしい。話だけ聞いて実物は見てないけど、パターンに名前がついていたのは覚えてる。

で、そんな工夫が今時使えるかと言えば、多分まるっきり使う用途はないと思うけど、紙しかなくても「プログラミングツール」は作れたというおっさんの昔話さ。

コピペ文化じゃなかったんだけど” への2件のコメント

  1. そういえば最近は、読書感想文が穴埋め式に書けるテンプレートが満載の、小学生向けの参考書が、夏休み前になると本屋で平積みですね。

  2. すげー。

    でも、私はそれを100%は否定しない。そこから何か得る姿勢があればね。

    言語学習も「写経」から。

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