Linux Journalの翻訳をベースにしたLinux Japanという雑誌が発行されることになった。これでLinux Journalの優良記事が日本語でも読めるようになったわけで、非常に喜ばしい。
編集に稚拙なところは多々あるし、翻訳も「ちょっとなぁ」みたいなのがないわけではないが、まぁそれは追々良くなって行くだろうと思っている。とにかく出たことを素直に喜びたい。
しかし、良くないのは付録のCD-ROMである。編集が多少稚拙なところは、まぁ仕方がないだろう。これも追々良くなって行けば良いことだ。問題なのは、
Slackwareが正しく収録されていない
ことである。著作権表示のファイルや、インストール方法のファイルが欠落している上に、ソースも収録されていない。基本的にSlackwareを収録する時には、
ftp.cdrom.comにあるSlackwareのファイル群をそのまま
収録することが求められているのである。だから、この収録のしかたは
実にマズイ
のである。何しろこれは
明白なるライセンス違反
である。まぁ「自らの悪事を隠すために著作権表示を消す」というのは行為として理解出来るのだが、インストール方法等まで抜けているということも考えれば、意図的にやった「悪事」と言うよりは、単なる手違いか何かであろうと思う(思いたい)。とは言え、あのCD-ROMがマズいことは確かであるので、
即刻回収交換をする必要がある
それが出来ないようなら、
出版そのものを止めてしまって欲しい。
それが本誌の原稿を書いた著者への礼儀と言うものである。仲間うちで「あんな本に書いたのか」みたいなことを言われるのは、ライターとして致命的だったりする。
今まで我々は色々な形でLaser5のものをフォローしたりして来たのであるが、今回の付録CD-ROMに関してはフォローのしようがない。私の立場から言えることは、
Linux JapanはCD-ROM目当てで買ってはいけない
ということだけである。
今までの「JEシリーズCD-ROM」の流れから、その編集者が作ったように思われる人もいるかも知れないが、あの付録CD-ROMに関しては、
我々は一切関与していない
のである。同じ会社から出ているからと言って、同じものとして扱えないので注意してもらいたい。
PS. 1996年12月5日
「意図的にやった悪事とは思えない」と書いていたのだが、このCD-ROMには「RunRun Linuxの草稿」が無断収録されていることが判明した。「ドキュメントが落ちる」ということは、単なる手違いである可能性を否定出来ないのであるが、無断収録はそういった言い訳は通用しない。しかも、RunRunの著者であるはね氏は献本すらもらってないそうだ。はっきり言って、
開いた口が閉がらない
物事のレベルとしては「乞食本」より程度が悪い。この程度の認識しかない会社と付き合っていたかと思うと、自分の不明が恥ずかしい。そこで、
関係者の公式の謝罪がない限り
今後しばらくは協力を凍結したい
と考えている。このことはすなわち、
当面私の編集によるLinux + JE5は出ない
ということだと思って戴きたい。とにかく、Linux関係者が納得するようなことをしない限り、この問題は解決しないと思ってもらいたい。