ユビキタス特区??

元地元の山陰中央新報より。

松江で「ユビキタス特区」

またこのパターンかよ。いい加減懲りるということを学習しろ。

松江市はどうも郵政省〜総務省の地方振興策が大好きだ。私が一番関係深かったのはテレトピアなんだけど、その他にもいっぱい絡んでいる。テレトピアの時に第三セクターを作って事業をやるというスキームを学習したものだから、それ以後はだいたいそんなパターンを踏襲している。

その結果何が残ったかと言えば、たった数億の補助金で、

その先の技術革新があったらどうなる?

みたいな郵政族が大好きな「日の丸袋小路技術」をやらされてフェードアウトだ。かつて私もそんな仕事にタッチさせられた(「CAPTAIN 生越」でぐぐると、黒歴史が出て来る)。

そんな「日の丸袋小路技術」であっても、技術そのもののスジは実はそんなに悪くなかったりする。今でこそ「ITガラパゴス」みたいなことを言われてしまうが、インターネット以前のネットワークなんてのは、日本国内で閉じているものがほとんどだったのだから、「日の丸袋小路技術」でもそう問題じゃなかった。放送も然りで、海外のテレビ放送なんてのを受信するなんてのは、一部の好事家のものでしかなかったから、「国際規格」なんてのはどうでも良かった。

つまり、別に「ガラパゴス」でもそうそう困らなかった時代であっても、その技術はフェードアウトさせられてしまう。なぜなら、

  • 補助金がなくなる
  • 安定技術になりメーカの実入りが減る
  • 天下りの温床になり、やる気のある人が相対的に減る

というようなことが複合して起きるからだ。テレトピア(= CAPTAIN)は全くこのパターンだった。メーカの実入りが減るものだから新製品も出なくなってフェードアウトだ。当時の私はそれに抵抗すべくいろいろ自前でプログラムを書いていたものだった(この辺の諸々があったから私がフリーソフトウェアに関わるようになったのだけど)。

私は実はCAPTAINそのものは、そうスジの悪い技術ではなかったと思っている。そりゃ今のPCで今の回線からすると、「そんなケチケチしなくても」という部分をいろいろケチってやっているのだけど、携帯電話やPDAみたいなCPUも回線も制約のある世界だったら、今でも結構使いものになるんじゃないかと思う。てか、今時の携帯ブラウザなんて、まんまCAPTAINでしかないじゃんとか思ったりもする。文字放送なんて、ほとんどCAPTAINと同じPLPS(Presentation Layer Protocol System)だった。

ただ、技術的には「現在の想像力で未来を縛る」ようなプロトコルだったため、させられるべき拡張が出来ないという問題があった。つまり技術的な「隙」がなかったが故に、自由度が低いし、いろいろ細かく決められていたため実装が面倒臭いとか、そういったことで普及もしなかった… というようなことがあったので、技術的にもフェードアウトしてしまった。

ただ、それを加速させたのは、「金がない -> メーカのやる気が出ない」というスパイラルと、「天下り先 -> 役員のやる気がない」というスパイラルの複合だ。このコンボがあったものだから、いくら技術者がマシなものを作ろうとしても、日の目を見ることもなくなってしまったのだ。

「技術は金を生まない」というのは、このことでも学習させられた。

まぁ何にしても、こういった郵政省〜総務省が思いつきでやってる「地方施策」って奴の末路ってのは、だいたい決まっている。また、その時に押しつけられる技術も、たいていは「日の丸袋小路技術」だと決まっている。もういい加減そういったことはwelknownだと思っていたんだが、いまだにそうったことにお付き合いする

松江市ってお人善し

だなぁと思う。同じ思いつきでも、「Ruby City」あたりはそう悪いことじゃないと思ったんだが、これは総務省絡んでないからな。

PS.

mixiで「今回は松江市(行政)は絡んでない」というコメントをもらったのだけど、「松江市(市民)」が「松江市(行政)」を作るんだから、同じこと。「松江市(行政)」という「問屋」を介してないというだけで、「松江市(市民)」が「made by 総務省」に飛びつくという点では同じ。

ユビキタス特区??” への4件のコメント

  1. 「技術は金を生まない」というよりも「技術が金を生むわけではない」という言い方の方がしっくりくるような。おなじことっちゃおなじなんだけども。

  2.  松江SNSも総務省の外郭団体である財団法人地方自治情報センターの進める「地域SNS間連携の実証実験」のひとつですね。
     これも実験のための実験で終わるもんなんでしょうか?

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