IPAフォントがfreeに

高品位日本語フォント「IPAフォント1 」の一般利用者向け無償配布を開始

今まで「freeっぽいけどfreeじゃない」IPAフォントが、本当にfreeになった模様。何はともあれめでたい。

関係者の尽力に感謝すると共に、なんで今までfreeじゃなかったのかと思う。まー、確かにいろいろ「大人の事情」があるんだろうとは思うのだが。

もう何度かあちこちで書いたことなんだが…

かつて、まだCAPTAINなんてものがあった時、NTTからパソコン上の端末ソフトが出ていた。これはあくまでも「参照コード」ということで、そのコードを元に、各社製品を出していた。

その当時、ローカルキャプテン会社にいた私は、「NTTのサービスのためのソフトなんだから、NTT自身がfreeで出すべき」という論を張った。ところが、NTTは「大人の事情」をタテにそれを拒んだ。「大人の事情」の内容は

費用を発生させて作ったものを、無償で公開はできない

ということだった。まぁ会計上はわりと妥当なことだ。とは言え、これが「妥当」だと言えるのは、あくまでも

会計上

なだけで、当該システムの普及を目指すのであれば、当然無償提供すべきだと思っていた。当時既にジリ貧になっていたキャプテン業界なのだから、なおのことだ。

で、それじゃあ困るから、しょうがないので技術資料と実機の動作を元に、フルスクラッチで端末ソフトを書いて公開した。

おまけにその「技術資料」も有償だと抜かすものだから、ライセンスには「NTT関係者は使うな」と書いておいたら、担当者から「どうしてですか?」という電話がかかって来て、私にボロクソに怒鳴られていた。その「担当者」はマイミクの某氏である B)

後にその端末ソフトは拡張されて、Windows版も作られ、「NTT純正」の有償ソフトよりもずっと使われたものだった。

その頃になって、やっとNTTも無償公開するようになった。時既に遅しで、キャプテンはクローズ方向に向かう…

こういった「大人の事情」を伴うソフトウェアをfreeにするのは、「大人の事情」ゆえに、なかなか難しい。とは言え、「大人の事情」を優先して期を逃してしまうと、せっかく公開しても意味がなかったりしかねない。幸いなことにIPAフォントは期を逸することはなかったと思う(思いたい)が、もうこんなことが起きなきゃいいがなと思う。

IPAフォントがfreeに” への2件のコメント

  1. 通産省は産業振興をしなければならない。
    日本にはフォントを作成販売している産業がある。
    日本国家(通産省など)が、フォントを無償で配布することは、既存産業の育成を阻害するものである。
    よって、国民の血税で作成したいものを無償配布したいのはやまやまだが、既存産業育成のために、悩ましいのだ…
    という論を聞いたことがありますわ。

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