BPnetはもうちょっと考えて記事選べよ…

2キロ先の無人建機を操る「建設無線局」の出力は、わずか1ワットだった!

無人建機のリモコン用無線局の空中線電力は1Wしか免許されてないというブー垂れの話。

一方、2日間の講習で取れる第4級アマチュア無線技士では10ワットの出力が認められています。

とか言ってる。

まぁ言ってる人の気持ちがわからんではないが、無線の何たるか、電波行政の何たるかに対する無知を晒している。

まずー、「2日の講習で取れる」「第4級アマチュア無線技士」は、「無線従事者」の免許であって、「無線局」の免許ではない。免許状が小さい画像でよく見えないが、おそらく「建設無線局」なるものは、無線従事者不要の免許なのだろう。そうすると、まずそこで「無線従事者の操作する無線局」と「無線従事者を必要としない無線局」との間で差があっても、それは当然のことだ。「2日の講習で取れる」ような簡単な免許であっても、その内容がしょうもなく簡単であっても、最低限の無線に関する知識が有ると認定された者はそうでない者よりも「偉い」として扱われるのは当然だ。

また、素人は「出力が大きければ飛ぶ」と単純に考えやすいし、それは事実だ。しかし、電波が「飛ぶ」ということは、意図しない方にも飛ぶという厄介さを持っている。その結果、他の同種の無線局に妨害を与えるという危険も大きくなるということだ。これが「移動しない無線局」であれば、免許を下ろす時に事前調査をすることで回避可能だが、「移動する局」だとそうは行かない。

当事者達は「遠くでも建機を制御したい」と思うだろうが、仮に混信や妨害があって建機が暴走を始めた時には、第三者にまで被害が及ぶ。制御不能になって暴走する建機なんぞ、想像するだけで勘弁だ。となれば、御上はそういったリスクを回避する方向に免許を下ろすのは当然のこと。それを考えると、1W なんて「高出力」をよく許可したもんだと思うくらいだ。業務局の免許申請書の厚さは1Wあたり1cmくらいある。その厚さのほとんどは、その出力の妥当性を主張する文書と、他の局へ与える、あるいは他の局から受ける妨害についての調査資料なのだ。

アマチュア無線は業務に使われないタテマエだから、混信しようが妨害があろうが、全て「自己責任」ということになっているし、自己責任の範囲でしか使いようがない。だから、許可された周波数帯の外にさえ出なければ、何があろうと御上は何もしてくれない。その分、免許は緩いわけだ。アマチュア同志で喧嘩する分には、勝手にしとけとゆーことである。

まぁ件の局がお気の毒なのは、新しい無線局であるということ。日本の電波行政はどうやっても安全側に倒したがる。新しい分野への電波配分は少ないし、その分混信の危険が高まるから高出力は認めにくい。「混信で建機が暴走」なんて事故が起きた時に、どうせメディアは行政も責める。被害者は危険の予見される免許を下ろした行政の責任も追及するだろう。それを思えば、本当によく下ろしたものだと思う。

おそらく件の記事は「地上波TV完全デジタル化後の電波配分」についてのロビー活動なのだろうが、あまりにお粗末な論法だ。もうちょっと「頭いい」記事を書かなければ、むしろ逆効果でしかなかろう。

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