DVDはレンタル、CDは買う

うちにはテレビがない。こないだワンセグ付きの携帯とUSBワンセグチューナを買ったけど、結局見てない。この部屋はそもそも電波の入りが悪いので、携帯は外出した時しかテレビ見えないし、外出はたいてい地下鉄だからテレビ見えない。USBチューナはCATVにつなげるから見ようと思えば見えるのだが、画質が悪くて見る気がしないので結局見ず。元々テレビを見る習慣がないってのもあるわけだけど、まぁ見ない。

とは言え、パソコンのディスプレイが24″もあるとなると、たまにはこれでテレビ見たいなと思う。「大画面」と言う程じゃないけど、部屋を暗くして近くで見れば、それなりに見れる。そう思うのだけど、DVI出力のチューナってないみたいなんで、そっちは諦めた。その代わりDVDを貸りて来ることにした。

最寄りは上野のツタヤだ。ここで見損ねた映画とか貸りて来る。見損ねるのはたいてい「見たいなと思うけどどうしても見たい程のモチベーションもないし、一緒に行くような奴もいなさそう」な映画だから、要するにマイナーだ。なので、見る時間があるかないかはとりあえず忘れて、貸りて来てはripする。イメージごとファイル化してサーバに置いておいて、暇な時に見ることに。厳密には不法コピーなんだが、後で書くように、見ても1度だし、私的複製だ。

CDはたいていアマゾンで買う。多少くだらないのでも買うことにしている。買ってもripしてファイルサーバに置いてしまうから貸りても良さそうなもんだが、なぜか買う。

最近はセルもレンタルも、DVDとCDの価格差はそんなにない。同じではないが違うと言う程違わない。だから、どっちも買うなり貸りるなり一本化してしまえば良さそうだが、なぜか「DVDはレンタル、CDは買う」ことになっている。

これは思うに、DVDと言うか映像は「一度見ればお腹いっぱい」になってしまうことが多いからではないか。つまり、買って来ても再生するのは1回くらい。また空腹になれば見ることもあるかも知れないが、たいていは「もういいや」になってしまっているから、少なくとも短期的には1回で十分だ。だから、劇場で見てしまった映画は、貸りようというモチベーションは低い。映画の質とはあまり関係なく、「また見たい」と思うものは見るのだけど。

それに、DVDはCDと違って、「ながら」も難しいし、「抜粋」も面白くないから、1時間のものを見るには1時間、そのための時間を用意しなきゃいけない。これはなかなかキツい。1度見たものをまた見るためには、同じ時間をさく必要があるわけだから、これはもっと厳しい。

そうすると、映像メディアというのは「バージンで1度だけ」見ればたいていは十分だ。映画館で見ればDVDいらないし、DVDは買っても貸りても 1度しか見ない。あとはお蔵入りだ。所有するコストを考えると、「今」買うモチベーションはあまりない。だから、頑張って映画館で見るか、見損ねたら DVDを貸りていれば十分。となると買わない。

音声メディアは何度も聞く。CDそのままだったりiPodに入れたりして、気に入っているものは何度も聞く。ファイルサーバから直接聞いたりもする。いろんな形で使うから、所有する意味があるし、「マスター」が欲しくなる。レンタルしないこともないが、レンタルして来るのは「もう売ってない」ものくらいだ。売っているものは買って来てしまう。

私の例は極端なのかも知れないが、同じように感じている人は少なくないように思う。

<DVDレコーダー>普及進まず 操作の難しさなどで敬遠か

という記事なのだが、この記事で「操作が難しい」とか「著作権保護が面倒臭い」とかという理由が書いてあるが、私はこれは本質ではないと思う。

この記事が元のスレ

の、431とか479とか573とか、このあたりがポイント突いているような気がする。

要するにテレビで出ているものは、1度見れればそれでいいものがほとんどで、それはHDDレコーダで足りてしまっている。DVDにしてまでして残したいものは、そうそうない。またそこまで価値があるものは、DVDが出て来る。操作云々よりも、消費者にとってはあまり用がないものだったというだけ。

ビデオの時代、一生懸命ビデオ撮ってた奴等って、たいてい「時差」のために撮ってたはず。それ以外は本当に好きな番組の保存用だった。今は「時差」はHDDが、「好きな番組」はセルやレンタルのDVDがしてくれているから、何も自分でDVD録画なんてする必要がない。つまり、

元々必要でない商品

だっただけだ。

コピーワンスは確かに面倒だし、厄介事の元であるが、それがなかったところで、DVDレコーダが売れるようになるとは思えない。操作が面倒なのことはあるし、私も多分操作できないと思うが、それを克服したところで売れるようにはならないだろう。DVDレコーダが売れないのは、映像メディアの本質的な性質によるものだからだ。

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