【QUORA】たくさん作ると美味しくなる、と言われているのは、なぜですか?

たいした話ではないが、世間では誤解の多い問い。

月に1回、教会の昼飯を作ってます。約40人分です。

普通の家庭料理と比べると、この量を作って「美味しく」なることはあまりありません。家族分だったら美味しいものでも、これくらいの人数分となるとなかなかに難しく、美味しく作るのは大変です。友達の料理研究家(専業)も、「美味しく作れるのは10人分くらいまでよ」と言ってます。つまり、個人的な経験でも、プロの意見でも、「たくさん作ると美味しくなる」ということはないと言っても良いです。

他方、「御飯を炊飯器で炊く」というごく簡単なタスクでも、少人数分だとあまり美味しくなりません。私は会社で小腹が空いた時にちょこっと何かを作って食べることもありますが、だいたいに味つけが雑なものになってしまいます。鍋とか一人用はあまり美味しくありません。

とか考えると、「たくさん作ると美味しくなる」のではなくて、どうやら料理には「適性量」があって、それより少なくても多くてもあまり美味しくならない。普段少人数分しか作ってなくて適性量に至ってなかった人が、たまに適性量に近い量を作った時に美味しく感じたという話なんじゃないかと思います。

じゃあ、その適性量を決めるものは何かと考えると「火の通り方」の要素が一番大きいように思います。少量過ぎてすぐ火が通るものは、だいたい火が通り過ぎになりがち。逆に量が多過ぎると、焼きものでも中の方は煮物と大差ない感じになったりします。また、料理は火の通り具合でも味でも、全体が均質になっているとイマイチ美味しくなかったりします。量が少ないと、どうしても「ムラ」がなくなってしまいがち。量が多いと「ムラ」があり過ぎたり、それを避けようとすると全体に火が通り過ぎていたり。

味については、量が多いと味がつきにくいせいで、薄くなり過ぎたり濃くなり過ぎたりしがちだし、量が少ないと量がシビアになったりします。その辺が楽な分量というのはありますね。ただしこれは、自分が普段作っている量が一番「勘」が働きやすいというのもあって、多いとどう少ないとどうということでもなかったりします。