【QUORA】オープンソース活動に参加するには

IT技術者です。OSS (オープンソースソフトウェア) 活動に興味はありますが難度が高い気がします。最も手軽に始める方法は何でしょう? (英語はできないのでドキュメント翻訳とかは無理です…)

いろんな人が答えているのだが、(私の回答時点では肝心なことが書かれてなかった。

私の回答は以下の通り。

  1. まずgithubのアカウントを取ります。
  2. 何か適当にプログラムを書きます。なるべく自分の書きたいコードを書くべきです。
  3. 適当にライセンスを選択します。最初はよくわからないでしょうから、コイントスして、表が出たらGPL3、裏が出たらBSDにします。
  4. githubにpushします。

難しいことを考える必要はありません。基本はこれだけです。

多分、誰もcloneしてくれないでしょう。誰も使わないでしょう。気にすることはありません。そうやって、とりあえずネット上に自分のプログラムを置いて行くことです。それが全てのスタートです。

「OSS活動に参加する」という話になると、すぐに「有名OSSのコミッタ」みたいな方向に考えがちですが、初心者にそんなこと無理無理無理無理無理無理です。また、それを上手くやったところで、私みたいなのから見れれば、

他人の尻馬に乗っただけだろ?

とか言っちゃいますよ。もちろんそれはそれで尊い活動ですし、何よりも「役に立つ」ことですけど、別に「OSS活動」は直接役に立つ活動である必要はありません。それよりも大事なのは、

とにかく世間に流れるソースコードを増やす

ことです。ゴミだろうが「ウンコード」だろうが、構いません。とにかくソースを公開するのです。綺麗に書かれた誰かのコードのforkをgithubに置いておくことより、オリジナルのウンコードをpushしましょう。

英語? どうでもいいです。ドキュメント書きたかったら日本語で書けばいいし、面倒だったら書かなくてもいいです。どうせ誰もcloneしてくれないですから。

そのうち、どこかの物好きの目に止まる時もあるかも知れません。ブロークンな英語でメッセージが来るかも知れません。その時はGoogle翻訳を駆使するなり何なりすればいいです。そして、何か指摘されたら「ありがとう」と言いつつコードに反映させて行きます。

もうちょっと反応が欲しければ、自分のブログにあれこれ書いてみると良いと思います。githubには大量のコードがあって同種のコードもいっぱいあってビビるんですが、githubに置いてあるコードの98%は「存在すら公表されてない」のですよ。知らんけど、実感としてはそんな感じ。多分99.8%とか言っても嘘じゃないかも。

あるいは「こんなウンコードをgithubで発見したwww」とか晒されるかも知れません。やったね。これであなたも「OSS芸人」への道に一歩進めました。「OSS活動」に決まったゴールなんてありません。芸人認定されたら、芸の道を極めてみるのも良いかも知れません。

何かの間違いで、いっぱいcloneされていっぱい「ぷるりく」が来るかも知れません。それをどうするかは、あなたの自由です。一生懸命追従してもいいし、スルーしてもいい。何しろあなたはそのコードの

創造主

です。生与殺奪、全ての権利をあなたが持っています。あなたはそのコードの世界では、文字通りの「神」なんです。

もしかして、その態度が気に入らないと思われて、誰かがforkしてしまったとします。いいじゃないですか。それでこそ「OSS活動」なんですから。オリジネータとしての名誉? あなたそんなもの欲しいとか質問してましたっけ?

イベント行くとか、地方だとダルいだろうし、そもそも「OSS活動」してるような奴がそんなにコミュ力あるとも思えないし(凄くコミュ力のある人もいるけど、それはあくまでも例外)。

みんな、他の回答者も含めて忘れちゃってることなんだけど、

ソースを公開する

ことこそ「OSS活動」だし、それ以外のことはみんな「つけ足し」でしかないの。もちろん「つけ足し」とは言え凄く大事だし、太古のそういった活動では無視されがちだったから、「僕等(まさに僕ね)」がそういった「コードを書かないOSS活動」ってことの大事さを説いて来たのだけど、それでもやっぱり「OSS活動」の一番の「キモ」はソースを公開することなのよ。

以下は補足

もうこういったことは「過去のこと」になってしまっているけど、太古のこういった活動(全部ごっちゃにして)には

ハッカーにあらずんば人にあらず

みたいなのがあった。つまり、「コードで語れ」という文化である。

Linuxが出始めた頃もそうだったのだが、かなり早い時期にそれが崩れてしまった。その辺は私の過去の著作にいろいろ書いている。

つまり、「こういった活動」は

Linux以前とLinux以後

では大きく性質が異なっている。極端な言い方をすれば、「OSS活動への参加」とは、

コミュニティーに参加すること

みたいな感覚があったりする。

まぁそれは間違いじゃないし、上の回答でチラと書いているように、「コードを書くこと以外の活動」は大事だし、その大事さは実に

私が説いて来た

ことでもあるので、間違いだというつもりはない。しかし、やはり一番大事なことは

ソースを公開する

ことである。そして、技術者にとってはそれが一番簡単でハードルの低いことなのである。

まぁ、この辺を語ると長くなるし、他のエントリを見ればだいたいわかると思うので、ここでは長々とは書かないでおく。