週刊誌は廃刊せよ

最近は東京にいることが多く、移動の時には電車である。私は電車の中で本を読む習慣はないので、乗ってる間は吊り広告を見ることにしている。だいたいが週刊誌は吊り広告以上の内容はないので、吊り広告だけ見ていれば情報的には十分である。

そこで気になるのは、これら週刊誌がいかに

他人をいじめてネタにしているか

である。特に思うのは、

強いものイジメ

である。

今日見た例で言えば、週刊読売の、

ズルイぞ、光通信・重田康光サン
株高値売り抜けで700億儲け、税7億円ぽっち

というものと、アエラのサーバーエージェントが電通に詫びを入れたという記事である。

前者をよく考えてみれば、別に

重田氏が悪いことをしたわけではない

単に自社株を売って儲けた。税制の関係で儲けた額のわりに税金が安かったというだけのことであり、彼が脱税したというわけでもなれば、何か抜け穴をつかったという訳ではない。単に

株関係の税制がタコだった

だけであり、彼はそれの恩恵にあずかっただけである。彼程の経営者がそれくらいのことに気がつかないのは、むしろそっちの方が問題であり、そうやってうまく節税出来たところで、彼がそのようなことを言われるスジアイなぞまるでない。単に、ネタにされただけである。

後者にしても、単にビジネスの上であることなのだから、早い話が、

仕入担当者がヘマをやった

という話とどれだけの違いもない。普通の感覚で言えばこういったことは、

雑誌の記事にする方がおかしい

ことでしかない。

まぁ確かに彼等は成功者である。我々からすると、「そんなに金あっても使う暇ないでしょ」と思う程の金がある。まぁ確かに

うらやましい

と思わないではないが、別に私が損をしたわけではないし、別に彼等とシェアの奪いあいをやっているわけでもないので、彼等が儲けただけの話であれば、だから、そんなことは

どうでもいい

ことである。まぁ確かにヤジ馬的興味がないとは言えないが、彼等は今のところ成功しているのだから、正当に書かれるべき記事はあくまでも

成功体験

である。この成功体験にしても、同じことが我々に出来るわけではないのだから、これと言って参考になることは少ない。彼等のヘマは今のところ株価がイマイチになったという程度のことしかネタとしてはなく、それにしても

勝ち負けは武家の常

なのであるから、事実とか事実関係に興味はあっても、ゴシップ的な扱いで色着けされる必要はない。そのようなことで何かあっても、

雑誌で叩く

ような類の話ではないはずだ。

しかし、そのようなことがネタにされるということは、つまりはこれらは売れるネタだと認識されていて、ネタにしているということである。

しかし、考えてみれば、日本のような平和な国に毎週あれだけページ数の、あれだけの数の雑誌が出るだけのネタがあるだろうか?ありもしないのに、発行するというノルマだけがあるから、こういった

無理やりのネタ

でページを埋めるしかないわけである。つまりは、

ネタがないからピカツーでもいじめっかぁ〜

ということであって、これらは、

学校がつまらないとイジメをやるガキ

と次元としては同じである。

別のことを考えてみよう。これらの記事の多くは、成功者の穴を責めようとする、いわゆる

強いものイジメ

である。よく、

「弱いものイジメはやめましょう」

とは言うが、それは別に強いものをイジメていいということではない。さらに言えば、強い弱いは相対的なものであり、いくら金持ちだと言っても、「発言力」とか「社会的影響」とかで言うなら、マスコミの方が上である。つまり、

マスコミのやるイジメは全て弱いものイジメ

なのである。

つまり、これら週刊誌は

自分達の存在のために弱いものイジメをしている
卑怯な連中

なのである。そういった意味では、これら週刊誌がイジメの問題を記事にするということは、

泥棒が泥棒を非難している

ことと等価である。よく週刊誌に

日本では出る杭は打たれるから云々

的なことが書いてあるが、それこそが週刊誌のやっている行為である。イジメにしても、週刊誌的体質が無関係であるとは言えまい。そのような害毒を撒き散らすような雑誌は、さっさと廃刊にするべきである。イジメの元凶は彼等にもあるのだから。

そういった観点で見れば、アエラ、週刊ポスト、週刊読売、週刊文春、週刊新潮と言ったような、いわゆる「正統派ジャーナリズムです」といった顔をしている週刊誌は、

エセ正義

でしかない。それよりも、アサヒ芸能、週刊実話と言ったような、

「俺達どうせイロモノ雑誌だぜ」

的な顔をしている週刊誌の方が、下手なオピニオンを持ってないだけいいように思う。彼等はつまらない正義面をしてないのだから。

それはともかくだ、お前達そんなくだらないことしていて、

楽しいか?

いや、まぁ楽しけりゃ他人の楽しみまでとやかく言う気もないが…

PS.

2002年2月16日こーゆーせりふを発見した。

「週刊誌の作り方知ってるかい? 強きをけなし弱きをわらう。勝者のアラさがしで庶民の嫉妬心をやわらげ、敗者の弱点をついて大衆にささやかな優越感を与える。これが日本人の快感原則にいちばん合うんだな」
「卑しい国民だ」
「だから独裁者も革命家も出現しないんだよ。いい国じゃないかまったく」

確かにそうだ…