今の会社を作った頃から、随分と長く不眠に悩まされていた。

最初は単なるストレスだろうとか思っていたのだが、いっこうに良くなる様子がない。

不眠と言っても睡眠が不要になるわけじゃなくて、眠りたいのに眠れないわけなので、身体はなかなかに辛い。昼間はコーヒーを飲んで無理やり起きて、夜は不眠に悩むという状態になっていた。

眠剤の類を飲んで寝たりもしていたのだが、効く眠剤は持ち越しが発生して寝起きが悪くなるし、そうならないように量を加減すると寝付きが悪い。そのうち面倒になったことと、一人仕事の気楽さもあって睡眠時間を遅い方にシフトして行くようになった。ところがそうなると今度は人と会う時に厳しかったりする。

ある時、何かを読んだからだと思うが、「もしかして昼間のコーヒー？」と思って、昼間コーヒーを飲むのをやめてみた。そうすると、嘘のように寝付きが良くなった。つまり、不眠症とかそーゆー類でもなければ、ストレスで眠れないせいでもなく、単に

コーヒー

のせいであった。

実は私は元々コーヒーでは目が冴えたりしない方で、と言うよりもコーヒー飲むと眠くなってしまう方だったので、コーヒーは単なる飲み物でしかなかった。だから、「飲む時間」的なことを気にしたことはなかった。

コーヒーと言うかカフェインは、神経を刺激する。それで一般的には「コーヒーを飲むと目が冴える」とか言うのであるが、これは実は表面的なものらしい。「自律神経」には2系統あって、興奮すると覚醒する側と鎮静する側とがあるのだと。覚醒する側が興奮すると、目が冴える。故に、こっちにカフェインが効くと目が冴えるわけだ。ところが、カフェインはどちらの神経も刺激する。だから、鎮静する側の神経を刺激してしまうと、反対に眠くなる。つまり、コーヒーを飲んで目が冴えるのも眠くなるのも、「神経を刺激」という意味では同じであるし、感受性という意味でも同じで、単にタイミングの違いだということらしい。そう言えば、コーヒー飲んで眠くなってた頃、しばらく我慢してたら目が冴えてたわ。

まぁそんなわけで、「不眠」に悩む人で、昼間コーヒーを飲んでいたら、やめてみたら良いかも知れない。案外それでケロっと治ってしまうかも知れない。それでも治らないようなら、医者に行けばよろしい。

今でも、だいたい15時過ぎてからコーヒーを飲むと寝付きが悪くなる。コーヒーならまだわかってるから良いのだが、これは

抹茶アイス

でも同じことが起きるので、注意した方がいい。回転寿司の自分で入れるお茶も、相当な危険物である。