ちょっとした心の迷いで見てしまう。
昔、「無線と実験」で金田明彦氏が「音楽ものの映像なんて見るもんじゃない」という話を書いていた。環境映像ものではなくて、楽器を演奏している映像のものについての話なのだが、曰く「曲とシーンが合ってない」からだという。各奏者の「見せ場」がなぜか撮れていないことがあるので、見ていてイライラするということらしい。そのこともあって「音楽DVD」なるものは避けていたのだが、つい… で、やっぱりダメだった。
2部構成になっていて、後半がクラシック系、前半がポップス系だ。
後半のクラシック系のところは、多分オフライン編集をしたのだろう。画と曲は合っている。ドラが鳴る前にはドラが映り、ソロや旋律のパートにはそこが映る。
いけないのは前半、特に「アフリカン・シンフォニー」だ。画と曲がまるっきり合ってない。パーカッションで始まる曲だから、そこからスタートするかと思えばそうではないし、トロンボーンが「ぱぉ〜ん」と鳴るところではなぜかホルンが映る。という具合にことごとく期待を裏切られる。
前半は見たところオンライン編集なのだろう。オンライン編集は「ライブ感」があって良いのだが(だから後半はちょっとライブ感に乏しい)、ミスが許されない。まぁ主に音のものであるから、多少のドジは許されるし「困った時のティンパニー」という手もあるし、指揮者をディレクタ代わりにスイッチするという手があるのだけど、それにしても編集が曲を知らな過ぎ。リハの時にシーン決めとけよと思うのだが、もうまるっきりダメだ。殺意さえ覚える。
とか書いているうちに、照明も気になって来た。工夫のまるでない点けっぱなしの照明のようだ。まぁコンサートだから、あまりあざとく演出するのもどうかと思うが、「遊び」のあるところにはそれなりの照明もしなきゃいけない。void No.2^H^H^H^H^H^H^H^H^HマンボNo.5はせっかくコスプレやったり踊ったりしてたんだから、ムービングライトでノリたいところだ。まさか「みなとみらいホール」にはないってこともあるまい?
やっぱり「音楽DVD」は見てはいけないもののようだ。
それもさることながら、なんでチューバを映さないんだ! あれは重くて苦労するわりにロクな出番もないから、地味なんだぞ。最後の曲は観客参加で、楽器持参の人が一緒に演奏している、チューバ持って来たツワモノもいるわけで、映してやれよーーー。