教会御飯(2) 親子丼

いきなり(2)で、(1)はどーしたとゆー話があるのだけど、(1)は細かいレシピを忘れてしまったので、また再現出来たらということで、2回目の話。

実は1回目の時は、「鶏スープのあんかけ」的なものを作っている。それは基本は塩味だったので、今度は醤油味にしてみようと。毎回同じ味付けも芸ないし。

親子丼は簡単に作れる。

親子丼の手軽さは異常www

これをそのまま作ってしまっても良いのだけど、このレシピだと

  • 「麺つゆ」を使う(手作り度が低い)
  • 「麺つゆ」は既製品なので、コストが上がる
  • 「麺つゆ」は既に味が薄いので、運ぶものが増える

という点で嬉しくない。そこで、この部分を

かえし

を使うことで解決をはかる。つまり、まずは「かえし」を作る。

「かえし」のレシピはいろいろあるのだけど、今回は醤油、味醂、酒を使う。比率は、5:1:4くらい。使う量は2人前で50mlくらいでいい。つまり、相当に味が濃い。

酒は和食にとって万能調味料なのだけど、そのまま使うとアルコールがあって良くないので、煮切る。必要量の2割増しくらいを鍋に入れ、煮立てる。沸騰を始めたら火をつけて、消えるまで煮立てる。別にアルコールを飛ばすだけだから、火まではいらない気もするのだけど、火をつけないとアルコール蒸気がどんどん出て酔っぱらうし、火があるので結構危険だ。まぁ、火をつけてみれば「危険」の意味はわかると思う。油断して火がつくより、安全なところで自分で火をつけた方がいい。

火が消えたら、そこに味醂とか醤油とか入れて煮立てて、冷ます。本当は寝かしたりすると良いらしいのだけど、あんまり難しく考えなくて良い。

味醂は高くて… と思ったら、砂糖を使う。味の微調整も味醂だとアルコールが入ったり全体の嵩が増えたりするけど、砂糖ならそんなこともないので楽だ。

鶏は30人分で2kg。まぁこれもだいたいの見当なのだけど、「2人分が鶏ムネ半分」くらいに思っておくと、だいたいあってるようだ。2kgだと、だいたい8枚くらい入っている。

この鶏ムネを、叩いて柔らかくする。うちではウィルキンソンのジンジャエールの瓶で叩くのだけど、別に何でもいい。肉叩きがあれば、それを使うと良いと思う。皮はいろいろあって面倒なので、取ってしまう。叩き加減は、肉の弾力が減って叩きやすくなりだしたなーくらいのところで。

叩いた鶏ムネは、適当なサイズに切って「かえし」に一晩漬けておく。「かえし」の量はそんなに大量ではない。これは下味がついていれば良い。「適当なサイズ」はまぁお好みで。親指の先くらいの大きさにしておけば、分ける時に楽だと思う。叩いてあるとは言え鶏ムネは硬くなるので、あまり大きくしない方がいい。

準備はここまで。ここで作った、「かえし」と「鶏ムネ」を運ぶ。

親子丼だけでは寂しいので、つけあわせを考える。ちょうど大根が安かったので、これを使うことを考える。あれこれ考えられるのだが、今回は

塩をまぶして置いておく

というだけの調理にした。と言っても、数日(今回は2日置いた)置くので、軽い漬物だと思ってくれると良い。作り方は簡単で、大根を銀杏に切って、塩をまぶして鍋とかに入れて放置するだけだ。塩は大根の目方の3%くらい… とか考えると面倒臭いので、「切った大根に軽くまんべんなくついている」くらいの見当でいい。

これが1日で軽くしなっとなり、あとは日を追う毎に柔らかくなる。その分塩気も染みこむ。おそらく気温とか大根とかでいろいろ変わると思う。

大根の水分は相当出て来る。これは特に何もしないで、そのままにしておくといい。余裕があれば味見して、塩気を加減してみるとかしても良いだろう。この水分は「大根エキス」なので、何かに使うと良いのだけど、うまく使い道を思いつかなかったので、後で大根を加えて冷蔵庫に入れっぱなしにしておいたら、いい感じに酸っぱくなってくれたので、「漬物の汁」ということで良いかなと。まー、これは今回は関係ない。

水気は運ぶと重いので、大根だけ取り出して運ぶ。

当日は、まず、タマネギのスライスをする。分量は2人分で半分あれば良いだろう。ハナマサだとこれも8個くらい入った袋を売っているので、これを持って行く。ただし、ゴミを運ぶと重いので、家でヘタ取ったり皮剥いたりしておく。スライスにして運ぶと楽かも知れないけど、電車で運ぶのはアレなので、スライスは現場で。

肉とタマネギスライスはあれこれ考えないで、そのまま鍋に入れて、軽く炒める。タマネギに軽く火が通った感じになったら、「かえし」を入れてそのまま煮る。加える量は前述のように「2人前50ml」が目安なのだけど、味とか見ながら適当に調整すると良い。味が濃い「かえし」なので、控え目にした方がいい。「ひたひた」よりもちょっと少ないかなーくらいでいい。これが煮えた感じになったら、第一段階は終わりで、ちょうど礼拝の時間なので、火を止めておく。

「出汁は?」という声もあるだろうが、鶏ムネがかなり強力に味を出すこと、タマネギもかなり強力に味を出すこと、「かえし」の中に酒が入っていること等で、あえて何も入れる必要性はない。薄味だと、出汁の意味もあるのだけど、今回作った親子丼は「スキヤキの残りに玉子入れました」的なものを志向しているので、あまり出汁も利かない。それよりは、素直に素材の味を引き出した方がいい。

礼拝が済んだらダッシュで台所に行き、溶き玉子を作る。溶き玉子を一度に大量に作ると扱いが面倒臭いので、せいぜい一度に10個くらいにしておく。1人分の玉子は1個。「物足りないでは?」と思う人は、玉子を大き目のにしておくといい。ハンパな個数にすると、計算とか面倒だし。食べる人食べない人がいるので、あくまでも目安だけど。

鍋にある鶏とタマネギと「かえし」を煮詰めたものを、少し取って(5~10人前くらい)別の鍋に移して火にかけ、煮立ったら分量に見当った溶き玉子を加え、ちょっと待つ。半熟くらいになったら、皿によそった御飯にかけると出来上がり。これを人数分繰り返す。

ここで「少し取って別鍋」というのは、全量に全量を加えると、量が多くなり過ぎて扱いにくいことと、もしかしたら玉子アレルギーの人がいると食べられなくて気の毒なので、少しづつ作るようにしてみたのだ。まー、結果的にはうちの教会には玉子がダメな人はいなかったので、調理の都合だけのことになったのだけど。玉子はすぐ固まるので、「鍋一杯の茶碗蒸しもどき」を作らないためにも、小分けにしてやった方がいい。

「1人分」は、お玉1杯が目安。時々でっかいお玉があるのだけど、そういったのはあまりこういった「修羅場」には向いてないので、リプレースを考えた方がいい。

あと今回はちょうどもらいものの「木の芽」があったので、それを載せてみた。木の芽を使う時は手で叩くということになっているのだけど、分量が多いのでまないたの上に置いて、その上を箸を転がした。これをパラっという感じでアタマの上に載せると、なんとなくいい感じw

このようにすると、鶏ムネでもそれなりの親子丼が作れる。軽く漬けた大根は、味濃い目の親子丼の口を休めることになって嬉しい。まぁ、地味な気遣いなんで、気がつく人は少ないだろうけど、ムダではない。

実は個人的には今回は失敗をしている。それはここに書いてない部分なのだけど、原因は醤油だ。

実は、御飯係になっている前の週は、自分のところでテストを繰り返している。分量が分量だし、やり直しが出来ないので、極力「気分」とか「目分量」を排除するためだ。今回ももちろんそうやった。

ところが、本番の「かえし」を作る時になって、醤油を変えてしまった。実験の時は私の実家から送って来た(つまり島根産)醤油だったのだが、本番ではハナマサの醤油を使った。冷静に考えれば、醤油が違えば味もまるで違うのだけど、うっかりやってしまって「かえし」を味見した時に、「なんかおかしい」と気がついた。とは言え、今さらどうにもならないので、味醂と酒を増やして味を調整することに。

つまり、いかに再現性を上げるために、分量を書いても、醤油の銘柄が違うだけで味は大きく変わってしまう。なので、ここでは一応比率や分量を書いたのだけど、実際には

やってみないとわからない

部分がある。私がレシピに正確な分量書かないのはそのため。そこで再現性を求めるのであれば、本番と全く同じ材料を使ってテストをしなければならない。だから、ここで書いたレシピを見て、「私もやってみよう」と思っても、事前に確認をしておかないと残念なことになるということは留意しておいた方が良い。

家でやるのであれば、タマネギの代わりに長ネギでやってみるのも良い。個人的にはこっちの方が好きなのだけど、ちょっと高いのと切るのが面倒なので、あまり教会向きではないだろう。