「評論家」達の愚

北朝鮮が核実験をやったと言うことで、「軍事評論家」やら「にわか評論家」やらが、喧しい。

しかし、それぞれの言っていること、書いていることを見ると、みんな同じ愚を犯していることに気がついてない。何が「愚」かと言えば、

金正日は狂っている

という前提で書いているということだ。夕刊紙の見出しにある「狂気の指導者金正日」をまるっきり踏襲した意見しかない。この見方を改めない限りは、これら「評論家」はみな「馬鹿まる出し」としか言いようがない。

金正日がどんなに恐怖政治を行おうとも、彼一人で暴走できるほど、あの国の政治状態は簡単ではない。「軍の暴走」という意見もあるが、そんなものが止められなくて、あの国が現在存在しているはずもない。だから、彼は

全て正気で計算の上でやっている

と考えるべきである。

また、現代に於いて、「報道」すら「商売」であることを忘れてはならない。我々は全ての情報を「メディア」を通して受け取るしかなく、それらの 「メディア」はみな「商売」と一体である。また、「商売としてのメディア」が売れるためには、「みんなの期待に応える」ことが重要である。だから、「金正 日は狂気だ」という「報道」ばかりだとするなら、それが「みんなの期待」であり、「そうであれば儲かる」からであることを忘れてはならない。

我々は、つい自分のモノサシで相手を見てしまう。また、「評論家」は、つい評論する対象を自分よりも下に見てしまう。しかし、金正日は日本のどの「軍事評論家」よりも自国を中心とした軍事に詳しく、また「実践」を積んでいることを忘れてはならない。

北朝鮮を「愚かな国」と言ってしまうのは簡単であるし、それでいくらかの優越感に浸れるであろうことは確かだ。しかし、それでこれから起きる事実を見誤ってはならない。侮るのは、彼等が「退場」してからでも遅くはない。

この辺 を見ておくと、いくらか見方も変わるかも知れない。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です