ドンの教え

所要で医師会館に行く。

その帰りに「プロジェクトの陰のドン」に会いに行く。

まぁいろいろ雑談をしていたわけだけど、「最近の名刺の一つ」ということで、某医療機関の「経営補佐役」という肩書のあるものをもらう。曰く「自分はこの肩書は大変気にいっている。なぜならこれは自分の考えに合っているからだ」だそうだ。

ドン曰く、

組織のトップになる人は、その組織の現場を知っている人でなければならない。医療機関のトップは医師であるべきだし、技術会社の社長は技術者でなければな らない。もちろん彼等は経営の素人であるから、事務方の補佐は必要である。しかし、事務方は現場を知っているわけではないから、あくまでも補佐であって、 トップになるべきではない。現場出身者ではなく事務方がトップになった組織は、徐々に崩壊して行く。だから、自分は「経営補佐」というのは事務方として誇 りのある肩書なのだ。

医師がトップをやっていて、仮に1日が48時間あったとする。そうしたら医師は24時間は医師をやり、24時間は経営ができる。しかし、事務方がトップをやっていて1日が48時間あったとしても、24時間医師にはなれん。そうすると、それだけ見えるものが違うのだ。

だそうだ。

「現場の人がトップにいたら、現場の人達の天下、事務方の軽視になってしまうのではないですか?」と問うと、

トップが現場出身であるからこそ、現場に強い睨みが効く。現場の人間は現場の人間の言うことしか信用しないから、事務方が何を言っても現場は言う ことを聞かない。現場から叩き上げたトップであれば、現場のわがままに「わがまま言うな」と言うことができるし、正当な要求は聞くことができる。事務方は 妙に現場に甘くなるか、逆に現場の心を理解できなくて無闇に締めつけるかだ。現場をしっかり統制できなかったら、業務が成り立たん。

また、

だから見ていてみろ。事務方がトップになったメーカはいずれ弱体化して行く。急にはそうならないが、徐々にそうなって行く。

数字がどうこうよりも、トップは統率力なんだ。数字なんてのは事務方に任せてしまえばいい。それよりも現場をしっかり統率することが大事だ。「本業」のわからない奴が「本業」はできないだろ?

確かに、経理出身のトップのメーカはロクなことになっていない。財務状態は良くなってもメーカとしてガタガタだったりする。

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