「イジメをなくそう」的スローガンが増えているが、イジメは絶対になくならない。
なぜなら、それは一種の生存本能に根差すものだからだ。理性的に考えれば、イジメなんてしてもしょうがない。なぜなら、一瞬の快感があるだけで、 直接的に自分のポジションを良くする効果は何もないからだ。まぁせいぜいイジメてる対象から搾取したりするくらいで、せいぜいその程度だ。
しかし、「生存本能」という観点で見れば、「下のものを蹴落す」ということは、自分のポジションを直接的には良くはしないが、間接的には良くす る。「弱い種」は滅びるというのは、遺伝子に組み込まれた淘汰のメカニズムだからである。早い話が「弱肉強食」という原理からは逃れられないということで、その発現がイジメなのだ。
だから、「イジメをなくそう」的スローガンは意味を持たない。罰則もない決まりやスローガン程度では、本能を抑えることはできない。もしそういった方向で解決がしたいのなら、罰則付きの規則を作るべきだ。あるいは「イジメると損をする」何かを作るか。
という話は実は前フリでしかない。
「イジメは本能」であるから、今も昔もイジメはある。私がガキの頃にももちろんあった。ただ、当時のイジメと今のイジメでまるっきり違うなということがある。
当時、イジメは遊戯の一種だった。遊戯であるからには面白くなければ意味がない。なので、イジメの対象は「最下層」ではなくて、「そのちょっと上」あたりの奴だった。「最下層」の奴は存在そのものがイタいし、イジメていてもイタい。しかも、簡単にイジメられる。だから、面白くも何ともない。だから、「最下層」の奴はイジメの対象ではなかったのだ。イジメられてる奴は、「最下層」の奴を見たりイジメたりすれば精神的バランスは取れるし、「最下層」 の奴は大勢にイジメられるわけでもなかった。
今時のイジメは、もっと本能に根差しているらしく、「上」の奴を引きずり降ろすようなものもあるらしい。とは言えこれは例外に近く、たいていは「最下層」の奴がイジメの対象らしい。簡単に言えば「イジメやすい奴をイジメてる」ということだ。
「最下層」の奴がイジメられているから、イジメられてる奴は「下を見る」ことで精神的バランスを取ることはできないし、「自分以外の全員」がイジメて来る。だから逃げ場もない。だからいろいろ追い詰められるのだろう。
私? あーイジメなんてしなかったよ。だって「自分よりも下」が圧倒的多数なんだから、反撃が怖いじゃん B)