「マスメディア」が流行らなくなった理由の一つ

まー、あくまでも「一つ」だと思うので、いかにもブログにありがちのタイトルにはしないんだけど。

八木啓代さんと飯を食いに行った時に、

「ヤクザと外国人に人権はないと教えられた」 元検事が暴露した驚くべき「新人教育」の実態

の話になった時に気がついたこと。

リンク先の記事は古い話(ホリエモン収監の裏番組)だし、八木さんはまぁ古いお付き合いの方ってことで、この辺の話の詳細はどーでもいーこと。まぁ、「なんかあった」くらいの理解でいい。ただ、八木さんは件の「番組」にいろいろ関わりがあったので、いろいろ裏話が聞けたわけだ。ここではそういった「裏話」そのものはどうでも良くって(まぁそれ自体も面白い話ではあるんだけど)、問題はこの「番組」の存在にある。

実はこの「番組」は関係者に周到に準備された「とっておきの特ダネ」として作られたものらしい。もし記事に出来れば、新聞でもテレビでも、確実に「数字」の取れる「特ダネ」だったのだ。

ところが、これは「ニコ生」として流されてしまった。それは、まーいろんな事情とかあっただろうことは想像に難くはないけれど、とにかく結果としてマスメディアに載ることは出来なかった。ネタとしてつまらなかった話ではない。ちょうど検察バッシングの波もあった時に、「元」とは言え現場の生々しい話として暴露されたものだから、価値がないわけじゃあない。

まー事情はどうあれ、こういった「本当にオイシイ話」がいろいろな事情でマスメディアに流れなかった。本来なら「特ダネ」とかやってもいいし、それを求める「視聴者」は確実にいたであろうものがマスメディアに流れることが出来なかったのだ。

話はちょっと変わるが、もうちょっと下卑た話として、ネットには「なぜマスコミは報道しないのだ」ってフレーズがある。いやまぁそういった話ってのは、たいてい「報道されてるのをお前が知らんだけだし」的なこととか、要するにデマの類だから賢明なマスメディアの記者は避けているとか、事情は様々なのだけど、つまるところ

見たいニュースが見られない

という不満の表明だ。まーあくまでも勝手な不満なんだけど。

件の「特ダネ」も「なぜマスコミは報道しないのだ」も、視聴者の欲求を満たし切れてないという点では同じだ。一番見たい、一番濃い、「ここだけ」みたいな、あるいは「とってもいい話」とか、「重大な問題の暴露」とかそういった、いかにも数字取れそうなものをマスメディアは報道出来なくなってしまっている。

その結果として

一番見たいニュースはネットにある

という状態になってしまった。多少怪しくて裏取りがされていなくても、視聴者の「野次馬根性」とか「情報欲」みたいなものを満たしているのはネットだということだ。つまりそういった「おいしいところ」がみんなネットに持って行かれてしまったのだ。

もちろんマスメディアの記者は、情報を精査して、正しい情報を届ける責務があると思って働いている。そのことは素晴らしいことである。でも、それと同時に、ほとんどのマスメディアは「商業メディア」であって、

ニュース屋

でもあるということは忘れてはならない。どんなに正しいことを言っていても、それが続けられるだけの「ゼニ」を稼がないことには立ち行かないのだ。

とか思うと、実はマスメディアは特に劣化してなくても、今の地盤沈下状態というのは「一番おいしいところ」がネットに奪われてしまったからだと解釈出来るし、そうであるなら、それを再びマスメディアが取り戻すことは不可能だということもわかる。つまり、「特ダネ」の類で勝負しても、多分もうダメなのだ。

じゃあ何をすればいいかってことはわからないんだけどねw

PS.

いろいろ言われる「2ちゃんのまとめサイト」なんだけど、あれがあると娯楽としての週刊誌はもういらなく感じる。確かにくだらないものかも知れないけど、くだらなさで圧倒してしまってるから、週刊誌の出る幕がない。