ぼっちでも使えるSNSを作ってみた

前にこっそりリリースしていたShortplugに、「ぼっちでも使えるSNS機能」をつけてみました。

今までのSNSって、つまりは「友達」がいなければ、また「友達」が参加してなければ、面白くもなんもない使い道のあまりないものだったのですが、これは「自分だけ」でも始められます。

元々、Shortplugは「クラシファイド機能を持ったソーシャルネットワーク基盤」と言いつつ、基盤の部分ばかり作って来たので、本当に使えそうなアプリが表に見えてませんでした。プロフィールがマルチだってことも、使ってこそ意味のあるもので、「何に使って良いかわからない」状態では、なんの意味もありませんでした。

そこで、ShortplugにSNSらしい機能を実装してデモをすると共に、Shortplugの考えるソーシャルってのはこーゆーものだということを提起してみようということで、

関心

という機能を作りました。

「ソーシャルネットワーク」と言うと、つい「人と人」を暗黙のうちに考えてしまうのですが、よく考えるとそれはちょっと狭義なんじゃないかなと思います。自分を中心に考えれば、「友達関係」はもちろんソーシャルネットワークですが、「行きつけのお店」とか、「お気に入りの場所」とかも、ソーシャルなネットワークに含まれると言っても、別におかしい気がしません。「いつもの猫」もそうだし、「欲しいなと思っているもの」も、ソーシャルネットワークそのものとは言えないかも知れませんが、「自分のネットワーク」に含まれてるんじゃないかなと。

また、twitterやGoogle+のような「今どきのSNS」だと、フォローは「一方的」です。相互にフォローしている関係もありますが、それはよく考えてみると「一方向×2」に過ぎません。現実の人間関係だって、双方が同じ関係だと思ってることはあまりなくて、片方は友達と思ってるけど、もう片方向は単なる知人だと思ってるとか、そんなのはむしろ普通だと言ってもいい。「関係」ってのは、基本的にアンバランスなものだと思う方が、自然です。

それを考えれば、別に「ソーシャルネットワーク」の対象が「人」である必要性は実は低いと言えるのではないでしょうか。

そこで、「とにかく何でもいいから関心を持っているもの」ということで、「対象」をまとめてみるということを考えてみました。

この「関心」の対象は何でも構いません。人でも物でも店でも、犬でも。何か関心を持ったものをマークします。マークする対象は、Shortplug上のものでも、外のページのURLでも構いません。あとは、この対象に対しての自分のメモを書いて行きます。メモを公開すればクラシファイドの方にも掲載されます。

同じ対象に対して「関心」を公開している人がいた場合、その「関心」は共有されて見ることが出来ます。共有されれば、まぁいろいろなことが起きるでしょう。もっと情報を掘り下げあうもよし、それをネタに会話(掲示板がつけられます)するもよし、それをネタにナンパしてみるもよし。

ただし、対象が個人のプロフィールの場合は、共有は出来ません。陰口クラスタになっても困りますし、個人情報を漏らしあう場になっても困りますから。その代わり、対象と自分とが相互に「関心」を持っているかどうかは表示されるようにしました。前述のようにShortplugの考えるソーシャルグラフは片方向ですが、片方向×2の状態になっているかどうかはわかります。

これだけだと、まぁソーシャルブックマーク+αに過ぎません。

ここでさらに、「関心の対象となっている人」が「関係アドレス(連絡先)」の共有を許可している場合は、その人の「関係アドレス」を見ることが出来るようにしました。住所や電話番号といった「教える人を選ぶ」それでいて「知っている人は最新が知りたい」ものを、「公式情報」として共有出来ます。この共有のためには「グループ」を設定して、そこに公開します。つまり、連絡先を教えることを許している相手には、常に最新の連絡先が伝えることことが出来るわけです。ですから、「住所変わりました」とか「電話変わりました」といったようなメッセージを送る必要がなくなります。つまり

動的でソーシャルな住所録

が出来るわけです。もちろん共有を許可しなきゃ意味ないですがし、相互に関心を持っていても公開の対象に入れてなければ見えません。

この「アドレス」の類はいっぱい登録出来るようにしてあります。連絡手段等はいろいろあるのが普通ですから。これも、対象が個人でなければ共有指定が出来るようにしようと思っています。

将来的には、ここで「対象」とのやりとりの履歴とか記録出来るようにして、

ソーシャルCRM

といった機能を持たせようと考えています。

さらに、関心の対象が「物」特に「商品」だった場合は、対象となっている商品の価格情報とか広告とかを出せば、「まさしく自分の必要としている広告」が見られるようになって、使っている人も広告を出す人もハッピーになるだろうとも考えています。もちろんこの広告はオプトインにして。頼みもしないのにお勧めされるのは、そもそも私が嫌ですし、求められない広告なんて、広告も嫌でしょう。

こういったものはプライバシーポリシー的にいろいろあるのですが、基本的にここに出て来る個人情報そのものを使ってビジネスする予定はありません。なぜなら、SNSにある人間関係のしがらみを使うビジネスというのは、私にはあまり未来が感じられないからです。てか、そんなことはFacebookなりGoogleなりの方がずっとスマートにやるだろうし、mixiは「mixi年賀状」とかでいろいろ集めてるだろうから、この辺で対抗出来るとも思ってません。そもそも副垢OKにしている時点で、そこにある「個人情報」が本物であるかどうかは、こちらからはよくわかりません。そのつもりがないからこそ、躊躇なく副垢OKに出来たとも言えます。

私はそういった個人情報を応用するより、むしろもっと素朴に

何に関心があるか

ということを使って、本当に欲しい広告を届けることが出来るようにした方が、ビジネス的には飽きられたり嫌がられたりしないだろうと考えています。

また、ここでAmazonにあるような「高度なレコメンド処理」もする予定はありません。これは個人的にAmazonの「お勧め」って

うっとおしい、気持ち悪いし、いらんお世話

だと感じているからです。まるでコンピュータに心の中を見透かされたような、そんなレコメンドをされるのもちょっとなぁと。技術的には面白いでしょうし、人はお勧めに従いたい傾向にあるようなのですが、

高度なレコメンドよりも、友達の評判

の方が購買には有効なんではないかと考えてます。コンピュータに「お勧め」されるより、友達に「いいよー」って言われる方が、ずっとその気になるでしょうし、その方が「ソーシャルらしさ」が有効に使えるでしょう。

まぁ、まだ品質も低いだろうし、動線がうまく出来てないので、どんどん使って下さいと言い切れないのですが現状こんな感じのものになってますと。ユーザ登録も簡単に出来るようにしました。