「コアjQuery + プラグイン/jQuery UI 開発実践技法」

私はあまりJavascriptが得意でない。

いや、しょせんプログラム言語でしかないから書けないことはないし、必要なら書くのだけど、出来れば他人付き合いしたいと思っている。言語仕様あまり好きでないし。

とは言え、今時はそうも言ってられないので、jQueryなんぞを使いつつ書くわけだ。

Javascriptが嫌いだろうと、気に入らない言語仕様であろうと、ウェブ屋をやる限り、避けては通れない。てゆーか、今時だったらプログラム言語を1つだけ覚えるとしたら、Javascriptを置いて他はないと言っても過言じゃない。20数年前、Cが書けるようになったことで、世の中が大いに開けたような気がしたものだけど、今それを簡単に感じることが出来るのはJavascriptだろうと思う。「普通の人」が使う環境でJavascriptが使えない環境なんてないとゆー手軽さ、node.jsとか使えばサーバアプリだって書けるし、ウェブブラウザ以外でもJavascriptを埋め込み言語にしてるものは結構ある。iPhoneだってAndroidだってアプリらしきものが作れる。「1つだけ言語を覚えてゼニにしたい」って言う向きには、都合がいい言語だろう。そんなに難しい言語でもないし。

とは言え、ちょっと前まではJavascriptは「互換性」とゆー厄介な問題があった。言語仕様の互換性よりも、実行環境の互換性。もっと具体的に言えば、ブラウザ毎にオブジェクトの仕様が微妙に違う。ちょっと凝ったことをすると、

なんでIEとFirefoxは違う?

とか悩んだもんだ。幸い最近になっていろんなライブラリがその辺を吸収してくれるようになった。非互換の起きそうなものは、ライブラリが解決してくれる。

もう一つ面倒臭かったのが、ブラウザオブジェクトの指定だ。どの形式を使うにしても、長々と書くことになる。長いとtypoしがちなんだけど、走らせるまでそれはわからない。

こんなこともあって、Javascriptは苦手だったのだ。言語仕様が多少アレでも、慣れてしまえばどうにかなるものだけど、「互換性」だの「指定が面倒」だのってのが、学習コストを上げるだけじゃなくて億劫になる。「仕事だからしゃーない」とか思いつつ、渋々書いていたもんだ。

そこにjQueryが出て来てくれて、いろんな問題を一気に解決してくれた。Javascriptのダルいものが、ほぼ綺麗に解決されたのだ。個人的な苦手意識がほぼ全部解決してくれた。

って、前置きが長いな。

でまー、jQueryはありがたいものなんだけど、「今時」のFLOSSの御多分に漏れず、変化は激しいし成書が少ない。せっかく名著でも、微妙に古い版が元だったりする。出た時は最新だったものが、しばらく積ん読しておくと、ソフトウェアのバージョンが進んで残念なことになったりするので、この世界

新しいは正義

だったりする。

ということで、表題の本。

この本は献本で戴いたものであるし、訳者の吉川氏は古くからの友達であるとゆーことを割り引いても、

ちょうどいい本

としてお勧めだ。

この本は「読む本」だ。最初からゆっくり読めば、必要なことが身につく構成になっていて、私のような

プログラムはそれなりに経験があるし、Javascript知らないわけじゃないけど、面倒臭いしあまり使わないから、そんなにバリバリ書けるわけじゃない

という程度の人にとっては、退屈もしないし、チンプンカンプンということもない。そういった意味でちょうどいい。jQueryの解説にありがちな、デザインやエフェクトあたりのことが邪魔になるということもない。

訳は安心の「吉川品質」。彼の訳のいいのは、技術的な間違いがほぼないことと、日本語が綺麗なこと。私は彼がこの本を訳しているとゆーことを知らなかったのだけど、jQueryのことをtweetしてたんで「あら? ウェブプログラマに転身したのか?」って思ってたけど、そうではなかったようだ。技術書の翻訳って、監訳は名ばかりで技術的にどーよとか、逆に技術的には正しいけど妙に技術屋っぽい日本語だったりするのだけど、さすがに彼の訳はそんなことはない。また、訳書にありがちの「原書では最新追従していたけど訳してる間に古くなった」ということも、彼自身の手で解決してある。原書では1.4系で書かれているのだが、

1.6.2までサンプルの確認

がしてあるようだ。その点でも、しばらくは安心して読める。

ただし、この本はリファレンスではないので、リファレンス的なものを求める人や、とにかく急いでるんだ的な人には向いてないんじゃないかと思う。そういった向きには、「jQueryクックブック」の方が向いてるような気がする。

「jQueryクックブック」もリファレンス本とは違うけど、「とにかく○○を××する方法が知りたい」な向きにはいい。jQuery UIの説明もあるしので、忙しい人が1冊だけ持つというのであれば、こっちかも知れない。

また、デザイン系の本ではないので、デザインやエフェクトに関する説明はあまり多くない。その代わりに表題にもあるように

jQuery UI

がしっかり説明してあって、ページにして1/3くらいがjQuery UIの解説だ。

そんなわけで、私のようなタイプの人が「jQueryちゃんと勉強しとこうかね」とか、

通勤電車の中で本読んで勉強しよう

的な用途には「ちょうどいい本」である。巻末にJavascriptのポイントが、本当にポイントだけ説明した20ページ足らずの章があるのもいい。まぁ、本当にディープなところの解説を「忙しい人」向けに書いただけなので、全くの初心者には意味をなさないのではあるけど、そーゆー切り捨て方も気持ちいい。

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This entry was posted on9月 17th, 2011 at 3:02:07. You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0. Responses are currently closed, but you can Trackback..

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