最近子供達の間では、ミニ四駆が流行っている。チューニングがどうこうとゆーことで色々楽しそうである。特に、このチューニングは、
おたく心を刺激する
ので、子供でなくてもやってみたくなるものである。そこで、色々調べてみたのであるが、そのうちにとんでもないことを知ったのである。
それは、
純正以外のパーツを使ってはいけない
というルールの存在である。また、これは結局のところ、
タミヤ以外のメーカの存在の否定
のようなルールがあるのだ。
例えば、モータはあまり馬力のあるものを使ってはいけないのだと言う。確かに馬力競争に走れば、重量が大きくなってコースに悪影響を出したり、やたらにでかい車体を作る奴が出たりして、不都合はあると思う。しかし、そのような規制をするのであれば、
車体総重量
あたりで制限を作りさえすれば、良いように思う。モータと電池の持ちはトレードオフなのだから、適当に二律背反になるようなルールを作っておけば、後はそれぞれがどう考えるかの問題ではないかと思う。逆に割り切った設計として、
レース終了後には完全に空になる電力設計
にすると、なかなか技術的に楽しいと思う。
また、電極の抵抗を下げるとというのも、
技術オタク系親父
の考えつきそうなことであるが、どうもこの辺も
純正以外のパーツを使ってはいけない
ということで、公式戦には使えないものらしい。銀メッキだとか、OFCとかは楽しそうなのであるが、これもダメである。
その他にも、楽しそうなオタク的改造は、ことごとくダメなのである。これでは技術オタク系親父が楽しむことは難しい。単なる消費者になることしか出来そうにないのである。
モータースポーツのF1の競技車両には、色々な制限があるものだそうである。エンジン廃気量だとか、ガソリン消費量だとかは、きちんと規定され、その範囲の中での性能を競うのが、
設計者のF1
なのである。これはレースを単なる馬力競争にするのではなく、「スポーツ」として高めるために必須のものであると言う。確かに技術屋としては、厳しい制約の中での性能競争の方が、
技術の誇示
には向いている。
ミニ四駆の
純正パーツ以外ダメ
は、これに一見似ている。確かに限られたパーツの選択枝の中から、最適なパーツを選び出すのは、技術であるには違いない。しかし、私はどうも
それは違う
と思うのである。確かに技術を要する制約なのであるが、
創造的解決
を困難にする制約なのである。何しろ、自分でパーツを作ったり、タミヤ以外のメーカが事実上存在しないのだから、結局のところ「どのパーツを選ぶか」しか解決方法が与えられていないからである。つまり、F1のように
大枠だけ設定して、実装は各自に任せる
といった類のものではないのである。
結局これは、
未来の技術者の芽を育てる
といった類の創造的ゲームではなく、
底の浅いガキの遊び
に過ぎない。テレビゲームと同じような単なる消費的ゲームに過ぎないのである。