先日すーちかを作ろうとして結局パンチェッタを作ることにした。まぁどちらも「豚肉を塩に漬ける」という共通の工程があるので、その途中からパンチェッタに予定変更しても、結局やることは同じ。まずは豚肉を塩に漬けるところから始まる。
この塩に漬ける工程、随分と塩が必要となる。いろいろ工夫すると塩をケチることも可能なのだが、それでも結構必要だ。私は結局1kgくらい使ったような気がする。と言っても塩は安いもんで、多少いい塩を使っても、ハナマサに売っている程度なら、1kgが100〜300円くらい。なので、「消耗品」と考えて使った後は捨ててしまえば良いのだ。
しかし、どう考えても、いくら安いとは言っても、1kgもの塩を捨てるのはしのびない。そこで再生することにした。
最初は、焼いてみることにした。焼いてしまえば、有機性の不純物はなくなる。ステンレスの鍋に入れてひたすら空炊きする。そうしたらかなり有機物が含まれているので、だんだん変色してかなり黒いものになった。炭素だけが残ったわけだ。もっと高温にできれば炭素を燃焼させられるのだろうが、ステンレスの鍋とガスコンロでは難しい。とは言え、こんな塩はいくらなんでも使いたくない。
そこで次にこれに水を入れて溶かしてみた。液体にして漉過して取り除こうという根胆だ。ところが水に溶かすと… まるで墨汁のように黒くなった。そりゃそうだ。炭素なんだから。
さてどうしたものかと考えて、とりあえず漉過してみることにした。ザルにキッチンペーパを敷いて漉過した。そうしたらかなり綺麗になって、コンソメスープくらいの色になった。電解質の中では非水溶性のコロイドはできにくい。つまり凝集するのでキッチンペーパくらいのフィルタでも漉過可能なのだ。ただちょっと焦げ臭い。それに液体になっているので保存が良くない。焦げ臭いのも気になる。そこで、さらにこれから塩の結晶を取り出すことにした。
「コンソメスープ」のような塩の飽和溶液を、鍋に移して火にかけて水分を蒸発させる。しばらく熱していると、表面に塩の結晶が浮いて来る。そしたら火を止めて放置する。火を止めても勝手に水分は蒸発し、表面に浮いた結晶を核として結晶が成長して行く。
適当に放置してからこの鍋をのぞくと、不純物のむらむらとしたものがある。これを避けつつジャコ掬いの網で塩の結晶を掬い上げる。もうこれでほぼ純粋な塩の結晶だ。これを何度か繰り返して、全部の水分を除いてやる。結晶がデカくなり過ぎれば、また焼けばいい。
まぁこうやって行けば塩は再生できる。そりゃ結構だが、やたらに塩があってもなぁ… 再生対象だけでも1kgあるんだ。