誰得?

「誰得?」って最近の言葉としてはいい言葉だなと思う。

世の中のナンセンスなものを、「それを言ったらおしまいでしょ」的なdisりではなく、サラっと「で、誰が得するの?」という現実的な問い方をする。便利な言葉なんで濫用するとグダグダになるんだろうけど、こんなつっこみをされるようなものは、かなり負けてるよなという感じがする。行政的な馬鹿げたものを批判するのは、結構いいのかも知れない。

最近、「誰得?」と思ったのは、

LEDのイルミネーション

だ。

最近結構見掛けるようになったLEDのイルミネーション。適当な木にクリスマスツリーのようにLEDがぶら下げられている。たいてい青とか白とか。「いろどり」として赤やオレンジが混ざっているけど、基本的に青やら白だ。これをあちこちで見掛ける。前はクリスマス時期の新宿くらいだけだったような気がするんだけど、最近はわりといつでもどこでも見掛ける。千歳烏山の駅前の商店街はずらーっとそんなのがあったし、上野公園にもある。「木」に限定しなければ、それこそどこにでもあると言ってもいい。

これ自体はそう悪いものでもないと思うのだけど、こうあちこちにあると「誰得?」と思ってしまう。

何しろ今やいつでもどこでもある。特に珍しいものでも何でもない。また、だいたいどこのも似ているので、わざわざそれがあるからと言って人が見に来るものでもない。明るいことは明るいと思うんだけど、街灯の代わりになる程でもない。多くは点滅しているので、明るさがあっても街灯の代わりにはならない。イベントな時だけにあるわけじゃないから、イベント気分を盛り上げるわけじゃない。なんとゆーか、

単にあるだけ

でしかない。

「あるだけ」と言っても、電気代はかかるし、メンテナンスも必要だろう。つまり、かかる経費が0というわけじゃない。だから、誰かが得をしなきゃいけないはずなのに、それが見えて来ない。

昔は結構珍しいものだったし、「ハレ」の日のものだったからそれなりにやるだけで価値があった。ところが、今やそこらじゅうにあるから、誰も価値を感じなくなっている。大昔は「町内のテレビのある家に人が群がる」みたいなものが、今や携帯にだってついてて「はぁ?」になってしまったのと、ちょっと似ている。昔は家の外からもテレビが見えるように配置したらしいのだけど、今やそれは「誰得?」でしかない。

最初はそれなりに価値があったんじゃないかなぁと思うと、ちょっともったいない。

誰得?” への2件のコメント

  1. 隣家のクリスマスイルミネーションが、年々派手になっていくので、とっても恥ずかしい。まぁそれだけのことで、実害は無いのだが。

  2. 田舎で眺める夜空は本当に綺麗ですよ。宇宙の果てまで逝ってみたくなる。

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