教えてやる。うどんを打つのは簡単だ!

タケルンバ卿が遊びに来た。今回は「小麦粉オフ」だ。

おごちゃん手料理祭り

経緯はリンク先で。要するにtwitterでそんな話になったわけだ。

いろいろ作ったのだけど、メインはうどん。うどん作りは実に簡単で楽しく、美味しい。

私はほとんど経験がないけど、蕎麦作りは「たいそうなこと」らしい。何やら漆塗りの鉢に作務衣を来た髭オヤジが難しそうな顔をして作り、うんちく垂れながら食わされる。そんなイメージがある。実際、なかなか難しいらしい。って、昔はうちの婆さんが大晦日に打ってたものなんだけど。

それに比べるとうどんはずっとカジュアルだ。うどんにも「たいそうなこと」を言う人がいるようだけど、讃岐あたりに行けば家でどんどん打ってるわけで、そのことから見ても簡単だということがわかる。

ところが、そこで奮起してネットでうどんの作り方を調べると、何やら難しいイメージが。水とか塩の割合が季節によって違うだの、水や塩の分量の精度が2桁もあるだの(レシピで分量が2桁精度あるものは少ない)、なかなかやっぱり敷居が高そうに見える。

はっきり言おう、

うどんを打つのは簡単だ!

ちょっとした道具さえ用意したら、誰でも作れるし、すぐ作れる。しかも美味しい。

うどんはホームメードファクターの高いものの一つだ。「ホームメードファクター」なんてのは私が作った言葉なんだがw 「プロが作ったものを店で買って来るより、家で作った多少下手なものでも鮮度とカスタマイズで、プロが作ったものよりも優位に立てる度合」だと思ってくれるといい。うどんは極めてホームメードファクターが高いし、パンもそうだ。ある種のパソコンなんかもそうだ。こういったものは、買って来るよりも家で作る方が、安くて手軽にいいものが得られる。こういったものを作らない手はない。

わざわざタケルンバ卿が日記に書いているうどん、4人で1.5kgの小麦粉を使ったのだが、小麦粉代はハナマサのものだということもあり、

たった300円

だ。これだけで、盛り上がれるのだから、どれだけコストパフォーマンスが良いかわかるだろう。

さて作り方だ。2〜3人分の量で書く。

小麦粉(薄力粉)を500g。いい小麦粉の方が香りも味も良いのだが、別に難しいことを言うこともない。「開封したんだけど、あんまり使わないんだよね」な小麦粉があれば、ダメになる前にうどんにしてしまおう。

水が220〜240cc。これにヨーグルトのスプーン1杯くらいの塩を溶かす。世の中のうどん打ちレシピはここのところで「夏は〜冬は〜」と書かれていて、何やら微妙な数字が提示されているので尻込みしてしまうのだが、そんなに難しく考えることはない。つーか、家庭で作る場合、

考えてもムダ

なところがある。

実際、うどん生地の水分は微妙っちゃー微妙だ。生地の固さに与える影響は、想像以上に大きい。ところが、小麦粉は自分で勝手に湿気を吸っているから、含水量が違う。これが結構な違いだ。そこに一定量の水を加えても、結局多くなったり少なくなったりしてしまう。だから、逆に気にしないことだ。少なけりゃ柔かい生地になり、多ければ堅い生地になる。それだけのことだ。多少は調整が効くし、そうでなくても気にしなけりゃいい。また、茹で方が違えば、かなり麺も変化する。

これを粉とよく混ぜる。少しずつ何度にも分けて、混ざったら加え混ざったら加えして、全部入れる。

ところが、混ぜた直後はなんとなく水が足りない気がする。そこで、つい追加の水を加えたくなる。当然ながら、それは絶対禁止だ。よく混ぜて捏ねていれば、そのうちちょうど良くなる。

最初は混ぜるようにして捏ねる。多分、水分はムラだらけのはずなので、それを均質にするべく、千切って組み換えたり、水分の多いところに粉っぽいところを合わせたりして、全体の水分を均質にし、粉っぽところがなくなるまで捏ね混ぜる。最初はいろいろ不安になるが、やっているうちに形になって来る。

適当に混ざったところで寝かせる。乾燥しないようにラップ等で包んでおくといい。簡単なのは、スーパーでお肉のパックとか包んでくれる、薄い半透明の袋。大きさもちょうどいい。

寝かせる時間は適当。別に発酵させてるわけではなくて、水分を全体に浸透させるためなので、気温が高ければ短くていいし、短くても大変なことになるわけでもない。昨日は、1つ目は3時間くらい寝かせ、2つ目は30分くらい寝かせたのだけど、違うという程の違いはなかった。厳密に言えば寝かせる時間とのびる時間は関係があるらしいのだけど、そこはホームメードファクターが効いて来る。すぐ食えば違いはない。

寝かせた後に、また捏ねる。さっき捏ねた時とは、まるで感触が違うのがわかると思う。水分不足感はなくなっているはずだ。ただ、水分が不足していると、生地がやたらに堅い。もしそうなってしまったら、この捏ねる時に調整する。

世の中で紹介されているうどん打ちの方法は、ここで「踏む」という工程があるのだけど、私は面倒臭いのでやらない。踏むと生地を床に置かなきゃいけなくて、どうもゴミが入りそうで、その辺に気をつかってしまう。また、力も強くなりがちだ。でも、手で力込めて捏ねればそれで十分だし、固さもその辺に調整してしまえばいい。堅い時には、手に水をつけて、その水分を行きわたらせるように捏ねる。それでも固ければ繰り返し。もっとも、ベストな固さがわからないと調整しても意味がないので、何度か経験してみれば良いと思う。なーに、多少固くても失敗するもんじゃない。

こねたら、後は延ばして切るだけだ。この工程は楽しい。きゃっふきゃっふやってもらいたい。

まず、適当な棒を用意して麺棒にする。これはもちろん麺棒が良いのだけど、別に程々の長さと太さのある棒であれば、何でもいい。私は昔は大型レーザープリンタの消耗品に塩ビの棒が含まれているのを見つけて、それを使っていた。粉まぶしておけばそんなものでも平気だ。

テーブルをよく拭いて、片栗粉を拡げる。これはくっつかないようにするための粉なのだけど、よくレシピには小麦粉と書かれている。でも、小麦粉はくっつきやすいので、片栗粉の方が扱いやすい。

この上で生地を延ばす。最初は麺棒で押しつけるようにして拡げる。そこそこ拡がったら、その上で麺棒を転がすようにして拡げる。さらに拡がったら、麺棒に巻きつけて転がす。この部分、ちょうどタケルンバ卿の日記に画像があるので、そんな感じなんだと理解するといい。

延ばした生地の厚さが、麺の厚さ… なんだけど、茹でると膨らむ。だいたい倍くらいに膨らむことを覚悟しとくといい。だから、結構薄く延ばすことになる。

後はこれを畳んで切る。その時に生地の表面には、しっかり粉をつけておく。そうしないと、切った時にくっつく。小さく畳むと切りやすいが、あまり小さくすると切れやすくなったり、くっつくリスクが上がるので、普通の包丁なら包丁の長さの半分くらいにしてあるとやりやすいと思う。包丁の歯はそりがあるので、その分ちゃんと歯を当てないといけない。また、包丁を引くとくっつく元なので、上から歯を落とすようにする。

切った幅がうどんの幅… なんだけど(ry 5mmくらいの幅で切るのが良いと思う。

切ったら、切った端から拡げておく。切ったままにしておくと、断面がくっついてせつないことになる。また、折れ曲がったままだと、茹でた時に千切れやすい。なるべく延ばすようにしよう。まぁ厳密なもんじゃないけど。

あとはこれを茹でるだけ。たっぷりのお湯を用意して茹でる。時間は12分が目安。そのまま食う「釜上げ」なら10分くらいでいいし、冷やして食う時はもうちょっと長くていい。

麺を投じた時には沸騰が止まるのだけど、その時間は短い方が良いらしいので、最初はガンガンの強火で。その後、吹きこぼれそうになったらちょっと水を入れて、弱火にする。茹で終わる1分前に火を止めて、そのまま1分置いてから、麺を上げる。冷やした時にあまり混ぜると、麺が切れてしまうので、あまりかき混ぜない方がいい。まぁ麺が長けりゃいいかと言えば、必ずしもそうでもないんだが。

麺は水で一度洗う。かけうどんにする時も、一度洗って冷やし、あらためて火を通すものだ。

工程としてはこれだけ。あとは汁でも用意する。初めて作った人は、ぜひ醤油だけで食ってみるといい。「うどん」とか「小麦」がどんな味のものか認識を改めることになるはずだ。

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  1. ピンバック: 無問題

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