ホームページの丸投げはいけないか?

会社の商品を作ったので、その宣伝エントリ。

作った「商品」はいわゆるウェブサービス的なものではなくて、

ホームページの丸投げパック

である。「ホームページ」なるものを敬遠がちな人に向けて、「面倒なことはありません、アナログ情報を丸投げしてくれれば制作だけじゃなくて、運用も更新もしますよ」というサービスを作ったわけだ。

ところが、ちょっとSEO的なことを考えて「ホームページ 丸投げ」でぐぐってみたら、ネガティブなことを書かれたページばかりひっかかった。それを読んでいて、「果してそうか?」と思うと共に「なんか行けそう」とも思ったのだ。

そもそも、私がなんで「ホームページの丸投げパック」ということを考えたかと言えば、

デザインなんてどうでもいいから、
情報はインターネットで公開してくれよ

と思ったからだ。「公開」といってもたいそうなことじゃない。たとえば、ちょっとした宴会をやる時に、「今度ここで宴会ね」というメールを流そうとしたとする。その時に、その店のホームページがあれば、「ここね」ということでURLを貼れば済む。最悪でも「ぐるなび」のURLがあれば、いろいろ説明もつく。ところが、お店によってはそんな情報すらないところが少なくないのだ。このことに、

消費者として不便

を感じたのだ。そう、ホームページはその店のためのものではなくて、実はそこに来る「お客」のためのものなわけである。サービスのキャッチコピーの「ホームページはだれのもの?」というのは、「現代のお店なんだから、頼むからホームページくらい作ってくれよ」という意味でもある。だから、「ホームページ? そんなもんいらねー」とか言う人や、「私はインターネットよくわからなくて」な人にこそホームページを作って欲しくて考えたサービスなのだ。だからこそ「アナログ情報から」であり、だからこそ「丸投げ」なのだ。

ところが、冒頭に書いたように、「ホームページの丸投げは良くない」的な情報にいっぱい当たる。

「ダメだ」と言っている意見は、確かにもっともなように見えるけれど、よく考えるとちょっとおかしい。何がおかしいかと言えば、その意見はあくまでも

タグ屋視点

だからだ。

たとえば、「タグ屋はホームページを作ることは専門だけど、その店のことはよく知らない。だから、お店の思い入れとか伝わらない」的なことで、丸投げを否定する意見がある。確かにそれはもっともに思える。でも、最初に書いたように、「お客」からしてみれば

インターネット上に情報があることが重要

なのだ。思い入れだなんだという以前に、インターネット上に情報がないなんてのは、ないのと同じなのだ。ここを読んでいる人達は、自分の旧友であってもメールアドレスを知らなかったりメールで情報交換が出来ない人は、だんだん疎縁になって行くことを感じてはいないだろうか? つまり、人々の生活の中でネットというものが占める割合が増えて来れば、「ネットにある」ということは、とても重要になるだけではなくて、

ネットに情報がなければないのと同じ

だったりする。だから、「思い入れ」とかなんとか以前に、ネットという土俵に上がってくれないと、「お客」として困るのだ。思い入れが伝わるとか、デザイン的に格好いいとか、そういったことは二の次でいい。まずは情報があるかないかが大事なのだ。「三ヶ月先の格好いいホームページ」よりも「今すぐ見れる必要十分なホームページ」があることの方が、「お客」にとっては意味がある。

そうやってネットに情報を出すところは、ネットに対して素人だ。となれば、下手な口出しをされてもしょうがない。となると、業者としては「丸投げ」をうまく受け止めることが大事だ。客の無知につけこんで、Flashバリバリにして制作費をぼるなんてことはナンセンス極まりないけれど、それはタグ屋が自重すれば良いことであって、タグ屋自らが「そういうことがあるからダメ」的なことを言うのは、泥棒が防犯を説くようなものでしかない。そんな意味不明なことをするよりも、良心的な提案をして、お客に理解して欲しい点を十分説明することの方が大事だろう。

また、他によくある批判として、「丸投げで作ったところで更新が出来なくてアクセスが増えない」というのがある。これも、確かにもっともなのだけど、実はそういった「お店」のホームページは、

アクセスの絶対数はどうでもいい

もののはずだ。そういったところにとって大事なのは、そのホームページを見て、どれだけ実店舗に人が来たかであって、アクセスの絶対数ではない。ここでタグ屋は「アクセス数いくらに対して実店舗来訪確率が云々」みたいなことを言うけれど、だからと言って、アクセス数を増やせば来店者が増えるというものでもない。指標としてはいくらか役に立つが、それはあくまでも指標に過ぎない。間違っても目的なんかじゃない。

同じように「更新しないと陳腐化が」という意見もあるけれど、そういったリアル店舗の基本情報が、そうそう変化するわけがない。せいぜい「日替わり定食」の類が変化するとか、季節毎にメニュー刷新があるとか、そういった程度のことだ。「冷やし中華始めました」を冬場に出さなきゃそれでいい。それなら、丸投げでも困りはしないだろう。

つまり、「更新」されることによってアクセス数を確保するとか、情報の陳腐化を避けるとかということは、ウェブを中心に活動をしているサービスには意味があるけれど、「ネット上の看板と案内」でしかないホームページにとってはほとんど意味がない。「丸投げ」を否定する人達は、そういった「普通の人達」への理解が低いように感じる。「ネットで飯食ってない人達」や「ネット常駐でない人達」がどうネットと付き合っているかということは、もうちょっと理解しておくべきではないだろうか?

まぁそんなこともあって、弊社のサービスとしては「ホームページの丸投げ」を軸としてみた。なぜなら、需要は絶対にあるだろうということと共に、

ぐぐったら否定的な意見ばかり並ぶ

ところに、チャンスがあるように感じたからだ。

まぁこれはこれとして、もうしばらくしたら、次はネットサービスとして立ち上げをする予定。まぁ次も法人相手の商売になるのだが。

PS.

値段とかショボいとか言われたんですが、その辺は「次」に出すものでどうなるかを見て下さい。他社のサービスは当然研究しつつやっているので、そんなに比較劣位なものを作るつもりもないので。この辺については、またそのうちに。

PS2.

いろいろブコメでつっこまれてるようだけど、実にありがたい。いくらいろいろ調べてやっているとは言え、「自分の目」というフィルタを通して見ているのだから、見落しはたくさんある。その辺をつっこまれると、いろいろ参考になる。

ホームページの丸投げはいけないか?” への9件のコメント

  1. 御意。

    もともと「ホームページ作成依頼」というのはそういうものだったはずなんですけどね。お金を出すお客様の側の意識としては。本来。

    もちろん営業時間や電話番号の変更とか移転のお知らせとかは超迅速である必要がありますが、記載に変化がない場合には10年放置でも全く構わない。商売はリアルでやってるのでググって場所や営業内容を確認したら客は店に来る。来るに当たってプリントアウトしてたりすればwebには二度と来ないでいい。店に何度も来てくれればいいだけです。店の場所を覚えたらただ通ってくれればいいんで、リアル店舗なんだからwebなんて最初に来る直前以外は見ない。

    そういう趣旨のwebには「目玉商品をFAXで更新できる仕掛け」なんてバリエーションもあったけど、まあ丸投げをうけて丁寧にやるならFAXから自動でwebに載っちゃう仕掛けにしなくてもいい。手で綺麗なのを作ってその都度載せるんでも、丸投げをうけた側のスタッフがブログ式に更新するんでも。

    客が解らないのをいいことに勝手な物を作って法外な料金を請求する輩が多かったために(そうでない輩がこの業界では少なかったとも言う)おかしなことになっていたわけですが、そもそも専門家が素人から依頼を受けているのだから良心的にベストの物を提供しなくては専門家が職業として存立し得ない。素人が解らないから専門家に頼むわけなんだから、騙しちゃ駄目なんですが、何故だか騙す奴ばかり繁栄して来た。「プロフェッショナルの条件」でも読めば。という感じでした。

    従って素人から見るときっと『何をいまさら』って印象か知れないですね。(^^;;

  2. > 従って素人から見るときっと『何をいまさら』って印象か知れないですね。(^^;;

    うわ。しまった。私もタグ屋視点だったか… 確かに、素人からしたら「え? 違うの?」ですね。

  3. ピンバック: それ図解で。・・・tohokuaikiのチラシの裏

  4. 通りすがりですが。
    いまどきホームページを作ってないような店はネットを一切利用していない人が仕切っています。
    更新情報をFAXで受け付けるだけでは不十分です。なぜなら、現在ホームページがどのような状態になっているか一切確認しないし、できないので。
    毎月ホームページをプリントアウトして郵送してくれるサービスが欲しいです。そこで現状を確認して、赤を入れて返信することで更新ができればアナログな人でも簡単、安心でホームページ管理ができます。

  5. あ、そう言えばそうですね。もっとしっかりアナログしよう。

    いいヒントありがとうございました。

  6. それは要するに、タウンページですね。そりゃ作って放置でも電話帳の更新頻度考えればなんの問題もないハズです。

    とすれば、それで1万とか受けちゃえば、ホントに電話帳が作れますね・・・オンラインホットペッパー?それはもうあるような気もしてきた。

  7. 丸投げがダメとされるのは、要はそれではタグ屋が儲からないからだろうな。というのはうがち過ぎ?

  8. むしろ、丸投げで泣くところが多いから、「善意」で言ってるんだと思いたいですけどね。

    確かに、いろいろつつけば、丸投げ以上に金取れますね。技術があれば。

    ということで、タグ屋が「丸投げはいけない」ってエントリ書くのは、結局一種のポジショントークなんでしょう。

  9. ピンバック: それ図解で。・・・tohokuaikiのチラシの裏

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