塩味豚大根

味噌味鶏大根は全部食ってしまったので、今度は違ったものを。

今回は難しそうな、塩味でやってみる。なぜ難しいかは、本文中で。

今回も試験的なものなので、まだ変えると思う。今回もアドバイス、つっこみ、disり大いに歓迎。

塩味豚大根

基本原理は、鶏大根の類と同じ。

大根の下処理に関しては、「味噌鶏大根」と同じ。今回は全部皮をむくことにした。そのせいか、苦みが少なかった。皮の部分は洗って適当に切って塩もみにして食った。これはこれでおいしいのだが、苦味辛味がいっぱいある。それがまたいいんだが。

豚は適当なブロックを買って来る。今回は「ウデ」が安かった(100g 89円)ので、1kgくらい買う。量がインフレだって? なーに、どうせすぐ食える。ケチケチしない。1kg買っても1000円しないし。

切り方はかなりデカく。画像を見ればわかるけど、大根と同じくらいのサイズになっている。あまり小さくすると、味はよく出るんだけど、すぐバサバサになってしまう。大き目にすると、筋あたりがいい感じにトロトロになる。脂も美味しい。もちろん調理すると縮むので、拳よりもちょっと小さいくらいで。

これに塩胡椒を混ぜてしばらく置く。スープになるので、塩も胡椒も多めにするといい。その方が臭みが減る。あと、ルール違反だけど、ちょっとだけ醤油を入れる。うちはこういったインチキ用に、白醤油があるのだ。もし水気が出るようであれば、捨てる。でも、新しい肉だと多分ほとんど出ない。

放置してる間にお湯をわかしたり、大根の処理をすればいい。水からスタートして下茹で完了まで放置になるわけだ。もし手間があるなら、前の日から準備とかすれば、なお良いと思う。

鍋に少し水を入れてわかす。通常はここは「出汁」を取るのだけど、今回はなし。使うべき出汁は昆布になるところなのだけど、風味が整合しないのだ。上手に出汁取り出来れば、昆布臭さもないんだろうけど。味噌や醤油なら多少昆布臭くでもごまかしが利くんだが、塩では難しい。

湯をわかすのと並行して、肉を炒める。フライパンにゴマ油をしいて… というあたりは、鶏の時と同じ。豚には皮目はないけど、脂の方を先に焼くようにする。

今回はここで「タマネギ」も一緒に炒める。大1個くらいを適当にクシ切りにして入れる。

適当に炒めたら、日本酒を入れる。分量は例によって適当だけど、まぁ1合くらい入れれば良いか。多くて困ることはないので、適当でいい。

タマネギを入れるのは、グルタミン酸の補給のためだ。と言うのも、どうやら日本人(アジア人)は、肉の旨味だけでは満足出来ない人種らしい。旨味にはグルタミン酸が必須なのだ。味噌や醤油だと元々含まれているのだけど、塩にはそれがない。だから、それをタマネギやら酒やらで補う。失敗の覚悟がある人は、タマネギや酒抜きで試してみるといい。味がもの足りなくて、醤油を入れたくなるから。この「醤油入れたくなる」というのは、どうやら本能的にグルタミン酸を求めているかららしい。

タマネギはグルタミン酸を多く含む。だから、塩味系でもの足りない感じがしたら、タマネギを使うと良い。このテクニックは料理全般に使えるので覚えておくといい。同じようにグルタミン酸を含むものに、「トマト」がある。まぁトマトは他の風味が強いので、何にでも使えるというわけじゃないけど。また、和でよく使われる「昆布」もグルタミン酸のためだ。日本人の味覚のためには、他のアミノ酸に負けないグルタミン酸が必要になる。まぁだからアジアで「味の素」が重宝されるわけだな。

まぁそんなわけで、「出汁」としてタマネギを使う。日本酒も使う。日本酒を入れると前回同様に猛烈に沸騰するので注意。アルコールが飛んだ見当で、鍋へ。その後に大根。

前回は注意しなかったのだけど、大根は後から入れた方がいい。なぜなら、大根は上にいろいろ載ってしまって、重みで動かなくなって焦げつきやすくなるのだ。肉は不定形なので、焦げつきにくい。まぁ肉と言えど焦げる時は焦げるので、注意はした方がいいけど。

味を見ながら塩気を調整する。肉の下処理で大量に入れたつもりでも、やっぱり足りない。足りない分は遠慮なく加える。まぁ味を見ながら控え目に。味見して「ちょうどいい」と感じたら多過ぎなので、その手前くらいで。適当に煮たら出来上がり。一度冷ましてから火を通し直すと良いのは、まぁ煮物全般に言えること。

豚は鶏よりも肉が「丈夫」なので、多少長く煮てもバサバサになることは少ない。スジの多い部位ならなおのことだ。スジのトロトロ感もいいし、スープを飲んでも美味しいし、スープは他のことにも使える。

また、塩味だとスープの「耐久性」も高いので、後でいろいろ具を入れて煮直しても悪くなりにくい。これが醤油や味噌には難しいところだ。出汁の出るものをあまり入れると雑味が出て来るのがいけないが、野菜類はたいてい大丈夫だし、肉も鶏と豚なら問題ない。エビは生ならいいけど、干しエビは旨味が多過ぎて危険。その他の魚介はやめた方がいい。