RubyをISO規格に

JISの会議だったので、機械会館に。

そこで、ISO SC22 Plenaryの議事録をもらったので、この辺の人達に興味ありそうな部分を抜粋。ISO SC22とは、言語関係の委員会。そのさらに下部組織で、各言語の規格委員会がある。COBOLはWG4とかFortranはWG5とか。ちなみに、JISも言語規格委員会はSC22と呼ぶ。合わせてあるのか偶然の一致なのかはよく知らない。

ISO規格のある言語としては、もはややるべきことはやってしまった感があり、坦々と作業を続けるということで、特に面白いネタは実はない。その中で無理やり探すと、

  • Ruby規格化についてのpresentation
  • Linuxの規格化について

くらいか。

ISOで新しい規格を作る方法には2つある。それはPASとfast trackだ。他の方法もあるのだけど(つかそっちの方が王道)、そっちは時間がかかるらしいので、今だとこのどちらかになるのだと。今時だと規格にしたいものって、たいてい既にそれなりのドキュメントがある(作る)ということが前提だから。

実のところPASってのが何だか正確にはわからないんだけど(解説きぼん > 識者)、どうやらベンダーやらWGあたりが作ったドキュメントを元にするものと読める。fast trackはISO配下の規格化団体、たとえばJISやANSIが先に規格化してそれをISOとして配布するもの。

Rubyに関してはどちらにするか未定なのだけど、

RubyをISO規格にする

ということについては、SC22の各国委員(参加したのはアメリカ、イギリス、カナダ、オランダ、イタリア、デンマーク、日本)からは好意的であったらしい。C#がECMA、JavaはいまだSunの俺言語、perlはコミュニティ言語の域を出ずという現状からすると、Rubyは王道を進もうとしていると言える。

もっとも、これは「いずれ」ということであって、具体的に何かが決まったというわけではない。あくまでも「方針」を表明して感触を得たということらしい。まぁいい感触だったということだけでも、十分だろう。

何しろISOのある言語というのは、仕様がデカいとか、改訂するのに年単位の時間がかかるとか、レビューすらままならないドキュメントになってしまっているとか、いろいろと柔軟性に欠けてることは否めない(その辺の問題点の指摘も議事録に出ている)。そういったことを考えると、もっと仕様が固定してからの方が成長の芽を削ぐことにならなくていいんじゃないかと思う。まぁその辺を嫌って今時の言語はECMAにしたり俺言語のままだったりするわけで。

Linuxの方は、実はなんでSC22なのかよくわからないけど、一応PASを作ることになって作業はしたけど中断中らしい。結局のところ「ISOの規格の体装」に合わせるのが大変なんだとか。これは他の言語の関係者からもいろいろ言われているらしい。