それでも「IT土方」は必要なんだよ

twitterのある人のつぶやきで思ったこと。

技術者の世界で、SIerやSEをdisるのが流行りらしい。情報教育を十分に受けていない人が「エンジニア」を名乗ることに抵抗のある人、土方のような作業をさせられる人、いろんな角度からdisられている。まぁ私もSIerに絶望した人なので、あまり他人のことは言えないんだけど。

とは言え、disられてばかりってのも気の毒だなぁと思う。

良いか悪いかは別にして、世の中のインフラシステムのほとんどは、そういった「IT土方」によって作られてるんだよ。それは世の中の立派な建築物や道路が、「土方」によって作られているのと同じ。どれだけ技術が進もうと、一番リアルに近い部分というのは、泥臭さは避けて通れない。

リアルなんて泥臭いもの

なんだから。それを実感するという意味でなら、「10年泥」は意味がある。まぁせいぜい10年くらいにしとかないといけないけどね。

泥臭くない部分というのは、それこそ技術の進歩でどんどん効率化出来る。ところが、泥臭い部分というのはどうやっても限界がある。対象が「リアル」なんだから、いろんな自然法則だの社会的条件だので制約される。となると、技術が進歩して効率化が進めば進むほど、泥臭い部分が占める割合が増えてしまう。「利用者の都合で妙な仕様を含める」なんてのは技術者は嫌うけれど、利用者にとっては必要なことだったりするし、そういったことの対応ってのは、泥臭いことだ。そして、不幸にして(?)インフラっぽいシステムはそういった泥臭さの集大成だったりする。

もちろん技術で解決が済む部分まで、泥臭いことをやってしまうのはどうかと思う。でも、技術を駆使すればする程、泥臭い部分が目立つのはある意味当然の帰結とも言える。

だから、いつまでたっても「IT土方」的な仕事はなくならないし、それがなかったら利用者にとって満足出来るシステムは作れない。「技術的に正しい」ということのもう一歩先に「利用者の満足」はあるわけで、それは泥臭い作業の果てなのだ。

「IT土方」であることを恥じることはない。恥じるべきは、泥臭くないはずの部分に「IT土方」的なものを持ち込むことだ。

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