Googleってオウムに似てないか?

これもほぼT/Oなんだが。

私は基本的にGoogleは嫌いなので、以下の話は割り引いて読んでもらうといい。でも、そういった解釈は可能だし、それがあながち間違いではなさそうだという現象が起きているのも事実なので、「そういった見方もある」程度に読んでもらうといい。

優秀なエンジニア達が自分たち独自の倫理観でもって、やれることをやってしまっているという点では、何ら違いはないのではないか?

世の中のたいていの「やれること」は倫理とか資源的制約でもってやりたくてもやれないことが多い。場合によっては、やれるかどうかという実証実験ですら、様々な制約でやれない。

ところが、インターネット上では資源的な制約は少ないし、「やれること」と「やっていいこと」と「やられてしまうこと」の境界が曖昧だ。倫理的にちょっとそれはどうかということであっても、出来てしまうようになっていれば、されてしまうというのはこの世界にありがち。また、実世界にとっては「極論」的なことであっても、インターネット上では「確かにそうだよな」と思うようなことも少なくない。GoogleがStreet Viewに対して抗弁した時に「今や完全なプライバシーなぞ存在しない」というのは、ぉぃぉぃぉぃぉぃとは思うけど、少なくとも嘘ではない。

そういったことで社会的な制約、倫理的な制約が少なくなれば、本人の持っている倫理が最後の砦となる。ところがGoogleはオウム同様、ノンポリな社会的常識から見れば「ガキ同様の倫理観」しか持っていない、それでいて超優秀な人達を集めている。つまり、彼等に

倫理のブレーキは事実上存在しない

わけだ。さらに彼等の多くは「超優秀」であるがゆえに、技術的な制約は軽々超えてしまうだけの能力がある。これもまたオウムと同じだ。

もちろんGoogleのやったことは、どれも「やれば出来る」ことだし、技術の進歩はそれを裏付けるし、彼等は可能にした。また、彼等がやらなくても、いずれ誰かがやってしまうというのも事実だ。Google Street View程騒ぎにならなかったけど、既に日本の会社が同じようなことをやっている。だから、それを以って彼等の倫理観を云々するのは、そのままでは正しくない。でも、

立ち小便しても怒られない場所だからと言って、
バキュームカーの中身をぶちまけて良いわけではない

のだ。小さいところがやって問題なかったからと言って、「Google」がやって良いとは限らない。

子供のネット犯罪あるいはナイフによる傷害事件を読み解けば、それは自分のやれることに似合うブレーキがないということによって起きたものだと言える。逆に言えば、強大な力があるものは、それに似合った倫理観がなければ非常に危険なものになるということでもある。Googleの今を見ていると、どうもオウムと同じ程度のものに見えてしょうがない。

PS.

予想通りのコメントがついててワロタ。誤解を避けるためにつけ加えておけば、個人的にはStreet Viewについてはどうでもいいと思っている。個人的には便利だし面白いからいいじゃんと。でも、理由はどうあれ賛否があることは確かで、そこで尽すべき議論をせず、半ば独善的にやってしまったという「やり方」や「理屈づけ」に危険なものを感じているということ。当エントリで問題視しているのは、このこと。

PS2.

「じゃあ倫理感ってなーに」というつっこみがあった。確かに倫理なんてのは相対的なものに過ぎないので、「これ」というものが言語化出来ないのも確か。でも、逆に「倫理感なんてのは言語化出来ない」ということを承知した上で、「大衆が納得出来るような説明責任を果す」ということがここで必要な「倫理感」にならないだろうか。「いやー、インターネットなんてそんなもんです。はっはっはぁ〜」なんて態度や「やれるからやっちゃったんです」なんて態度は、説明責任を果してないと思うのだが。

ハッカーの美徳の一つは傲慢なんだけど、それが通用するのはあくまでもハッカー社会の中だけ。サービスを提供する者は謙虚であるべきでしょう。

PS3.

くどいようだが、ここではGoogleの「やり方」についてのみ言っている。やっているサービスが有益かどうかは関係ない。社会に理解を得るための行動をしないで、自分たち(だけの)倫理観で社会的に影響の大きなことをするのを見て、かつてのオウムと同じ姿を見るわけだ。優秀でノンポリの技術者は、危険かも知れないと。

さらに、高木せんせも指摘するように、「嘘で糊塗した」発表を見ると、ますます好ましからざるものを感じる。まぁノンポリな人達だから、素でやっているだけだろうけど。

Googleってオウムに似てないか?” への5件のコメント

  1. ピンバック: links for 2008-08-13 « 個人的な雑記

  2. ピンバック: くまくまことkumakuma1967の出来損ない日記

  3. 倫理ってなに?ってつっこみが平然とでてくる日本だからこそ、Google的にやられるとちょっと怖い感じが。アメリカや欧州であれば、まだこういったものにストッパーがかけられるような倫理的なものがあるような気がしますね。

  4. 是非については、あまり論じる気がないんですよ。

    ただ、技術者が「やれる」ことを自分たちの倫理観でのみ「やってしまう」ってことが危険だなと。

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