もっと評価されるべき

テンションが低いなーと思いつつ、ダラダラとRSSの消化をしていたら、こんな記事を発見した。

新作映画「スピード・レーサー」

評論家は結構酷評している。となれば見ないわけには行かん。

だいたいに、ハリウッド映画なんてものはストーリーなんて考えちゃいかん。どかーーん、ばぁぁぁぁぁん!!みたいな音響だの擬音だので表現される、ド派手な映像。これが基本だろう。ストーリーなんて、3行でいい。

悪者が現れる

大乱闘

正義は勝つ

これだけだ。これをフレームワークにして、アクションだのCGだの「愛」だのが組み合わせられる。これでいい。ハリウッド映画にこれ以上を求める奴は頭おかしいだろ。異論は認めない。

と思っているので、テンション上がらないなーとか、暑くてダルいなーな時に、脳天気に「どかーん、ばーん」を見てすっきりするのにはいい。小難しいストーリーなんて、邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔。水戸黄門並の単純なストーリーがいいのだ。

という感覚でいるものだから、件の映画の評論家による「酷評」を読んで、今日みたいな日にはちょうどいい、

見るしかない!

と思ったわけだ。ということで、上野東急へ。

ストーリーはネタバレになるから書かない。いや、書いたってしょうがない。さっきの3行で十分なんだから。まぁ気になる人はWikipediaでも。

全編実写+CGということなんだけど、ほぼ全部CGだと思っていい。で、CGだよってことが妙に強調されてて、ハイライトが効き過ぎの画だ。これにちょっと違和感があるんだけど、慣れてしまえばどうってことはない。てか、そんなことはどーでもいー。

映像技術としては、一言で言えば「タツノコプロをハリウッドでCGにしました」という感じ。これ以上の表現が思いつかない。今時のアニメじゃなくて、昔の漫画をCG化したという感じ。リアリティなんてまるっきりなしの、漫画そのもの。この単純さがいい。ここまで物理法則を無視してると、特撮も難しかろう。と言うことでCGなんだろうと思う。

意味不明の日本語やら、日本人の役で韓国人俳優が使われてるとか、そいつの名前は韓国風なのに妹が日本風の名前とか、そういったハチャメチャさも、結構心地いい。「あーアメ公の認識ってこの程度だよな」と思いながら見ると、これはこれで楽しい。妙な漢字が出て来たり、変な日本人アナウンサがいたりとか、いったいこれはどんな国を思ってるんだよとか、つっこみどころ満載だ。最後の方のシーンで、「弾幕」が流れるところなんか、お前はどこでそれを覚えたんだ、絶対ニコ厨だろとか。でも、エンドロールを見る限りでは、他の映画よりも日本人スタッフは少ないくらいだ。

原作が「マッハGoGoGo」だということになっているけど、それは「嘘」だと言っていい。もう本当に物心ついた頃のテレビだったからまるっきり覚えてないけど、こんな話じゃなかったはずだ。だいたいこれが本当だったら、

スタートレックの原作は水戸黄門

だと言っても良いことになる。DS9は「暴れん坊将軍」な。もうそれくらい「原作レイプ」だ。

ハチャメチャなストーリーで、つっこみどころ満載の設定で、ひたすらファンタジーを通り越したトンデモで。そりゃまぁ冷静に見る評論家様にとっては、B級の駄作なんだろうと思うけど、

映画なんてニコニコ出来ればいーじゃん

という向きには、最高に面白い。

評論家の酷評のせいか、映画館はガラガラに空いていたけど、こんなに「漫画」で面白い映画もそうそうないんじゃないか? しかも、これが日本映画じゃなくてハリウッドなところまたいい。ハリウッドにありがちの、馬鹿馬鹿しいつーかお手軽さが、実に心地いい。

ニコ動的に言えば、

「つっこみどころ満載」「MAD」「原作レイプ」「もっと評価されるべき」「マッハゴ」

あたりのタグがつくのが妥当だろう。

まー、それはさて置き、夏のテンションの低い時には、ぜひ見ておくべきだ。何か得るものなんてまるでないけど、2時間15分の忘我の時が過ごせる。いろいろネットで探すと評価が低かっただの、観客動員数がどーだこーだって話が出て来るけど、そいつらは

正しいハリウッド映画

を知らないアフォどもだから気にしなくていい。

もっと評価されるべき” への2件のコメント

  1. 同意です(w

    私は日記では色々書いてますが
    確かにおっしゃる通り
    正しいハリウッド映画ですよ
    頭カラッポにしてみると気持ちいいですね確かに。
    元ネタに日本のマニア系文化が多いのはこの兄弟の作品の特徴ですから(w

    人の評価は気にせずに、興味が沸いたら見に行けって感じですよね

  2. おごちゃんの絶賛を読んで、昨日、みなとみらいまで行って息子と見ました。確かに面白かった。
    今時のアニメより、よっぽどマンガですね。途中でカンフーやらニンジャやら出て来たのも、彼らなりの原作に対するオマージュなんですかね。
    そういう馬鹿ばかしさも含めて堪能しました。

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