facebookで「厚い牛肉を焼くように昭和ヒトケタの母親に渡したら、薄く切らられてよーく焼かれた」という残念な話を読んだので。
牛肉は基本的に生でも食える。もちろん衛生管理がアレなのとかだと、アレなことになるのだけど、そーゆーことを気をつけていれば、まぁ問題ない。とゆーか、下手に焼き過ぎると、食えたもんじゃない。
とは言え、本当に生だと、これもイマイチおいしくない。牛脂の溶ける温度は人間の体温より高いし、生だと旨味が活性化しない。
牛肉は面倒臭い食材だ。とりあえず焼けば食えるとゆー重宝な食材ではあるのだけど、おいしく焼くのは難しい。特にステーキの類は、熟成とかなんとか考えれば、素人が家で作るのは絶望的と言えなくもない。なかなか納得のいくものは作れない。
とは言え、いくつかのポイントを押えれば、それなりに豪華なものが簡単に食える。
まずはポイントだけ。
- 「焦がす」と「火を通す」は別の作業
- 火を通すのは、なるべく低温で
- 時間をたっぷりかける
ということを押えておこう。
牛肉は「焦げ目」が大事だ。だから、なるべく高温で焼き目をつける。これをいい加減にやると、なんかもの足りない味になる
それはいいんだが、これで火を通してしまうと、厚い肉だと全部に火を通す前に火が通り過ぎるということになる。特に脂の少ない部分だと、パサパサになってしまう。「焼き過ぎたロース」がおいしくないのは、火を通し過ぎたからだ。
そこでどうするかと言えば、フライパンをしっかり熱して肉を入れ、いい感じに焦げたらなるべく弱火にすることだ。火を通す時の火は、弱ければ弱いほどいいと言ってもいい。
とっても厚いローストビーフにするような肉の場合は、
表面を焼いてから低温のオーブン
に入れるのがいい。表面をしっかり焼いてあれば、オーブンの温度は120度に設定してコールドスタートとか、そんなので問題ない。ローストビーフサイズ(1kgくらい)のブロックだったら、120度で1時間とか焼く。ステーキだと、名店ではレアで20分とかかけて焼き上げるそうだ。
ローストビーフだと芯のあたりの焼き加減がイマイチわからないので、菜箸でも突き刺してしばらく置き、抜いた箸先の温度で見当をつける。「あったかいなー」と感じるくらいであれば、火が通っている。
温度が低いと火が通るまで時間がかかる。ゆっくり焼くと、酵素の類が失活するまで時間がかかるので、その間にさらに熟成が進んで、旨味が活性化される。これで元の肉がさらにおいしくなる。
また、低温で焼くと、肉汁が失われにくい。肉の瑞々しさを損わずに火を通せる。「焼き過ぎのロース」みたいな残念なことにはならない。この辺の考え方は、以前に書いた
と同じだ。
もちろん下ごしらえはちゃんとしてね。私は、塩胡椒をまぶして、タマネギスライスまぶして、オリーブ油まぶして、1時間くらい放置とかする。こっそり醤油まぶしておくのもいい。あまりやると醤油臭くなるので、この辺はお好みで。
PS.
ローストビーフだと、焼く半日前に冷蔵庫から出して… ってのある。その方が焼けやすいし、熟成も進む。やるといいんだけど、私は途中で気が変わった時に困るので、やってない。